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恐ろしくなるほど低下してしまった長期国債利回り

2016年07月01日

恐ろしくなるほど低下してしまった長期国債利回り


 先週末(6月24日)に英国EU離脱ショックの直撃を受けた日本市場も、円相場と日経平均は落ち着きを取り戻しています。

 ところが国債利回り(とくに10年以上の長期国債利回り)だけは「恐ろしくなるほど」低下を続けています。

 6月28日には10年国債利回りがマイナス0.24%、20年国債利回りが0.04%、30年と40年国債利回りが0.05%まで低下していました。20年以上の国債についてはそれほど出来高を伴っているわけではなく、その後は少し利回りが上昇していますが、それにしてもとくに最近の利回りが低下するスピードは異常です。

 日銀がすべての年限の国債を「異次元」に買い入れる量的緩和に踏み切る前日(2013年4月3日)の国債利回りは、10年国債が0.55%、20年国債が1.41%、30年国債が1.56%、40年国債が1.67%でした。

 そして日銀がマイナス金利導入を発表する前日(2016年1月28日)は、10年国債が0.23%、20年国債が0.93%、30年国債が1.20%、40年国債が1.32%でした。

 つまり「異次元」量的緩和を2年10か月間続けた2016年1月28日までの利回り低下幅よりも、マイナス金利導入後5か月の低下幅が「はるかに」大きいことがわかります。

 マイナス金利とは、直近で300兆円にまで膨らんだ日銀当座預金残高のうち、せいぜい10兆円程度にだけマイナス0.1%を適用する「看板に偽りのある」ものですが、たったそれだけで10年以上の長期国債利回りを「恐ろしいほど」低下させてしまいました。

 「異次元」量的緩和は2014年10月31日に「さらに異次元の」量的緩和となっていますが、それでも10年以上の長期国債は発行額よりはるかに少ない金額しか買い入れていません。それでマイナス金利導入を発表するまでは、10年~40年の国債利回りは比較的緩やかに常識的に低下しているだけでした。

 それが「看板に偽りのある」マイナス金利導入で一変してしまいました。そもそもマイナス金利とは短期金融市場に適用されるもので、日銀は長期金利や長期国債利回りを劇的に変化させることはできません。

 それでは何で10年以上の国債利回りが「恐ろしくなるほど」低下しているのでしょう?

 これは日銀の(黒田総裁の)思惑とは違いマイナス金利とは強烈なデフレ政策であり、とくに長期の資金需要と日本経済の先行き見通しを劇的に悪化させているからと考えます。だからマイナス金利導入を発表した2016年1月29日以降は、円高・株安・長期国債利回りの急低下がスパイラル的に襲っているわけです。

 10年国債利回りがマイナスになり、20年以上の国債利回りもほとんどゼロになったということは、現金で何か資産を購入するとか設備投資でビジネスを拡大しても、10年までなら確実に損失となり、20年以上でもほとんど収益が上がらないと市場が予想していることになります。これで日本経済が回復するわけがありません。

 つまり最近の長期国債利回りの劇的な低下は、日銀がすべての年限の国債を異次元に買っているからではなく、マイナス金利導入をきっかけに日本経済が強烈なデフレ・スパイラルに襲われているからとなります。

 じゃあ10年以上の国債市場は「バブルなのか?」ですが、さすがに「バブル9合目」とは感じますが、この「恐ろしくなるほど」低下する長期国債利回りを見てデフレ・スパイラルがさらに加速している可能性が強く、まだまだ「バブルは膨らむ」かもしれません。

 40年国債利回りはマイナス金利が導入される直前の1.32%が、たった5か月で0.05%になったため、単価にすると約50%上昇している計算になります。たしかGPIFは国債保有を(どの年限の国債を保有していたのかは不明ですが)劇的に減らし、日本株と海外資産をせっせと買い込んでいたはずで、世界的な株安と円高の直撃を受けています。

 まさに規模だけは世界最大の機関投資家であるGPIFは(ほかの機関投資家も似たようなものですが)お話にならない「真逆の取引」を行っていたことになり、悪い通信簿を両親に見せられない子供のように2016年3月末の運用成果を必死に隠していたら、足元ではもっと悲惨な状況になってしまいました。

 明らかに素人が運用しているからで、全員クビにするしかありません。それでもお手盛り第三者の「厳しい目」が運用体制をチェックして、「不適切な運用ではあったが違法ではない」とでも記者会見して居残るのでしょうかね?

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コメント
直近の証券会社の営業マンはどんな商品売り込めば
いいでしょうか?
安倍はGPIFの運用実績をきちんと国民に報告すべき。
わざわざ選挙後に公表を遅らせるのだから相当な金を損してるんだろう。
アベノミクス失敗を認めて軌道修正してほしい。
運用成績
GPIFも日銀も相当な損失が出ているはずですが、実際はどれだけの金額なのでしょうか?
公的間の損失額がはっきりすれば、現在の政権の失敗も明確になると思うのですが。
株式運用なんて、長期で考えないといけないはずなのにマスコミや野党はすぐに問題にしますね。なぜですか?
GPIFの損失は含み損または、純損失どちらなのでしょう。
そして損した分は、どこの懐を潤す結果になったのでしょうか。
これこそ、アベノミクスの良い所かもしれませんね。
>>
直近の証券会社の営業マンはどんな商品売り込めば いいでしょう

私の会社では米国リートに販売商品が偏っていると当局から指導を受け、本部主導で日本株、新興国株やシェールガス、最近ではロボ関連の投信の販売を強化したらものの見事に全部ドツボにハマりましたよw
結局バブルだ何だと言われながらも米国リートが数少ない安定感のある商品でしたねえ。
成り行き売りの価格
GPIFの時価ばかり皆さん気にしてますが
実際に全部売ったらいくらになるか気になります

長期保有だから問題ないといいますが
それはきちんと吟味した銘柄であれば、です
売り時にきちんと売れれば、でもあります
また東芝のような想定外の事態が起こっても冷静に損切りできるのであれば、でもあります

今の政府がやってることは塩漬けと屁理屈のあわせ技です
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