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シャープの「偶発債務」とは?

2016年03月22日

シャープの「偶発債務」とは?


 本来は2月29日に予定されていた鴻海によるシャープ救済の正式調印がいまだに迷走しています。

 本日(3月21日)になって、2月25日にIRされていた鴻海によるシャープの第三者割当増資4890億円を1000億円程度減額し、また鴻海がみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が合計2000億円保有する優先株のうち1000億円を(たぶん額面で)買い取る条件を見直す方向で調整中であると時事通信が伝えています。

 鴻海も引き受ける第三者割当増資の議決権(66%)を減らすはずがないため、1株=118円と発表されている払い込み価格を94円程度に引き下げなければなりません。しかし先週末(3月18日)のシャープ終値は138円で、移動平均もそれほど安くないため、このままだと有利発行となって株主総会の決議が要ります。

 まあシャープの株価が100円程度まで下落すれば解決ですが、そうなれば新たな信用不安になってしまうため簡単な問題ではありません。

 もう1つの優先株の買い取りも、産業革新機構が2000億円全額の償却(つまりドブに捨てる)に加えて新たに1500億円の債務の株式化(これもそのうちドブに捨てる)を求めていたため、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が「債務免除は要請しない」との郭会長の発言とともに鴻海案を支持したのが根本的背景であり、大幅に見直されると厄介な問題になります。

 そもそもこういう迷走状態になってしまった原因は、シャープが2月25日の臨時取締役会で鴻海から4890億円の第三者割当増資などを受け入れ傘下に入ると機関決定したのですが、その前日の24日になって「偶発債務」が3500億円ほどあることを「そっと」鴻海に通知していたからです。

 当たり前の話ですが、24日に通知を受けとった鴻海は同日中に詳しい内容の確認を求めたのですが、シャープはお構いなしに25日の臨時取締役会で第三社割当増資などを機関決定しIRしてしまいました。

 つまり先に既成事実化してしまえば、鴻海もどうしてもシャープを傘下に入れたいはずなので、多少の(決して多少ではありませんが)問題があっても何とかなるはずとタカをくくっていたのかもしれませんが、いずれにしても釈然としません。

 またこの3500億円もの「偶発債務」にしても、その一部が米国の太陽光ビジネスで提起される可能性がある訴訟費用等と最初の段階で伝わってきたものの、そこから1カ月近くたっても一向にその全貌がわかりません。

 シャープが先月発表した第3四半期決算短信では営業利益が290億円の赤字、経常利益が528億円の赤字、最終純利益が1083億円の大赤字となったものの、いまだに2016年3月期の通期営業利益予想を100億円の黒字に据え置いたままで(期初は800億円の黒字という冗談のような予想でした)、経常利益と最終純利益は予想すらありません。

 また3月末には(10日後です!)5100億円ほどの銀行借り入れの返済期日が到来するはずですが、全く危機感が伝わってきません。

 最大の疑問はその「偶発債務」の存在を、何で(シャープの)機関決定のわずか1日前になってから鴻海に伝えたのか?ですが、それ以外にもメインバンクのみずほ銀行や三菱東京UFJ銀行は知っていたのか?とか、本来はあるべき有価証券報告書の注記もないため監査法人(あずさ)は知っていたのか?とか、最近まで傘下に入れようとしていた産業革新機構は知っていたのか?とか、そもそもシャープの現経営陣が状況を正確に把握していたのか?など、疑問はいくつも出てきます。

 直感的には、シャープはここまで巨額赤字を垂れ流しながら同時に「粉飾に近い」決算も続けていたような気がします。つまり「偶発債務」としているものの実際には「隠れ債務」「不正会計」がかなり紛れ込んでいる可能性があります。

 あとからあとから追加損失と追加不正会計が飛び出しくる東芝を見ていても、シャープの病巣が表に出ている程度とは思えません。

 鴻海がいつまで主導権を握る契約になっているかが気になりますが、期限を切って(3月末とか)一旦は白紙に戻して、シャープ主導ではない第三者委員会を設置して徹底的に調べるべきと考えます。

 鴻海による救済合意のどさくさに紛れて出てきただけで(だからそのタイミングしかなかった)、今まで全く表に出ていなかった3500億円の「偶発債務」とは、それだけで証券市場に責任ある説明をしなければならないものであるはずで、かなりの確率で会社ぐるみの不正が隠れていると感じるからです。

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コメント
偶発債務は
みずほ銀行が鴻海に垂らしこんだ
情報だと思ってましたが違うんですね・・
上記で有れば
シャ~プのCDSをみずほ&三菱が買い込んで置いてシャ~プを倒産させてドブに捨てる債権どころじゃなくて
ゴッソリ儲けてから鴻海も
ただ同然に手に入れる寸法だと
思ってますた笑


馬鹿な幹部連中
やはり出てきましたね!
最初から鴻海の目的は判っていたのに、目の前の金に目が眩んだ幹部連中はどうしようもないですな!
外国の会社など全てハゲタカなのに、甘言に引っかかるような日本の会社など餌に過ぎないのが未だ判らないのか?私からすれば高給取りをしている企業の幹部どもは従業員や家族の生活を考えれば外国企業に厳しい対応をするべきであると思いますね。余りにもお花畑連中が多すぎる。老舗企業といえども今後襲ってくるであろう世界的な経済崩壊を乗り切れるのか、疑問ばかりです。一流大学一流企業を目指す若者は他山の石とするべきであり、むしろこれからの会社はオンリーワンの企業に就職する方がましかもしれないですね。政府も日本に潜在的に存在するそのような中小企業やベンチャー企業を育てていかなくては,将来の日本経済は
死んでしまいかねない。
とにかく、シャープは清算するべきです。
DESの前提となっていた修正中期経営計画がハリボテでも構わなかったのは、銀行が数字を作れと指示したからでしょうね。
債務超過を免れ、事業売却先に有利な条件で売る為に数字を弄ってるのは決算から見ても明らかでしょう。
どの程度関与しているかは分かりませんが、銀行も(実質的な)共犯と見るべきかと。
ホンハイが決算で見極めると言った理由は、シャープの自己申告の数字に疑問を持ったからでしょうて。(交渉に有利な状況というのも勿論ありますが)
既に3年前に騙されかけてる事実があるわけですし。

偶発債務問題で一番マズいのは出したタイミングでしょうね。
機構と競っている時に情報を渡していれば、両者偶発債務込みの条件を提示してここまでシャープに不利な状況にならなかったかもしれませんし、
墓場まで持っていく気概でホンハイを騙し通していれば、出資契約自体は結べた可能性が高いですから(その後訴えられるかもしれませんが・・・)。
結局シャープ経営陣と銀行が誤魔化し続けた保身の結果が、偶発債務の情報を最悪のタイミングで出したと思ってます。

そんなことするなら、最初から誠実にやればよかったのにね。
少なくとも機構から条件を引き出したという成果はあったのだから。
下記ジム・ロジャースの意見に論評を
世界のどこでも負債が膨らみすぎていて、米国、欧州、日本の中央銀行は金融緩和で負債を増やした。
各国政府はもちろん倒産や不況を避けようとするが、企業が倒産しないと、その企業の負債は永遠に継続する。
シャープという企業がいっその事、倒産してしまえば日本の負債は減り、新しくやり直せる。
だが政府や銀行は連鎖倒産で「面倒な事」になるのを嫌い、借金が永遠に残る方が良いと考える。
競争力の衰えた企業を倒産させ、負債を削減する必要があるのに、政府と中央銀行は痛みを避けている。
金融緩和によって国の負債を増やし、通貨安に誘導したが、通貨安で経済を立て直した例はなく、必ず失敗する。
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