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日銀は金融政策を根本的に考え直す時期に来ている  その2

2016年03月18日

日銀は金融政策を根本的に考え直す時期に来ている  その2

 
 昨日付け「同題記事」はかなり書き足りなかったのでもう1回続けます。何しろマイナス金利とは日本の金融政策にとって初体験であり、ここをどう考えるのかで本誌を含めたマスコミ、エコノミスト、評論家などの「力量」が見極められるはずだからです。

 その前にFRBは昨日(3月16日)まで開催されていたFOMCで、政策金利であるFF翌日物誘導金利を0.25~0.50%に据え置きました。イエレン議長はFOMC後の記者会見で「世界経済のリスクを見極めるリスクがある」との認識を示しました。

 少し横道に逸れますが、実は昨年から世界の金融市場が急に不安定になった原因の1つには、明らかにこのFRBの優柔不断さがあります。これはオバマ政権の優柔不断さが世界中の政治・外交を不安定にしていることにも似ていますが、FRBが「恐る恐る」世界経済のリスクを伺いながら自信なさそうに逡巡しているので、世界の金融市場がますます不安定になると考えます。

 いい意味でも悪い意味でもボルカー、グリーンスパン、バーナンキの歴代FRB議長は唯我独尊(よく言えばリーダーシップが強い)でした。金融政策の効果とは多分に心理的なものなので、市場に「FRBに任せておけば大丈夫」と信頼されることが重要です。

 そこで日銀と黒田総裁です。日銀に任せておけば大丈夫なのでしょうか?

 黒田総裁は就任直後の2013年4月に「異次元」量的緩和、2014年10月に追加量的緩和.と、日銀の歴史から見ても大変に大胆な政策変更を「よく検討した形跡もなく、よく市場に説明もせず」ポンと決めて実施しています。

 そして2016年1月29日に、これも日銀にとって歴史上初めてのマイナス金利導入をやはり「よく検討した形跡もなく、いつものように市場に十分な説明もせず」ポンと決めて2月16日から実施してしまいました。当然のように市場は右往左往してしまい、これは中央銀行の金融政策として「最も避けなければならないこと」ですが、黒田総裁はお構いなしに「金利が大きく下がっている」と満悦です。

 さて昨日はこれを「自殺行為」と書いたのですが、なぜそうなのか?とのコメントを頂きましたので、少し詳しく解説します。

 まず「異次元」量的緩和でもマイナス金利導入でもその組み合わせでも、その目的が消費増税を確実に実施するためである以外に(現在の日銀は完全に旧大蔵省傘下なのでこれが最優先です)少しでも経済活動を活発化させるためなら、どこかで効き目が出て新たな資金需要が生まれ、どこかで金利(とくに長期金利)低下が止まるはずです。

 ところが長期金利の代表である10年国債利回りは、中国経済変調が騒がれ始める直前の2015年6月の0.50%から低下し、本年に入り0.2%まで低下していましたが、マイナス金利が導入されると3月10日にはマイナス0.1%まで低下してしまいました。

 つまり現在の日銀の金融政策は、経済活動を活発化させるためであるなら明らかに間違っていることになりますが、黒田総裁はさらなる追加緩和で金利(とくに長期金利)を低下させようと考えています。つまり間違いを修正せず、さらに間違った方向に進もうとしていることになります。

 ECBが量的緩和拡大を含めた追加緩和に踏み切ってもドイツ10年国債利回りは2月に0.1%まで低下していたところから逆に上昇し、本日(3月17日)には0.31%まで上昇しています。

 ECBの追加緩和でドイツを含むユーロ圏経済が回復する(新しい資金需要が生まれる)と市場が期待していることになります。単なる期待かもしれませんが、日本ではその期待も全くないことになります。

 そして10年国債利回りのマイナスが定着するということは、信用リスクを取らない限り日本で資金を10年間運用して「プラス利回りにならない」と市場が考えていることになり、新たな投資が行われるはずがなく日本経済がプラス成長になるはずもなく日本株も低迷することになります。

 それにマイナス金利は、現金(円)がモノに対して値上がりすることになるため、どちらかと言えば円高要因となります。実際に本日(3月17日)午後9時頃には1ドル=110円台央まで円高となっています。

 繰り返しですが日銀の「異次元」量的緩和にマイナス金利を組み合わせた現行の金融政策は「明らかに間違って」います。世界経済が過剰設備・需要不足で収縮している中で総需要拡大策である金融緩和の効果はもうなくなっており、弊害の方が多くなっています。

 それでは日銀の金融緩和はどうあるべきかなどは、来週月曜日配信のメルマガ「闇株新聞 プレミアム」で徹底的に考えます。

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コメント
思考の迷宮
日銀に出来ることは、金利の上げ下げ、売りオペ買いオペ、預金準備率の上げ下げ、この3つだけでしょ。

多分皆さんが馬鹿にしている肉体労働者のプロレスラーだって、よく使う技だけでも数十はありますよ。

頭がいい人が、3つの技があれば経済を動かす事が出来ると考えるのは、秀才が解の無い問題に取り組んでいるだけではないですか?
マイナス金利の影響ですが、「モロに」でてきました。もちろん悪い影響ですが・・・


資金需要は当然ですが「全く」増えず、融資の金利引き下げ対応が山のように来ます。それも特に住宅ローン。大企業向けの融資に至っては0.1パーセントを大幅に下回る有様(笑)

黒田総裁はマインドを変えたいと言っていたが銀行員のマインドは確かに変わりました。

「戦意喪失」ですが・・・笑

いや、実際この「戦意喪失」てのは笑い話しでは済まないんですよ。
先ほどの大企業に貸して例えば0.05パーセントという状況だと無担保で1億貸して金利が5万円だから、いくら大企業といえども業績不振になったら取り返しがつかない。(担当者の人件費も出ないですし)
東芝なんかみたいな事になるとさすがに取りっぱぐれはないにしても莫大な貸倒引当金が必要になる。そおなると「まっ、やめとこか」ってことになりかねない訳です。

これ今はまだ「銀行員のボーナスが減る」くらいで済んでますが、間違いなく中堅以下の金融機関は立ちゆかなくなります。
現在地銀株は急落してますが「まだまだ過大評価されている」くらいの感覚が正しいと思います。
マイナス金利は黒田氏のパフォーマンスで国債の日銀トレードで銀行は儲かるのでは?と思うかもしれませんが貸出金利の低下(新規の物だけでなく既存の物まで)があまりにも急で早過ぎ焼け石の水にもならない。

あの欧州最大のドイツ銀行ですら金利低下でマズイ状態になってる訳で(デリバティブもだが)、地方のローカルバンクに対応できる訳がありません。

まあ亡国の金融政策ですよ。







1000兆円借金がある国にとっては、
支払う利息が減って、いいことなのでしょう、たぶん。。。

ユニクロ天下=デフレ10年の勝ち組
なんですよ
ユニクロが大ピンチになればアベノミクス成功の
証となる。
今のところ皆無
プレミアムは高すぎるんだよねえw
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