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消費増税再延期と衆参同日選挙を巡る駆け引き

2016年04月01日

消費増税再延期と衆参同日選挙を巡る駆け引き


 水面下で消費増税再延期と衆参同時選挙が取り沙汰されています。確かに安倍首相は2017年4月に予定されている消費増税実施(8%から10%へ)の再延期を目玉に衆議院を解散し、7月10日と予想される参議院選挙と同日選挙として憲法改正に必要な(連立相手の公明党と憲法改正に賛成の一部野党を含めて)衆参両院で3分の2以上の獲得を目論んでいるはずです。

 安倍首相の「真の目的」が憲法改正であっても(本誌は憲法改正に賛成ですが本日はこの議論はしません)、消費増税の再延期について安倍首相は国会内でも自民党内でも官邸内ですら「少数派」であり、旧大蔵省をはじめとする官僚組織からは「反対勢力」と見なされており、ハードルは大変に高いと言わざるをえません。

 決して大げさではなく、現行の「異次元」量的緩和とマイナス金利政策の組み合わせに加えて消費増税が強行されてしまうと日本経済が完全に沈没してしまい、さすがに株式市場にも影響が出るため、消費増税強行か再延期を巡る駆け引きの行方は正確に見極めておく必要があります。

 そもそも消費増税を延期するために衆議院を解散する必要はありませんが(民主党の野田政権時に成立した消費増税関連法案を改正すればよいだけですが、この法案には当時野党だった自民党も公明党も大賛成しています)、2014年12月には同じ理由で衆議院を解散しているため、やはり必要となります。

 ただ最高裁が2015年11月に現行の衆議院選挙は違憲状態と判断しているため、今通常国会末(6月1日)までにせめて「衆議院の10議席くらいの削減」を含む公職選挙法改正法案を成立させ、その改正された定数で衆議院選挙を行う必要が出てきます。これはそうでなくても不人気法案であり、自民党で多数を占める消費増税賛成派が時間稼ぎをすれば成立が難しくなってしまいます。

 さらに衆議院では4月24日に北海道5区と京都3区で補選があります。もし解散があれば史上最短任期の衆議院議員となりますが、ここで自民党は京都3区に公認候補を立てず不戦敗であるものの、さすがに町村信孝・元衆議院議長の女婿が出馬予定の北海道5区を取りこぼすことはなさそうで、大きな障害にはなりません。

 消費増税を再延期するために格好の経済指標が、5月18日に発表される2016年1~3月期GDPです。ほぼ間違いなくマイナス成長であり、そうなると2014年4月に消費税を5%から8%に引き上げてから8四半期のうち、実に6四半期のGDPがマイナス成長となり、さすがに「消費増税は再延期すべき」との声が出てくるはずです。

 その前後に日銀が追加緩和に踏み切る可能性もあります。この追加緩和とは日銀の保有国債純増額を現在の年間80兆円から増額する追加量的緩和と(国債発行残高は年間30兆円ほどしか増えません)、現在でも260兆円もある日銀当座預金の10~30兆円だけに適用されるマイナス金利幅を拡大することを意味します。

 その結果は長短金利を一層低下させ(マイナス金利幅を拡大させ)経済活動を一層停滞させる弊害しかありませんが、何が何でも2017年4月の消費増税実施を確実なものにしたい旧大蔵省(と傘下の日銀)にとっては気にすべきことではありません。

 だいたい2015年10月に予定されていた消費増税を確実なものにするために、2014年10月31日に「全く不必要で予想もされていなかった」追加量的緩和に踏み切り、さらに同日にGPIFの資産構成を大幅に変更してまで株高・円安を加速させようとしました。

 ただ日銀の政策決定会合は4月27~28日と6月15~16日なので、6月では遅すぎるため追加緩和に踏み切るとすれば4月27~28日しかありません。追加緩和は全く必要がないだけでなく日本経済にとって弊害しかありませんが、2014年10月のケースもあり、本誌は5割以上の確率があると大変に懸念しています。そうなったときの株価も大変に心配です。

 最後に7月10日(として)参議院選挙と同日選挙とするためには6月1日の通常国会会期末に解散する必要がありますが、その直前の5月26~27日に伊勢志摩サミットがあります。サミット議長を務める安倍首相がその数日後に衆議院を解散するとなると、さすがに「素知らぬ顔」で議長を務めるわけにはいきません。

 しかしこれは安倍首相が逆にサミットで「議長国として率先して経済回復を重視する」と消費増税再延期のための総選挙を発表してしまえば、少なくとも参加国から非難されることはなく、国際世論を味方につけることができます。

 ただそうやって仮に衆参同日選挙に漕ぎ着けたとしても、すでに施行されている安保法案への批判も含めて安倍批判の大合唱となり、衆参とも議席が伸び悩む恐れがあります。何しろ消費増税の再延期とは、安倍首相は少数派であり抵抗勢力に過ぎないからです。

 この辺を総合的に考えると、消費増税が再延期される可能性はまだ「それほど高くない」となりますが、今後を見守りたいと思います。

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コメント
GPIFの運用実績の発表予定を大幅な赤字が避けられないから選挙後に先延ばしするそうですね。

それにしても民進党はどうやって選挙に勝つつもりなのだろうか。少なくとも消費増税を推進した野田一派を追放し、消費増税は失敗だったから謝罪し消費減税を実行すると主張しなければ到底選挙に勝てないだろう。
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