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信任されたアベノミクスの経済対策とは?

2016年07月12日

信任されたアベノミクスの経済対策とは?


 7月10日に投開票された参議院選挙では、自民・公明の与党が非改選を含めて146議席(全体で242議席)を獲得し、アベノミクスを含めた安倍政権の政策運営が信任されたことになります。
 
 それを受けて安倍首相は明日(7月12日)に経済対策の策定を指示することを明らかにしました。本日の日経平均はすでに601円高の15708円(終値、以下同じ)と急伸していますが、英国のEU離脱前日である6月23日の16238円には、まだ届いていません。

 さて今回の経済対策について安倍首相は「未来の成長につながる成長の種に大胆に投資する」と述べ、具体的にはリニア中央新幹線の全線開通を最大8年間前倒しするとか、英国のEU離脱に備えた中小企業の支援策とか、春に前倒し執行した公共事業の積み増しとか、人工知能など成長戦略への投資などが示唆されています。

 また事業規模は10兆円超、財源は新規国債を追加発行して確保するようです。

 要するに旧態依然とした公共投資を国債増発して行うというものでしかなく、その投資対象も火急のものとは思えないものや、抽象的すぎて効果が読めないものばかりです。

 とても日本経済の現状を理解しているとは思えず、危機感が全く伝わってこない経済対策となります。「未来の成長」を楽しみにしても、その前に日本経済が沈没してしまったら何にもなりません。

 現在の日本経済を取り巻く大きな問題は2つあります。

 1つは、現在の日本経済低迷の最大要因は需要不足つまり消費不足です。10兆円の財源ならわざわざ国債を増発しなくても前倒し発行分を充てるだけで十分です。そして仮に10兆円を経済対策に充てるなら、食料品や生活必需品だけでも(奢侈品は除く)消費税を10兆円分免除すれば、間違いなく即効的効果があります。

 2016年度の税収予算では消費税収が(国税分と地方税分の合計で)22兆円となっています。10兆円だと1年間限定で消費税収全体の約半分に相当するだけですが、この10兆円は間違いなく新たな消費に向かいます。収入が少ないなどの理由で消費を切り詰めている人がたくさんいるからです。

 つまり日本の名目GDPは500兆円なので、10兆円の消費増加はGDPを2%押し上げます。幸か不幸か日本経済は10兆円くらいの消費増加ではインフレにはなりません。

 2つ目は、現在の「異次元」量的緩和とマイナス金利の組み合わせで長短金利が「恐ろしいほど」下落してしまい、一時は20年国債までマイナス利回りになりました。

 これは日本では、極端に元本リスクを取らない限り現金を20年間投資しても事業に回しても利益が出ないと市場が認識していることになり、これでは日本経済が活発化するはずがありません。つまり現在の日本経済は強烈なデフレ圧力に襲われていることになります。

 そもそもマイナス金利とは、300兆円以上もある日銀当座預金のうち、せいぜい10兆円程度にマイナス0.1%を適用するだけのものですが、それで2年国債利回りが一時マイナス0.36%、10年国債利回りが一時マイナス0.30%まで低下してしまいました。

 これは市場にはまだまだ追加金融緩和(マイナス金利幅の拡大と日銀の資産購入額の拡大)への期待があるからです。また2年国債と10年国債の利回りがほとんど同じということは、日本には経済活動のインセンティブとなる「利鞘」がほとんど消滅していることになります。ここからも日本経済が活発化するはずがないことがわかります。

 「異次元」量的緩和とマイナス金利をやめてしまうと状況が改善するというものでもありませんが、少なくともこれ以上の無用な追加緩和期待を取り除き、これ以上デフレ圧力が拡大することを防ぐ必要があります。

 何も難しいことではなく「もう追加緩和は行いませんよ」と黒田総裁に発表してもらえばよいだけです。多少の円高と国債市場の混乱は覚悟しておかなければなりませんが、それは日本経済がはるかに健全になるコストと割り切ればよいだけです。

 つまり「未来を夢見る経済対策」ではなく、10兆円を原資に消費税を1年間の期間限定でも免除することと、「もう追加緩和は行わない」と黒田総裁に発表してもらうだけでよいのです。

 そんなに難しいことではないと思うのですがね、安倍首相殿。

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コメント
バーナンキ議長の日銀訪問から、急速に円安が進んでいます。
何か起こるのでしょうか?
 一時的な金で右往左往するほど日本の不況は短くありません。
 一時的な消費税免除に効果があると思うのであれば庶民の思考を理解していないということです。むしろ後の消費税復活時のダメージの方が大きいはずです。  毎年、消費税を1%ずつ減税していくなど、継続した庶民の所得向上が見込めなければ、結局デフレは続きます。
消費税減税は申告で減税するのであれば効果はあると思いますよ
教育ローンの借り入れ金利へ減税するのでもいいでしょうね
要は実態消費につながる工夫次第だと思います

闇株新聞様へ
経済政策は成功しなくても別にいいのだと思いますよ
失敗すれば次の政策で国債を発行すればいいのです
景気改善よりも公金を使う理由と増税の理由があればいいのです
景気は統計操作でなんとでも言えますし大多数の国民もそれを信じてくれます
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