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本当に大丈夫なのか?と心配になるほど支離滅裂な日銀の「総括検証」

2016年09月16日

本当に大丈夫なのか?と心配になるほど支離滅裂な日銀の「総括検証」


 日銀が9月20~21日の金融政策決定会合でまとめる異次元緩和の「総括検証」の内容が、少しずつ漏れ伝わってきています。

 黒田総裁となってからの日銀は、就任直後の2013年4月の「異次元」量的緩和、2014年10月の追加量的緩和、2016年1月のマイナス金利導入では「本当にちゃんと検討したのか?」と心配になるほど唐突・大胆な決定が多かったのですが、これも「総括検証」の結果か事前に少しずつ市場に情報を広めるようになったようです。

 その内容は、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深堀り(マイナス金利幅の拡大)を据え、国債購入では長短の金利差拡大を促しマイナス金利の副作用に配慮するとなっています。

 ここのところメルマガ「闇株新聞 プレミアム」や、9月14日付け「追加緩和はまだ可能?その2」で繰り返し書いてきた通りの内容です。

 これは「当たったでしょう?」と自慢しているわけではなく、黒田総裁を含む旧大蔵官僚の習性である「絶対に間違っていたとは言わない」と「かといって身内の銀行の収益だけは確保する」などを理解しておけば、簡単に導き出される答えです。

 要するに9月20~21日の政策決定会合では、すでに300兆円をこえている日銀当座預金残高のうち10~30兆円だけにマイナス0.20%を適用し、日銀の国債保有残高を年間80兆円増加させる現行の量的緩和は維持するものの25年以上の超長期国債の買入れを減らし、中期国債をその分増やすことになるはずです。

 日銀の当座預金に対しては、これからも200兆円以上の残高についてはプラス0.1%の金利が支払われるはずで、ここには大手銀行分が多く含まれます。ところがマイナス0.2%が適用される10~30兆円の当座預金はほとんどがゆうちょ銀行と信託銀行分で大手銀行分はありません。

 さらに日銀が購入する超長期国債を減少させることにより20~40年国債利回りがさらに上昇し、10年国債利回りもゼロ近辺か若干のプラス圏に浮上するものと思われます。そして10年超の国債利回り上昇は貸出金利を上昇させ、銀行の収益を支えることになります。

 せっかくの「総括検証」なので、もう少し「なるほどなあ」「これなら少しくらいは効果があるかもしれない」とたまには感心するような政策変更にしてほしかったのですが、本誌でも「簡単に読めてしまう」ものでしかないようです。

 また依然として金融政策の目標を「2%の物価上昇目標を堅持」としたままですが、さすがに2013年4月の「異次元」量的緩和導入から3年半が経過しているため、当初の「2年で実現」は撤回するようです。

 これも過ぎてしまったものの「間違っていました」とは言わないため、知らん顔して撤回するだけです。

 さて金融緩和の軸にマイナス金利の深堀り(マイナス金利幅の拡大)を据えるといっても、それはたかだか10~30兆円の日銀当座預金残高に適用されるだけの「誤魔化しのマイナス金利政策」でしかありません。

 ただ銀行預金金利や短期金融市場における調達金利などをすべてマイナスにしてしまうことも不可能で、結局は「誤魔化しのマイナス金利の深堀り」でしかなく、実際の経済活動にそれほど大きな効果があるとも思えません。

 何度も繰り返していますが、マイナス金利政策とは(誤魔化しでもそうでなくても)現金の価値が最も高いという金融政策で、強烈なデフレ効果と円高効果となります。

 そこで「2%の物価上昇目標の堅持」としたままで、物価を押し下げるデフレ効果と円高効果しかないマイナス金利を金融政策の軸に据えるという「大いなる矛盾」を平然と掲げていることになります。

 さらにそこに身内の銀行のために長期金利を引き上げる政策が加わります。そもそも量的緩和とは日銀が長短の国債をまんべんなく購入し、金利体系(イールドカーブ)全般を押し下げ、経済活動を活発化させるためだったはずです。

