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株式市場のルールは公正か? その1

2010年11月02日

 皆さんご存知のように、株式市場にはたくさんのルールがあり、そのルールが近年ますます多岐にわたり、ますます厳格化されています。また違反したときの罰則もますます厳しくなっています。これらの厳格化されたルールが株式市場の自由な発展を妨げていると思うのですが、今回はこれについてのコメントはしません。
 
 それでは、これだけ厳格化されたルールなのだから、さぞかし公正に運用されていると皆さん信じていると思います。ところが実際は、目を疑うような事例が驚くほどたくさん、全く何の問題もなくまかり通っているのです。それを少しずつご紹介していきたいと思います。まず、今回は「堂々と通った裏口上場」についてです。

 「裏口上場」と言うのは、正式には「不適当な合併等」と呼ばれ、非上場企業が規模の小さい上場企業を買収し、その上場企業を存続会社として合併を行うなど、上場審査を経ず上場してしまうことを言います。当然、各取引所は「合併等による実質的存続性喪失に係る上場廃止基準」を設け、新規上場に準じた審査を行い(猶予期間)、不適当と判断されれば上場廃止になります。実際、ディーワンダーランド、シグマゲイン、アドバックス等が、不適当と判断され上場廃止となっています。

 ところが、典型的な裏口上場であるにもかかわらず、上記の新規上場に準じた審査も行われず、今も堂々と上場している企業があるのです。誰も「おかしい」と指摘しないのですが、ここにいくつかご紹介してみます。

 1.プリヴェ企業再生グループ(ジャスダック上場。コード4233)

 2007年9月~11月にプリヴェファンドグループ(当時の社名)がジャスダック上場のイー・レボリューション(当時発行株数910万株。時価100円前後)に対して第三者割当増資(1666万株。払い込み価格60円)などで65%を所有して傘下に入れました。この時点でイー・レボリューションの発行株数は2877万株になりました。プリヴェファンドグループが、ここまでに投入した資金は約12億円のはずです。
 
 さらに、2008年4月にこのイー・レボリューションが親会社のプリヴェファンドグループを合併し、存続会社になり(プリヴェファンドグループは消滅)、ジャスダック上場を維持し、社名もプリヴェファンドグループに変更しました(その後、現在のプリヴェ企業再生グループに社名変更)。もちろん全ての経営陣は旧プリヴェファンドグループの経営陣です。合併後の発行株数は3億6511万株と約13倍になりました。もちろん見事なまでの「裏口上場」なのですが、なぜか猶予銘柄になることもなく、今も上場を維持しています。

 実は、合併当時の旧プリヴェファンドグループ(ややこしいですが、合併で消滅してしまった方の会社です)は、当時東証2部に上場しており、2004年の静岡日産の子会社化で東証の上場廃止猶予期間に入っており、2008年3月に上場廃止と決まっていましたので、まさにウルトラCで上場を維持したのです。
 
 さらに言うと、この旧プロヴェファンドグループは、そもそも2003年に東証2部上場だった神田通信工業を子会社化して、同時に東証2部上場を果たしたという、まさに「裏口上場」のプロ(?)なのです。

 旧イー・レボリューションの合併直前の発行株数は2877万株で、これが合併後に3億6511万株になっています。この差額の3億3634万株(要するに、ほとんど全部なのですが)は旧プリヴェファンドグループの株主に交付されたわけです。当時の時価は大きく動いているのですが、大体当時の平均の50円で計算すると、わずか時価総額14億円だった会社(イー・レボルイーション)の株券が新たに何と168億円分も、上場廃止寸前だった旧プリヴェファンドグループの株主に交付されたのです。特に旧プリヴェファンドグループの大株主(明らかにこのウルトラCを決行した現在の経営者。1億株強を保有)は大きなメリットを得た訳です。

プリヴェ企業再生グループ(現社名)の株価は現在9円程度で、時価総額も33億円くらいまで減少しています。


  2.ジパング・ホールディングス(旧社名プライム。ジャスダック上場。コード2684)

 プライムは、テレビショッピング企画・販売をしていた会社ですが、平成21年6月期に債務超過に陥り、一年以内に解消をしないと上場廃止となる予定でした。そこへ金鉱山採掘会社であるジパングと平成21年10月に合併すると発表し、実際に平成22年1月1日付けで合併しました。そしてお決まりの旧プライムを存続会社にして上場を維持し、旧ジパングは消滅したのですが、社名もジパング・ホールディングスにして、ジパングの代表者が代表取締役となりました。旧プライムの代表取締役も一時は共同代表でしたが、いまは辞任しています。また、帳簿上たっぷりある旧ジパングの資産を吸収したので、とりあえず債務超過も解消し、上場も維持できることになりました。

 旧プライムは合併直前の発行株数が、直前に2分割をしているので21万株ほどでした。合併発表前の株価は債務超過と言うこともあり10000円前後でしたが、合併発表後に60,000円台まで上昇しました。(分割前)
 
 実際に合併になる直前の平成22年12月末の株価は13,000円(分割後)でしたので、これで計算すると、合併前の旧プライムの発行株数は21万株、時価総額27億円に対し、合併後の発行株数は469万株になるため、何と差額の448万株、時価総額にして582億円もの新株が旧ジパングの株主に交付されているのですが、その旧ジパングの70%近くを保有していた現在のジパングの経営者が、最大のメリットを取ったことは明らかです。旧ジパングの資産は金鉱山採掘に関するものが大半であり、その資産性はともかく、換金性がほとんどないものを、一応上場会社の株式と言う換金性のある資産と入れ替えたのです。実際、はっきりと確認できていませんが、この経営者は合併後のジパングの株をかなり換金しているようです。

 さすがにこのケースは、ジャスダック取引所によって「不適切な合併等」の疑いがあるとされ、上場再審査の猶予期間である2013年3月までに不適切と判断されれば上場廃止になります。しかし、それまでたっぷりと時間があるため、株主にとって換金のチャンスはいくらでもあるのです。ジパングの時価は4750円で、時価総額は276億円まで減少しています。

 今まで、「不適切な合併等」で上場廃止になった企業も、猶予期間が基本3年もあるため、その間に持ち株をさっさと換金してしまったケースもかなりあると思います。
日本アジアグループ(東証マザース上場。コード3751)も書こうと思ったのですが、紙面の関係でやめました。

 さて、「堂々と通った裏口上場」は。これくらいにして、次は「原野が株式に変わった」とか、「一夜明ければ持ち株が10倍に」等を書いてみたいと思います。ただ、その時々でタイムリーな話題を入れたり、また別のテーマのシリーズも書きますので、とりあえず毎日の覗いてみてください。

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