闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

債券相場の行方(号外版)

2011年06月19日

債券相場の行方(号外版)

 今週はあまり相場のことは書いていませんでしたので、まとめてみます。

 世界の資金が株式から債券に大きく流れると言うことは、経験的に間違いないと思っています。
 実際足元では、米国10年国債とドイツ10年国債の利回りが、ともに2.92%(16日現在)、日本の10年国債が1.11%となっています。

 世界的に財政負担が大きくなり国債発行が増え、民間の資金が財政赤字の穴埋めに使われることになるのですが、それが民間の資金需要を逼迫させることはなく結果的に国債金利が下がり、世界的な成長減速と株価の低迷を引き起こすのです。(5月19日付け「金融抑制の弊害」を御参照下さい)

 しかし、格付け機関は米国や日本の格下げを声高に叫び、昨日はイタリア(まだAa2だった!)の格下げ予想も出ていました。

 しかし、いくら国債の格下げの話が出てきても国債金利は下がり続けるはずです。一方で、民間の成長減速も同時並行するので、格付けの低い債券は売られます。

 格付けの低い債券が売られる典型的な例として、欧州ではギリシャ10年国債の利回りが18.5%。2年国債が30%程度の利回りとなっています。
 ギリシャ経済は、ユーロ経済の2.6%を占めるだけなので、ユーロ当局が徹底的に支援すると強く言うか、債務の一部切り捨てやギリシャのユーロ一時離脱などのハードランディングをするか、どちらかはっきりさせればよいのですが、どうも足並みがそろわないようで長引そうな気がします。

 米国国債に話しを戻しますと、債券王と言われるPIMCOのビル・グロス氏の最近の発言が注目を浴びています。

 グロス氏は世界の債券市場で最も影響力のある人です。もともとはカジノのプロギャンブラーで、現在は1.2兆ドルを運用するPIMCOの運用責任者です。

 そのグロス氏は、「現在の量的緩和が6月に打ち切られると、最大の買い手(FRB)を失った米国国債は格下げのリスクもあり、金利は上昇する」と言っています。そして「個人の冨が政府に移転することになり(つまり政府に搾取されることになる)、インフレ率を勘案すると実質マイナス金利となるので米国国債は保有しないように」と呼びかけています。
 事実、PIMCOのポートフォリオからも米国国債を売却してしまったようです。

 しかし、5月13日付け「下がり始めた米国金利は要注意のシグナル」でも書きましたように、量的緩和の打ち切りは、むしろ米国国債の利回りの引き下げ要因、つまり米国国債の価格の上昇となるはずなのです。
 量的緩和と言うカンフル注射が終わると景気が減速し、かえって金利が下がり、次の量的緩和を市場が期待するからです。

 大変畏れ多いのですが、この点においては債券王のグロス氏の見立てと私の見立ては逆なのです。でも自信があります。なぜなら同じ状況に10年以上陥っている日本経済と債券市場を見てきているからです。

 繰り返しますが、債券(国債)利回りの低下は、長期にわたる経済と株価の低迷を引き起こすのです。それが日本だけでなく、世界的に広がっていきそうな予感がするのです。

平成23年6月18日 午後1時

この記事は、6月18日付けの無料メルマガ「闇株新聞」でメール配信した記事です。 
メール配信の際に日付けを「平成23年12月18日」と記載していましたが、正しくは「平成23年6月18日」です。
失礼致しました。

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:2 | TrackBack:0
関連記事
コメント
ギリシャソブリン危機
欧州経済について濱のり子氏が、ギリシャのユーロからの切り離しに言及し始めた。欧州人はギリシャを腐敗国家で自浄作用弱いと考え始めたようだとしている。漏れはギリシャのユーロからの追放は副作用大きく、選択肢となり得ないと考えてきた。しかし、改革で既得権を削減できない腐敗国家ならば追放ありだ。リーマンショック以上の世界経済危機になるだろう。拡大EUの理想から言っても大打撃になる。
濱のり子氏はこの他に一軍二軍のユーロを作る話も出している。
経済危機の各国に緊縮予算を強制するEUでは、乗り切れない。
予測

1) QEで大量にばら撒かれた、通貨の行き場がない。
 QEの目的は経済の上昇だが、それができなく、経済が縮小。企業への信頼が低下し、株は売られる。
 しかし金はある。コノ金はどこへいくか、貴金属か、国債。
 しかも市場からQEで、国債を吸い上げているから、品不足。国債の上昇、金利の低下

2)QEでばら撒かれたお金が身動きが取れず、退蔵されて(たんす預金)、デフレがすすみ、紙幣の価値が上昇。
 金融商品の下落(デフォルトの可能性が増大する)がさらに進み、金利が上昇する。負債性通貨の元である、債権に区別が生じて、比較選択で国債へ。

3)小国は破産して、国は崩壊して、国民は塗炭のくるしみ。 大国は債務切捨て、金融構造が変わり、世界混乱、戦争が起きるが、何とか国は保ち、別の時代へとうつる。
  
 3)は確実におきる。
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム