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日銀の追加緩和を決めるのは誰?

2016年01月27日

日銀の追加緩和を決めるのは誰?


 本日(1月26日)の日経平均は402円安の16708円となり、1月22日に突然出てきたドラギ総裁のECB追加緩和発言と原油価格持ち直しによる効果が、早くも剥げ落ちてしまいました。

 そういうなかで1月28日~29日に日銀政策決定会合が開催されます。株式市場では何かしらの追加緩和が期待されているようです。

 何事も「どうすると日本あるいは日本人全体にとって好ましいのか?」で決まることはなく、だいたい「どこかよくわからないところの都合が優先されて」決まるもので、まさに日銀の金融政策変更も同じです。

 それでは1月29日に「何が飛び出すのか?」を少し違った角度から考えてみましょう。1月29日とは政策決定会合の2日目のことですが、そもそも2日間も何を議論しているのでしょうね?

 まず日銀の政策決定会合における金融政策は、日銀総裁・副総裁(3名)に6名の審議委員を加えた9名の多数決で決定されることになっています。ところが審議委員のうち2名が学者枠(元官僚を含む)で総裁・副総裁に絶対に反対しないため(そもそも反対しそうな学者は審議委員に任命されません)、常に過半数の5名は確保されている「出来レース」でしかありません。

 最近では2014年10月31日の「唐突な」追加量的緩和に対し、産業界と金融界出身の4名の審議委員がさすがに反対したのですが、粛々と5:4で可決されてしまいました。

 一応は各審議委員が政策決定会合で「独自案」を提案することはできますが、当然に粛々と否定されてしまい何の意味もありません。追加量的緩和以降、野村證券出身の木内委員だけが毎回の会合で「日銀の年間の国債保有増加額を45兆円(現行は80兆円)にすべし」と提案して、当然にいつも1:8で否決されています。ちなみに本誌は国債の年間純増額に相当する30~35兆円にすべしと考えます。

 それでは「絶対に可決される金融政策案」はいったい誰が考えるのでしょう?一応、日銀は国会や政府や官邸から独立していることになっているので、黒田総裁と岩田・中曽副総裁が「各位」の意向を忖度(そんたく)して事務局とすり合わせ(理屈を後付けで考えて)作成しているはずです。

 それではこの意向を忖度すべき「各位」とは誰(どこ)のことなのでしょう?

 これは歴史的に変遷しており、過去には例えば三重野総裁時代(1989年~1994年)のように「総裁の鶴の一声」で決まっていた時期もあったようですが、現在の黒田体制では「1が旧大蔵省、2が米財務省、あとはなし」のはずです。

 もともと日銀総裁は旧大蔵省出身者と生え抜きがタスキ掛けになっていたため旧大蔵省の意向が強く反映されていましたが、このタスキ掛けは生え抜きの白川総裁(もともと副総裁候補だった)の就任時に旧大蔵省出身の武藤敏郎副総裁の総裁就任が民主党の反対で国会承認されず、一旦は中断していました。現在の武藤氏は2020年の東京オリンピック事務総長という「利権の塊」のイスにちゃんと座っておられます。

 ところが安倍首相再登板のどさくさに紛れて旧大蔵官僚だった黒田総裁が誕生したため、その黒田総裁は歴史的にも最も旧大蔵省の意向を強く受けている総裁となります。旧大蔵省とすれば、一旦は遠のいていた日銀総裁の椅子が転がり込んできたため、今度こそ未来永劫に確保しようと考えるからです。

 したがって黒田総裁の就任以来の金融政策は、「異次元」量的緩和と「もっと異次元になった」量的緩和しかありませんが、すべて旧大蔵省の意向であり、具体的には消費税を10%にすることと、日銀を財政ファイナンスンするための巨大な財布にすることでしかなかったはずです。

 2の米財務省は、もともと旧大蔵省のカウンターパーティーであり、米財務省の意向を旧大蔵省が自らの省益(日本の国益ではありません)に照らし合わせて(巧みに脚色して)受け入れるものです。拒否することはなく、2001年~2006年の量的緩和と、2014年10月の追加量的緩和は米財務省の意向だったと考えます。

 官邸(安倍首相)の名前が出てきませんが、政権発足直後の蜜月関係は(といっても旧大蔵省が経済再建を焦る安倍首相を利用していただけですが)完全に冷え切っています。つまり官邸の意向は今回の日銀の意思決定にまったく反映されません。

 また米財務省は普通であれば米国政府(ホワイトハウス)の意向を受けていますが、オバマ政権のルー財務長官は最近見たことがないほど無能で何もできません。またホワイトハウスのカウンターパーティーは官邸で旧大蔵省ではないため、現在はホワイトハウスの意向も米財務省の意向も日銀(旧大蔵省のことですが)に届きにくいはずです。

 つまり1月29日の政策決定会合とは、100%旧大蔵省の意向で決まるはずで、そこから考えると最大の関心事は2017年4月の消費増税実施が無事に行われるかでしかなく、そう考えると現在は消費増税への環境づくりとしても「やや早すぎる」となります。

 したがってカードは(日本経済回復のためでも株価回復のためでもなく、消費増税実施を確実にするためのカードは)、今回は温存することになりそうです。さっそく竹中平蔵・元大臣が「(追加量的緩和は)少し早い。財政出動とタイミングを合わせるべき」と発言しておられます。

 竹中平蔵氏は旧大蔵官僚ではありませんが、とてもわかり発言ですね。

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