 それを今度は身内の銀行のために貸出金利に反映される長期金利だけを上昇させる方針に切り替えたわけです。

 要するに表題の、本当に大丈夫なのか?と心配になるほど支離滅裂な日銀の「総括検証」となるわけです。


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コメント
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行の業績は、
マイナス金利にかなり影響していそうです。
日銀への株主代表訴訟にならないのでしょうか。

また、このマイナス金利は地方に住む高齢者の預金に影響します。ゆうちょ銀行愛用者は地方が多いからです。おそらく預金金利が下がるなど今後影響が出るでしょう。
要するにアクションを起こせない騙しやすい地方老人から手をつけている、これじゃあオレオレ詐欺に近い手法ではないですか。

民営化されたが、信書事業自由化など人質がたくさんとられている郵政だから、こういったことを行えるのでしょうね。
そういえば、ゆうちょ限度額の目的は、マイナス金利でしょうか。

信託銀行がなぜ黙っているのかは知りません。「信託された他人の金」だからでしょうか。

ある意味ゆうちょ職員が赤穂浪士のような気がしてきました。
信託銀行
いまきづいた。
信託銀行は、GPIFで大株主になれてるます。
そのトレードオフでマイナス金利は我慢しろ、
が官僚の指示なのかもしれません。
円債村ではどうして世の中の人はJGBのカーブをこの水準でスティープニングさせると銀行が儲かるようになると思っているのだろうと感じています。保険屋さんとかファンド勢なら分かりますが・・・。いくら金利差があってもせいぜい100bpそこそこではとても10年の金利リスクとれる銀行はいないでしょう。
結局日銀は何がしたいんでしょうか?何のために支離滅裂なことをするのでしょうか?
日銀「長期金利(超長期金利?)だけは上げて銀行業績をアシストします。

金融庁「銀行の長い年限の国債購入は許さん!金利上昇したらどおするんだ」

銀行「助けて・・・」
生保「助かった」

こんな感じですかね(笑)
>>ゆうちょ銀行
>>名無しさん

ゆうちょも元々0.1パーセントついたかつかないかくらいのもんですから、まあどっちでもいいレベルの話ですよ。(1千万の0.1%ってて話です)
そもそも老人(特に地方の)てカネ使いませんから。
例えば75歳にもなると、クルマ運転したら危ないし、旅行にもいかないし、血糖値気にして旨いものも食えず、そりゃカネなんて使えません(笑)
金利でも経済でも先行きでもなくライフスタイルの問題です。

私が思うのは金利低下は単純にカネを預ける高齢世代→カネを借りる若手世代への実質的な資産移転が狙いなのではないでしょうか?
まあ現実は、宅建業者が「建築費が値上がったので値上げします!」なんて言って、かっさらってしまってる訳ですが・・・
そろそろアメリカ大統領選の記事をお待ちしています。
最近は 不動産業者と銀行に型にはめられた
「メガ大家」という名の借金王が増えてるようですね
困ったもんです
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO07310320W6A910C1EE8000/
不動産投資詐欺はこの変形
昨今の不動産投資詐欺は下記手法が使われています。
セミナーで人を集め、儲け話をし、お金がない人にも「細工」をして銀行融資を斡旋するわけです。

銀行としては書類チェック通過で保険をかけて融資ができるから無問題。騙された不動産投資家が気づいたときにはその人自身も共犯者。

詐欺師と不動産業者が結託して「ローンを食い物」。 ――甘言に乗ってマイホームを手に入れると、自分まで「結果詐欺師」に!

http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20100715/236939/

ちなみに不動産投資は金融庁管轄ではないので投資で何かをしても金融庁は動きません。「表面利回り」という珍妙な言い回しをして儲かるようなことを言って適当に販売しても、です。警察が仕事をしなくても即逮捕できるくらい丁寧に被害者が立証しない限り警察は動きません。

こういったマニュアル的な杜撰な仕事を行う
お役所様
大銀行様
どちらも責任を取らなくてもいいように仕立て上げてます。

これは、反社会勢力にとって非常にありがたいことなのです。
ゆうちょ銀行その2
粉飾銀行員さんへ

じゃあ、マイナス金利になったら貸せる企業や個人、若者が増えるか、が問題だと思うのです。
安易に貸そうとすると新銀行東京のようになってしまいますから銀行は困ってるんじゃないでしょうか。
「起業する人が増えればいい」ではなく「まともな起業が増えればいい」なはずです。助成金やマイナス金利では増えません。もっと地道な教育や訓練、就業経験による起業が物を言うでしょう。

