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日銀の政策決定会合(4月27~28日)を警戒すべき  その2

2016年04月22日

日銀の政策決定会合(4月27~28日)を警戒すべき  その2


 本日は「パナマ文書」の近況を書くつもりだったのですが、昨日付け「同題記事」を書いた後に安倍首相が衆参同日選挙を見送ってしまったため、どう一連のニュアンスが変わるのかを改めて解説するために早めにアップすることにしました。

 「異次元・量的緩和」「マイナス金利」「消費増税」という日本経済にとっての「悪夢の3点セット」がさらに強化されてしまえば、大げさではなく日本経済が壊滅的な状況に陥ってしまうため、ここは声高に主張しなければならないと強く感じているからです。

 「パナマ文書」の次の山場は5月上旬のはずなので、来週でも間に合います。

 さて衆参同日選挙(つまり衆議院の解散・総選挙)の見送りは、熊本地方を中心とした地域を襲った地震の影響が甚大であるからで、安倍首相としても当然の判断となります。

 問題は2017年4月に予定されている消費増税の実施を再延期するためには、衆参同日選挙を行い勝利して「国民の信任を得た」との大義名分が必要となることです。実際には国会で、民主党(当時)野田政権時に成立した消費増税関連法案を修正あるいは廃止してしまえば済む話ですが、旧大蔵省をはじめとする官僚組織で最重要のイベントであり、消費増税再延期に関して安倍首相は「少数派」なので簡単にそうならないからです。

 さらに問題は、この消費増税の実施を強行するために日銀の追加緩和(量的緩和の拡大とマイナス金利幅の拡大)が行われるはずであることです。これは頭脳明晰な黒田氏を含む旧大蔵官僚が、単純に追加緩和を行えば円安・株高となり日本経済が回復して消費増税の影響などなくなると考えているとも思いませんが、同じ状況だった(最終的には衆議院の解散・総選挙で延期されたものの2015年10月に予定されていた消費増税実施の約1年前である)2015年10月31日に唐突に追加緩和(量的緩和)に踏み切っています。

 つまり「悪夢の3点セット」が揃って強化されてしまう恐れが強いのですが、唯一消費増税を止められる可能性が(あくまでも可能性があるだけですが)衆参同日選挙であり、そこで少なくとも再延期となればアシストのための追加緩和も不必要となり「悪夢の3点セット」が強化される事態だけは避けられるからです。

 ここで「異次元・量的緩和」と「マイナス金利」の組み合わせで長短金利が劇的に低下したのですが、最大の問題はそれでも一向に資金需要が出ないことで、とうとう10年国債利回りまで大きくマイナスになってしまいました。これは日本では(極端なリスクを取らない限り)向こう10年間くらいの経済活動では利益が出ないことが改めて認識され、日本の潜在成長率がそれまでのゼロ近辺ではなく実際はマイナスだったことになります。

 そこへさらに追加緩和が行われ(つまり潜在成長率をさらに下落させ)、さらに消費増税が行われ、さらに黒田総裁が繰り返し主張する2%の物価上昇だけが実現してしまったら消費者の負担だけが増加し、日本経済をさらにスパイラル的に低迷させてしまいます。

 ここで衆参同日選挙が封印されてしまいました。消費増税実施を再延期させるためのデッドラインは本年7月頃なので、参議院選のあとから衆議院を解散させても意味がありません。

 政権内部には、地震被害が長期化すれば消費増税延期論が強まり、わざわざ衆議院を解散させて増税の是非を国民に問う必要がないからという「恐ろしいほどの楽観論」があるようですが、全く逆です。

 消費増税を延期させる唯一の可能性だった衆参同日選挙が封印されてしまい、その可能性がほぼなくなってしまったと考えなければなりません。

 旧大蔵省にとっては消費税率さえ引き上げてしまえば、あとは日本経済がどうなろうとも、税収が一時的に落ち込もうとも一切気にしません。それは経済政策の失敗であると時の政権に責任を押し付けてしまえばよいからで、旧大蔵省の省益(税収の確保)は未来永劫に維持できるからです。つまり熊本地方の地震で見事に「焼け太った」わけです。

 逆に言えば、旧大蔵省としても(現在の日銀は完全に旧大蔵省傘下です)4月27~28日の政策決定会合で急いで追加緩和に踏み切る必要も薄れたことになります。これだけ考えると少しは「ホッとできる」話となります。

 ただ今週に入ってからの日経平均は、追加緩和と消費増税延期への漠然とした期待でかなり上昇しており、円相場も1ドル=107円台から109円台半になっています。これは追加緩和が見送られれば多少はブレーキがかかるかもしれませんが、それで失望しているようでは「全体の構図」を見誤ります。

 いずれにしても今回の衆参同日選挙見送りで、日本経済がまた「崖っぷち」に近づいたことだけは確かです。

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コメント
こんな見方も。
官邸側は、消費税を再度上げると景気が悪くなるのは分かっているので、同日選をやらせてもらえなかった腹いせに熊本地震は大震災ではない(菅長官)と言って消費税を上げると、誰かに脅しをかけているようにも見えます。
>「異次元・量的緩和」「マイナス金利」「消費増税」という日本経済にとっての「悪夢の3点セット」がさらに強化されてしまえば、大げさではなく日本経済が壊滅的な状況に陥ってしまう。
 ことになれば、
>旧大蔵省にとっては消費税率さえ引き上げてしまえば、あとは日本経済がどうなろうとも、税収が一時的に落ち込もうとも一切気にしません。
>旧大蔵省の省益(税収の確保)は未来永劫に維持できるからです。
 とはならないことを旧大蔵省はわかっていながら3点セットを強化する意味が理解できません。
 ぜひ解説お願いします。



消費税回避策
消費税回避策は、個人輸入すればいいだけです

内需企業もシンガポールか香港に企業を置いて
ネットショップをすれば儲かります
送料もさほど高くないですし
アマゾンのように配送センターを外注すればいい

大丈夫です
似たようなスキームはみんな使ってます

輸出製造業は消費税(トヨタ税?)を歓迎してます
一億総トヨタ社会になって消費税還付をもらいましょう
そおいえばブルームバーグで日銀関係者がマイナス金利での金融機関への資金供給検討みたいな記事(飛ばし記事?反応を見るためのリーク?)出てましたが・・・
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