闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

シングルBの衝撃  東京電力とギリシャ

2011年06月01日

シングルBの衝撃  東京電力とギリシャ

 5月30日に米国格付け機関のStandard and Poor’sが東京電力の企業信用格付けをBBBから5段階引き下げてB+にしました。企業信用格付けと言うのは、無担保の貸し付けなどを対象にした格付けです。

 一方、東京電力の社債に適応される長期債格付けは、同じBBBから2段階引き下げてBB+になりました。

 東京電力のいずれの格付けも3月11日の東日本大震災前には、確かAAマイナスだったので、僅か2ヶ月で10段階もの格下げとなったのです。

 米国格付け機関は、発行体の将来の信用に関して、投資家が認識する前に有益な警告を与えるような格付けの変更をすることは全くなく、事態がはっきりと悪くなった後でヒステリックに格下げを繰り返し、ますます事態を混乱させることを業務としています。

 まさに今回もその通りに変更しているのですが、今回はちょっと影響が大きそうです。

 まず、企業信用格付けというのは、銀行借り入れなど間接金融で使われる格付けなのですが、それがシングルB格になったということは、東京電力に貸付のある銀行は全て引き当てをしなければなりません。

 さらに、新規の貸し付けが出来ないことになります。担保を付けたとしてもBB格なので、あまり変わりません。そして、新規の貸し付けが出来ないだけでなく、一刻も早く回収をしなければならないのです。

 金融庁の決めたルール通りにやると、こうなるのです。さて、どうするのでしょう?

 それから社債の格付けである長期債格付けもBB格になったということは、投資適格債から外れたということで、機関投資家は保有できません。
 これも、新規に購入が出来なくなるだけでなく、保有分を売却しなければなりません。

 つまり、東京電力は今後の資金調達に際し、銀行借り入れも社債発行も実質出来なくなったのです。


 これで東京電力は、いずれ法的整理に追い込まれることは確定的になったと思います。あとは時間と政府の認識だけの問題です。
 いつも思うのですが、純粋の民間会社である米国格付け機関が、決して納得できる仕事をしていないのにもかかわらず、その格付けを絶対視するので、こういうことが起こってしまうのです。

 話は変わりますが、ギリシャの格付けも昨年のはじめころはAプラスだったのが、現在はBです。これも10段階もの格下げです。

 シングルBの格付けの国家というのは実質破綻しており、間もなくデフォルト(債務不履行)しますよ、という意味なのです。

 そのシングルB格のギリシャが、ユーロにとどまり、ユーロ各国からの支援を受け、ユーロ建ての国債を発行し、債務の減免なしで再建することが絶対できないと言うことなのです。

 純粋の民間企業である米国格付け機関が、日本を代表する企業であり、関東地方の電力の供給を独占的に行っている東京電力と、ユーロの枠組みの中に組み込まれているギリシャを、ともにシングルB格にしたということは、東京電力を法的整理に追い込んで日本経済を更なる低迷に追い込み、ギリシャを国家破綻に追い込んでユーロを大混乱させることなのです。

 米国格付け機関が、ここまで責任を持って格付けをしているとはとても思えません。

 しかし、ギリシャのことはともかく、政府は東京電力の再懸案を急いで練り直さなければ、再び膨大な国家損失が生まれてしまうのです。

 不信任案どころではないのです。

平成23年6月1日
 

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:6 | TrackBack:0
関連記事
コメント
阪中さんもシングルBかにゃ~!?(^O^)
以前、東電の株を買い推奨していましたね。あなたの言うとおりにしなくてよかった。
格下げ
格付け会社による格下げは最終局面で起きます。
格下げされた時点では、売り殺到中で打つ手はありません。
中国及び韓国の本当の財政について
中国経済躍進と言うけれど、中国の金融機関は不良債権だらけと聞きます。中国と韓国の本当の財政状況はどうなんでしょう。
真実が知りたいのです。国家、民間すべてです。
中国財政、韓国財政
中国財政は今のところ大丈夫です。不良債権とは、担保割れしているか、利払い延滞しているかの債権です。国策で追い貸しして解決。急成長8%している限り、問題ないです。経済統計が?という話もありますが、その数値は公式見解で、それを下回ることによって問題を生じさせないという当局の意志の表現だと考えましょう。(何だこりゃなんですけどね)
韓国経済はあまり分かりません。しかし、空洞経済と言われています。立派な大企業の製品の中身は日本部品ばかり。金融業界は外資に半ば占領され。
急成長は終わった国なので、後は日本と同じく問題山積です。二国間取引で日本から借りた通貨スワップの二百億ドルを未だに返せない国です。どちらかといえば国益派の福田総理から追加融資もらおうとして、「多国間取引でなら」と断られた国。日本を踏み台にして国内問題を解決し経済発展します。日本から部品工場を奪うため税制優遇し、東レの炭素繊維工場が出ていきました。
韓国から見て日本没落は完全に始まっています。韓国中国では「溺れる犬は叩け」の国です。笑
ということは…踏み台日本は、まもなく沈んでなくなります。韓国を助ける国はありません。韓国は、しばらく夕焼け日本の光で輝き
アメリカによる調査
ムーディーズが中国地方政府がGDP30%の不良債権を抱えていると調査結果を発表したが、大丈夫。まだ中国経済は急成長していくので。安定成長になった時がアウトです。
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

08月 | 2017年09月 | 10月
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム