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日銀は金融政策を根本的に考え直す時期に来ている

2016年03月17日

日銀は金融政策を根本的に考え直す時期に来ている


 日銀は3月15日まで開催されていた政策決定会合で、現在のマイナス金利と「異次元」量的緩和を組み合わせる金融政策の維持を決めました。

 ここでマイナス金利とは現在260兆円まで積み上がっている日銀当座預金残高のうち「たった」10兆円程度に0.1%のマイナス金利を適用するものであり(大半の210兆円には従来通りプラス0.1%が支払われ続けます)、「異次元」量的緩和とは日銀が40年までのすべての年限の国債を保有残高が年間80兆円増加するように買い入れるものです(日銀の国債発行残高は年間30~35兆円しか増えません)。

 つまり日銀は黒田総裁就任直後の2013年4月から「異次元」量的緩和を継続し、さらに2014年10月には追加量的緩和に踏み切り、短期から長期までの金利水準全体を大きく低下させました。

 そこへさらに本年1月29日にマイナス金利を導入し、その組み合わせで金利水準全般を「さらに大きく」低下させました。

 つまり日銀が考える日銀の使命とは金利水準全体を低下させることであり、現在のように経済活動が低迷しているならマイナス金利を導入してでも金利水準全体をさらに低下させることであり、それでも経済活動が低迷しているなら(今回の政策決定会合直後の記者会見で黒田総裁が強調したように)さらに追加緩和で金利水準全体をさらに低下させることになります。

 いずれにしてもこうして金利水準全体を際限なく低下させていけば、いくらなんでもどこかで経済活動が活発化すると考えていることになります。

 本日(3月16日)の各年限の国債利回りは(各年限の代表的な金利水準を表します)、2年国債がマイナス0.19%、5年国債がマイナス0.20%、10年国債がマイナス0.08%、20年国債が0.42%、30年国債が0.64%、40年国債が0.71%と、まさに際限なく低下していることになります。

 短期国債を含めて1000億円もある国債発行残高のうち、実にその85%以上となる償還年限が11~12年の国債利回りが、すべてマイナスになってしまいました。

 ちなみに日銀がマイナス金利導入を発表した前日(1月28日)の各年限国債利回りは、2年国債がマイナス0.02%(本日までの低下幅は0.17%)、5年国債が0.01%(同0.19%)、10年国債が0.23%(0.31%)、20年国債が0.93%(0.51%)、30年国債が0.64%(0.56%)、40年国債が1.32%(0.61%)と、残存年数が長い国債ほど利回り低下幅(価格上昇幅)が大きいことになります。

 繰り返しですが、日銀当座預金残高のうち「たった」10兆円程度だけにマイナス0.1%を適用しただけで、これだけの国債をマイナス利回りにしてしまったわけです。

 これは現在の日本経済が、いくら金利水準全体が低下しても新たな資金重要が出てくる状況ではなく、金利低下により経済活動が活発化する状況でないことを意味します。

 そもそも「異次元」量的緩和が開始された2013年4月以降、金利が低下すれば新たな資金需要が出て経済活動が活発化するのであれば、もうとっくにそうなっているはずで金利の低下も「どこかで」止まっていたはずです。

 つまり「たった」10兆円程度にマイナス金利を適用したくらいで、国債利回りが全体的に(とくに残存年数が長い国債のほうが)大きく低下することなどないはずです。まあ日銀がマイナス金利を導入してくれたので、この状況を早く認識することができたとは言えます。

 つまり黒田総裁はご満悦のようですが、金利水準全体が大きく低下していることが好ましいのではなく大変に憂慮すべきことであり、ましてやこのまま経済活動が活発化せず(しません)さらなる追加緩和で金利水準全体を引き下げようとするなら、まさに日本経済にとって「自殺行為」となります。

 金利低下による景気刺激効果は、市場に十分な資金需要と十分な収益が見込める投資機会が存在する状況に限られ、少なくとも現在の日本経済がそのような状況でないことだけは、この大きな金利低下で確認できてしまいました。

 しかし日銀はその「自殺行為」に向かっていることになります。まさに表題の「日銀の金融政策を根本的に考え直す時期に来ている」と強く感じますが、それではどう修正すればよいのか?については引き続き具体的に考えていくことにします。

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コメント
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だったと後世語られるでしょう。
勉強不足ですみません。
さらなる金利低下が日本にとって自殺行為となるとのことですが、起こり得る結末として最悪の場合どういう結果となるのでしょうか?
 需要を作るのは政府の仕事。なんでパッケージで動かないんでしょう。日銀に出来ることなんて金の出し入れだけなんですから。
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