おそらくなんですが、銀行は老人の預貯金を運用しづらいのだと思うのです。理由は、いつ病気になり、いつ亡くなり(相続になる)、資金難の子や孫に支払うかわかりません。統計である程度わかっているにせよ、銀行も現金でプールしておかないといけない額が大きいはずです。老人もいつ病気になるのかわからないので、同じく換金性の高い状況で維持しておかないといけないわけです。
老人のシェアが大きい銀行がどこかというと、おそらく地方僻地の利便性が高いゆうちょ銀行のはずです。
そうすると預けられた預金をどう運用するべきか困る額が多いはずなのです。つまり、換金しやすい運用しか選べないと思うわけです。一番ラクなのが国債です。

老人が現金で預金を保持するのは当たり前ですし、今までさんざん投資で騙された人を知っているでしょうから現金保持することがベストだと思っているでしょう。

今、世界中で追いも若きも投資する時代です。靴磨きまで投資の話をするようになったら売り、という話を聞いたことがありますが、今はそれに近い状況でもあるのかな、とも感じてます。
世界各国の緩和手法が尽き、なんらかの経済不安が起きればアルゴリズム取引とともに雪崩落ちるんでしょうね。そのタイミングに損切りできる投資家はいいでしょう。塩漬けしちゃった人は大変になりますね。

たぶん高齢者でも世界恐慌をリアルな歴史として知っているでしょう。老人が投資しない、は経験則である意味正しいのだと思います。
「老人が使わないから景気が悪い論」を結構同世代から聞きますが、違和感を感じます。高齢者詐欺や「高齢者は適当な時に死ぬ義務ある論」を助長するような論調だからです。

老人と対話すると色々なことを教えてもらえます。
新宿が闇市だった時代のこと、バスの焼き討ちがあったこと。まさに生き字引です。ネットの虚偽の混ざった情報より役立ちます。
実は、老人は先進的な発明品が大好きです。だから手間隙かけて丁寧に教えると非常に喜びます。携帯電話で改札に入場したら、あるおじいさんは驚愕してました。電話料金が高いことを警告して、中古のガラケーで契約を薦めたらたぶんしたと思います。(店員はそんなことしません。インセンティブがないですから。)
サービスの丁寧さや誠実さが失われ、老人をないがしろにしたサポートが消費を冷え込ませている気がします。誠実にやったら、そんなに儲からないからです。固定電話には悪質な代理店の勧誘が来ます。不利なことは隠して契約させようとします。こうして老人は興味があっても詐欺のように感じ、近づかなくなります。

 財務諸表基準や株価上昇目当ての経営が消費を冷えさせているのではないですかね。最近の営業手法は最終的に市場が焼け野原になります。意図的かどうかはわかりませんが、アベノミクスはこうした経営を後押ししてしまっている気がします。

体験からの感想であり、ゆうちょ銀行の預金の話もあくまで予想です。

闇株新聞様、
粉飾銀行員様、
専門家からのご指摘があれば幸いです。
貨幣の正体
貨幣の正体とはという問いに答えられるか。
名無しさん
論旨が不明なのですが、結論としてはマイナス金利に反対なのですか?アベノミクスが失敗していると主張しているのですか?ゆうちょは金利を上げるべきとおっしゃっているのですか?グローバルな緩和バブルが崩壊するという提言ですか?老人を大切にしようというお話ですか?

運用難について、流動性は問題になりません。預金者に老人が多かろうが若者が多かろうが、そもそも日銀がじゃぶじゃぶにお金を出しているので流動性がひっ迫することはまずありません。

問題は2つ。
1、運用手段がない
ゆうちょは貸し出し等をやってきていないので、基本的に国債・財投債への投資以外のノウハウがありません。「楽だから国債」というより「国債以外やり方を知らない」くらいの印象です。(ホントはちびちび色々やってますよ?)なので、最近いろいろな運用をしようとしていますが、まだまだレベルが低いという状態です。
2、そもそも日本に資金需要がない
日本は超高齢化しているので構造的に貯める人>>借りる(消費する)人です。そして老人が消費しないのは、当然です。アメリカだってイギリスだってドイツだって、老人は消費しません。先進的なものが好きとか、詐欺がどうとか、恐慌がどうとかはあまり関係がありません。消費の主役は30代や40代のゾーンです。ここが増える時期は資金需要は増し、経済は高成長です。なので、人口が増えない限りは構造的にこの問題は解決しないと思われます。
>>ゆうちょ銀行
もうちょっと詳細に書くとマイナス金利で高齢者の金利収入が現役世代のローン支払い金利負担減となり実質的に資産移転になっているという話です。(たぶん安倍総理・黒田総裁もそう考えているはず)
マイナス金利で融資が増えるかについては、住宅購入向けは大幅に増えましたが、事業性融資は横ばい。理由は銀行が貸すから融資が増えるのではなく、資金需要があって初めて融資は増えるからです。
どこかの頭取が日経で言ってた「資金需要は銀行が作るものではない」てのは本当にそう思いますね。

あと老いも若きも皆が投資する時代ってのはどうでしょう?
私の肌感覚的に投資してる人ってすごく少ないと思いますが・・・
資産運用専業のシティバンク銀行がSMBCに身売りしましたが、あれなんか日本で資産運用ビジネス(投信売ったり保険売ったり)は儲からないし将来性も無いからです。私の感覚的にも銀行の資産運用業務は本業の収益を補完する程度が限界です。


村民さんへ
村民さんへ
「マイナス金利に反対なのですか?アベノミクスが失敗していると主張しているのですか?」

いいえ。
マイナス金利に反対どうこう以前の問題で
そもそも本来の目的は「経済をどうしたらよくなるか」です。

仮に政策が正しくても、状況は変化しますし、3本目の矢があまり機能していなさそうですからそれが原因かもしれません。
意固地になって官僚の決めたことを正しいことにしなければならない環境と、景気をよくする地道な努力がないことが問題のような気がします。
たとえば通貨安で恩恵を受ける企業もありましたが、人材も設備も海外に移した企業はすぐには対応できません。輸入時に不利益となります。豆腐屋の廃業もありましたね。これらの弊害は政策を実行する前にフォローすべきでした。私のいう努力とはこういうことです。いまさらになって豆腐議連ができても遅いです。

たとえば「原発に反対か賛成か」と言われても
正直なところ「電気代が安定して安ければどうでもいい」わけです。ところがふたを開けてみるとコストがかからないわけでもなく
安全だと言っていたものの実は老朽化が進んでおり
過去に追及されても野党に政治的立場上問題ないと答えて
気がついたら震災でああなっちゃったわけです。
原発もきちんと管理していた東北電力ではなんとかなりました。
だから反対とは言いません。同じようなことがまた起こるのであればいやです。

2の資金需要について
笑い話として聞いたのですが8年くらい前
フレッツ光のひかり電話が停電時使えないと説明したところ、
お年寄りが契約をやめようとしたそうです。
その店員は当時まだ高額なUPSを提案し
見事契約にこぎつけたそうです。
富裕層の老人は機会があれば消費しますよ。


粉飾銀行員 さんへ
「資金需要は銀行が作るものではない」でしょうね。
でも、銀行員も融資目標があったりしませんか。
銀行の審査もさほどしっかりしてないのか、やり方が漏れているのか、不動産投資セミナーをしている方々に相談すると不動産の融資が通ってしまうそうです。どんな手口かはわかりません。
そういう融資が焦げ付いても保険で何とかなるんでしょうかね。

また借りる人、融資できる人がいなければ
企業買収に乗っかるのも銀行としての生き延び方なのかもしれませんね。

それと投資する人はそもそも日本国内で投資しないと思いますし、するとしてもどこかに資産管理会社や任意団体を作ってそちらで投資するんじゃないでしょうか。僕投資してますなんていったら妬まれるし税務署も怖いのであまり話さないのが日本だと思います。銀行員も怖いです。
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