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またまた厄介な海外ファンドの上陸 その2

2016年08月04日

またまた厄介な海外ファンドの上陸 その2


 8月2日付けで「同題記事」を書きましたが、まだまだ書き尽くせていません。またコメントもいただいていますので反映させながら続編を書くことにします。

 「東芝とか日興(コーディアル)のように、不正を働いた企業の経営者が裁かれない現状ではグラウカスは必要悪ではないか?」とのコメントをいただいていますので、これについてです。

 調査レポートに限らず報道機関から経済犯罪が発覚することは日本ではありません。調査レポートは証券会社の営業推進のために作成されるもので、企業にとって都合の悪いことや不正の可能性などを取り上げることはほとんどなく、また日本の経済事件とは事件化寸前に当局からの情報提供(リーク)があって初めて記事になるため、報道機関が独自調査で不正を追及することもありません。

 唯一の例外がオリンパス事件ですが、これはウッドフォードが解任された直後にFT(Financial Times)に持ち込んだネタだけで書かれた「大変に不正確」な記事が、外国の新聞社だったというだけの理由で、またいろいろな方面の思惑が重なりオリンパス事件の「すべて」と認識されて現在に至る稀有なケースです。

 この辺は(大変に遅れていますが)執筆中のオリンパス事件・新刊本で、新事実も山盛りにして背景を明らかにしています。

 じゃあグラウカスが外国の調査会社なので(正確には投資会社ですが)、そのレポートをきっかけに当局が動き、不正が暴かれることもあるのではないか?となりますが、確かに怪しげなものも含めて日本製のレポートよりは当局は重要視するはずです。やはり外国製(舶来もの)は正しいとの認識が当局にもあるようだからです。
 
 それでは事件発覚前の東芝について、グラウカスがレポートしていたら今ごろは刑事事件化していたのか?というと、そんなことはありません。今までさんざん書いてきたように事件化するかどうかは「全く次元の違うところで決まっている」はずだからです。

 ただグラウカスも、伊藤忠のレポートの冒頭に「東芝は不正経理を認めさせられ、株価が70%下落した」と紹介しているので、必ずしも刑事事件化することが最終目的ではなく、有価証券報告書の訂正に追い込まれるとか課徴金を課せられて株価が下落すればよいと考えているはずです。

 しかし実際には、その会社が認めず何も起こらなくても、とにかく市場を疑心暗鬼にして株価さえ下落させれば自己資金で空売りしたポジションが利益となるため、目的達成と考えている可能性もあります。

 そうなると明確な風説の流布となります。日本で(例えば本誌が)同じことをやれば(本誌は絶対に推測では書きませんが)すぐに本誌が刑事事件の対象にされてしまいます。

 しかしグラウカスを含む海外の会社が同じことをやっても(目の前でやっていますが)、全く問題視されないはずです。中国人グループが実態の怪しい会社を堂々と東証に上場させていても、外国ファンドが増資前に堂々と空売りしても、世界中が規制しているHFT(超高速取引業者)が堂々と跋扈していても、全く問題視されていないからです。

 8月2日の記事の最後に、グラウカスVS伊藤忠の成り行きに大変注目していると書いたのですが、そもそもグラウカスの伊藤忠に関するレポートは経理処理の考え方の違いを主張しているものでしかないため、そこは伊藤忠が正々堂々と反論するか、全く無視してしまえばよかったはずです。

 しかし伊藤忠も監査法人の承認を得ているなど「通り一遍」の反論IRを出しただけで、全く中途半端で「やっぱり疚しい(やましい)のかなあ?」と市場で感じられているような気がします。本日(8月3日)の終値は1141円で、レポート発表前日(26日)の1262円から9.6%も下落しています。

 ここでグラウカスのレポートで株価が下落したという「実績」ができてしてしまうと、刑事事件や有価証券報告書訂正や課徴金などとは「全く」関係がなくても、その次はグラウカスがレポートすると必ず株価が下がるとのイメージができてしまい、その次はレポートの質などお構いなしにグラウカスの存在感が実態よりはるかに大きくなり、その結果グラウカスがますます空売りで収益を上げる結果になってしまいます。 

 日本の株式市場では、サードポイントをアクティビストなどと褒めたたえて追随して(サードポイントの)収益に貢献していましたが、やっていることは昨年また周辺が強制捜査を受けた村上ファンドと全く同じです。

 グラウカスについても褒めたたえて追随して(グラウカスの)評判と収益に貢献してはならないと「強く」感じますが、これは企業の不正を放置してよいという意味とは「全く」違います。

 グラウカスが日本の株式市場の浄化に貢献するために上陸したわけではなく、そこのところを混同してはなりません。

 まだまだ書き足りないので続きを書くことになりそうです。でも明日は、昨日書いたGPIFの続編です。

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コメント
海外ファンドがやるのはOKで日本のファンドがやるとすぐ事件化という構図は納得いかないですね。グラウカスの存在感が高まらない事を期待したいですが…結局鴨にされるのは日本の個人投資家なんですけどね。。
 アメリカでは「風説の流布」は立件されないのでしょうか。ふと疑問に思いました。
おれもおれもファンド
日本の中を規制強化したので
国内銀行があれこれするときは
海外からやってねーとなっているんです

それを知ったいろんな人たちがおれもおれもとやりだしちゃった

もうひとつの問題点は日本当局の海外渉外が弱い
語学力のある人、国外の法務がわかる人が少ないので事件化できないんです
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