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近づく米国大統領選で考えてしまうこと

2016年09月20日

近づく米国大統領選で考えてしまうこと


 いつも書いていますが米国大統領選挙の予備選(候補者選び)はスタートダッシュで、本選は投票1ヵ月前の米国内事情(世界情勢ではありません)で決まります。

 現時点ではまだ2ヵ月弱ありますが、今回の大統領選挙は民主党公認候補VS無所属候補の争いなので、一応は民主党の組織やスポンサーの支援を受けるヒラリー・クリントンが圧倒的有利という構造はすでに出来上がっています。

 ドナルド・トランプは共和党候補ですが、共和党の組織やスポンサーがそっぽを向いたままであり、無所属候補と変わりがありません。

 つまり大統領選挙はこれから激戦州を中心にテレビコマーシャルを集中的に投入する必要があり、ここからは資金力の争いとなりますが、トランプ陣営は完全に金欠病になっています。

 直近の世論調査ではトランプが再び急追しており、重要州のフロリダ州やオハイオ州では逆転しているとも伝えられています。ヒラリーも米国では相当に嫌われており、そこに最も出てきてほしくなかった健康問題まで露呈してしまったからです。

 しかしやはり最終的には、組織力の差で民主党候補のヒラリーが無所属候補のトランプに「かなりの差」をつけると考えています。

 ただヒラリーでもトランプでも、通商政策は「内向き」あるいは「国内産業保護」、金融政策は「ドル安」と「緩和維持」、財政政策は「ばらまき」と、大変に似ています。

 外交面でも、ヒラリーが明らかな親中国、トランプが中国との距離感が不明であるところが唯一の違いで、基本的には「ややこしいところにはクビを突っ込まない」オバマと似たものとなります。

 中東でもイニシアティブをとることはなく、原油価格は低迷したままとなりそうです。

 こうやって並べてくると、向こう4年間の(ヒラリーでもトランプでも1期だけと考えます)米国の問題点がはっきりと浮かび上がります。

 それは財政赤字の急拡大とドル安政策の組み合わせは、どこかの時点でドル不安・ドル離れとなる可能性があることです。

 実は米国の連邦債務残高は、1981年のレーガン就任時点は1兆ドル弱で、そこからレーガン、ブッシュ(父)、クリントンの20年間で5兆ドルになりました。

 ところがそこからブッシュ(息子)の8年間で10兆ドルを超え、たぶんオバマの8年間で20兆ドルに到達するはずです。
 
 つまり現在の米国連邦債務の75%(15兆ドル)はブッシュ(息子)とオバマという「たった2人」の大統領時代に積み上げられたことになります。

 そこで次に登場するヒラリーは(トランプでも)少なくとも緊縮財政にするとは全く言っておらず、トランプは相変わらず大減税をぶち上げています。大統領選本選がまだまだ接戦になると、自分のことしか考えないヒラリーは安直に減税を公約にしてしまうはずです。

 一方で米国の経常赤字は年間5000億ドルを超えています。多少の保護貿易で貿易赤字が減少しても、ドル安・金融緩和・財政赤字拡大を安直に続ける、どこかでドル不安・ドル離れを引き起こさないとも限りません。

 基軸通貨・ドルの信認が揺るいだ時の世界経済・金融の不安は想像がつきません。

 そうなる前に日本は、円の価値を棄損させるだけの量的緩和やマイナス金利政策など「さっさ」と止めて緩やかな円高政策に切り替え、いざというときドルから逃げる資金の受け皿にならなければなりません。

 米国が保護貿易に向かわなくても世界の貿易量はとっくに増加ペースが鈍っているため、ここは円安にして貿易で稼ぐのではなく、緩やかな円高で円資産と日本経済の価値を引き上げ世界の投資資金を集める方向に早急に切り替えるべきです。

 世界的に低成長であるなら、円高で日本の経済規模を膨らませる方がはるかに簡単なはずだからです。しかし今週(9月20~21日)の日銀政策決定会合は、相も変わらず緩和強化・円安促進となってしまいそうです。
ブログ上で、その旨をお知らせいたします。

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コメント
闇株さんのシナリオがしっくりこない訳では無いのですが、以下、3点、逆のシナリオの可能性は低くないと思います。
1.資金力では確かにクリントンですが、英国国民投票を筆頭に、「恥バイアス」とでも言うんでしょうか、世論調査と逆の結果が出ており、トランプにはまさにこのバイアスがかなり強いと思われる。
2.トランプの場合、確かにドル安懸念が台頭する可能性はあるが、減税、財政拡大、資金リパトリが少しでも実施されればドル高になるのでは。
3.日銀政策。本当に単純な緩和なの?後2日で判明しますが...
インフレ課税
下記サイトでインフレ課税という言葉を知りました。
日本の現金と国債を毀損し債務を帳消しにする、と。

http://news.kyokasho.biz/archives/30709

賛否はまだなんともいえませんが、こういう方法をとるのであれば日本への投資、移民は減りますよね。円安が想定以上に起こりそうにも感じます。
公務員はインフレ分はおそらく給与が上がるのでどうでもいいかもしれません。逆に言えば民間の実質給与は気づかないうちに目減りするでしょう。年金も物価計算を遅らせれば財政再建できそうですね。
 仮に受け皿になった後に梯子外されたらどうするんですか。軍事力が無い状態で生産能力まですてた場合、後は奈落の底しかありませんよ。
セナ様

 説明不足だったようですが、ドルから逃げ出す資金をドルで肩代わりするという意味ではなく、ドルから逃げ出す資金(米国外にある資金)を円高で投資魅力が上がる円で受け入れようという意味です。

 じゃあ日本に魅力ある投資対象があるのか?となりますが、仮に国債利回りがゼロでも毎年2~3%でも円高になれば、海外から見た投資利回りは2~3%となり十分なはずです。また円高を武器に世界から投資資金を集めて国際分散投資しても円高の分だけ海外から見た投資利回りは上昇します。そうしているうちに円は国際通貨となり(国際決済通貨は難しいかもしれませんが)、やがてドルを補完する基軸通貨となるかもしれません。だったら円は国際的購買力を持つことになります。

 日本経済を2~3%の成長に戻すことは不可能でも、2~3%の円高にすれば海外から見れば同じことです。また現在は通貨高を標榜している国は世界中に存在しないため、それほど極端な円高政策も不要です。

闇株新聞編集部
こんにちは。

サンダースに入れた人達は、ヒラリーに入れるのでしょうか?

トランプ支持者とサンダース支持者は近い層だと思っていますので、トランプに投票すると思っています。

あと、大竹愼一さんが言っているように、イギリスの離脱派とトランプ支持者が同じ層ということで、トランプが勝つのが欧米の流れではないかと思います。
米国債
アメリカが世界の警察辞めるなら、日本を始め各国は米国債買い支える必要も義務も義理もなくなりますね。
世界の情報警察
世界の警察は辞めても世界の情報警察は辞めないでしょう。

Google, Android, Apple, Facebook...これらから得られた情報で日本のスキャンダル情報があれば、アメリカは制裁金ビジネスでもやろうと思えばいつでも出来ます。
閣僚がスキャンダルで交渉されたら米国債を買い支えるしかないと思いますよ。

■トランプは「王様は裸だ!」と叫ぶ少年 -大統領選とその後の世界秩序-
●暴言により、トランプへの支持率が失速している。普通は大人の知恵により自制しそうなものだが、攻撃的スタイルで不動産王となった成功体験がそれを阻んでいる。
●今後、本人の一部発言に対する反省、大規模な米国内テロの発生、メール問題の再燃・展開等によるヒラリーの失点および健康問題、暴言の中にあるリアリズムへの理解等の複合作用により、挽回する可能性は残る。
●大方の予想に反してトランプが大統領になれば、各分野で直感的に「正しい」と思う方向に進む。外交ではプーチンのロシアとの事実上の同盟を標榜する。日本はこの「米露同盟」に一枚乗るのが、あるべき外交基本戦略となるだろう。

◆トランプ失速◆
比較的お行儀よくこなした共和党大会での大統領候補指名後、ご祝儀相場もあったが、トランプへの支持率がヒラリーの支持率を上回った。
そのまま、メール問題の再燃等のヒラリーの失点を待てば、選挙参謀だったマナフォートの言う通り、本選挙勝利はそれ程難しいものではないと思われたが、トランプは民主党大会で戦死した米軍将校のパキスタン移民である両親の演説に過剰反応し一気に支持率を落とした。

戦死者の家族への攻撃は、古今東西のタブーで、登壇させた民主党側にどんな意図や目的が在ろうとも、受け止めて見せるのがお約束事であり大人の知恵だが、自身の徴兵回避問題を蒸し返された部分等に対しトランプは自制が効かなかったようだ。
保守系「国策指導新聞」であるウォールストリート・ジャーナル紙も、一旦トランプ支持の論調に変わりかけていたが、これで踵を返した。

◆裸のトランプ◆
反対派のアーティスト集団によるトランプ裸像が各都市に建てられているが、むしろトランプは、いわば「王様は裸だ!」と叫ぶ少年の側である。
自身やそのビジネスへの非難を含め、不法移民、テロ対策、イラク戦争、一連の中東民主化革命での米国の不首尾、誤解を含めてメキシコ、日本、中国との貿易不均衡等、主観的に「おかしい」と思った事に対して、攻撃を緩めない。
これまで、直観と攻撃的スタイルで不動産王となったビジネスでの成功体験が、この手法への確信へと変えている。

映画監督のマイケル・ムーアが、「トランプは本当は大統領になんかなりたくなく、よりネームバリューを上げ、ビジネスに使おうと考えている。」と唱えている。
トランプの本選挙勝利への合理性を欠く言動を考えると、確かにさもありなんという気もしないでもないが、恐らくトランプが16日にウィスコンシン州のテレビ局に対し下記のように語ったのが本心だろう。
「誰も彼もが『方向転換しなければならない』というが、私はそうしたくない。自分を変えたくない。ありのままでいるべきだ。もし方向転換したら不正直になる」。
なお、トランプは本選挙敗戦後に備え、過激保守系メディアの立ち上げも準備しているようだ。

◆本選挙の行方と世界秩序◆
さて本選挙の行方はどうなるか。
筆者も、現状(8月27日時点)ではヒラリー有利と見る。
しかし、大方の予想のようにほぼヒラリーに決定とはせず、四分六でヒラリーが勝つと見ており、トランプになお四分の可能性ありとする立場だ。
今後、本人の一部発言に対する反省、大規模な米国内テロの発生、メール問題の再燃・展開等によるヒラリーの失点および健康問題、暴言の中にあるリアリズムへの理解等の複合作用により、挽回する可能性は残る。

仮にトランプが大統領になれば、各分野で直感的に「正しい」と思う方向に進むだろう。
日本に関していえば、金融、為替、貿易政策により、大幅な円高、関税引き上げにより輸出産業が大打撃を受ける可能性がある。
また、費用もしくは戦力で、より防衛負担を求めて来る。

亀井静香と石原慎太郎が、本選挙前にトランプに会いに行くと外国人記者クラブで会見していたが、あの話はどうなったのか?
実現性は不明だが、その意気やよし。
トランプ勝利の場合に備え、政府、各党、経済界、学会も事前に陣営にアクセスして日本の立場の説明、働き掛けをすべきである。

外交においては、順当にヒラリーが当選すれば、オバマ外交の枠組みのままである。その上で、自身の性格や、中国や軍産複合体との柵から更に事態を悪化させる。
中東に於いては、尻も拭けないのに余計な介入を続けて行く。
また放っておけば、中露は「不信同盟」を深めて行く、そしてそれを後押しに今までは中国軍人の戯言だった太平洋の米中2分割論が現実に近付いて行く。

トランプの場合はどうか。
このところの世界情勢では、トルコ、イランとの連携強化等、プーチンの存在感が突出している。
トランプは、現状の言動の延長線で、プーチンのロシアとの事実上の同盟を標榜するだろう。
これが、中露間に楔を打ち込み、米国が単独スーパーパワーから「相対的スーパーパワー」へソフトランディングし衰退を遅らせると共に、中国から牙を抜きイスラムとの融和を探り新たな世界秩序を形成する唯一の道である。
普通に考えればそうなるが、トランプ以外の多くの米国知識層はそれに気付いていない。
もしトランプが実質上の「米露同盟」を目指しても、プーチンvs米議会の図式は続く。

日本としては、ヒラリーが勝った場合は、米国の介入を受け流し、中露の仲を裂くべく先回りして今まで以上にプーチンのロシアに接近すべきだ。
そしてトランプが勝った場合にはこの「米露同盟」に一枚乗ると共に後押しするのが、あるべき外交基本戦略となるだろう。
 私が書いたのはその後のお話です。日本が有利になり政策が有利と考える大国が政策を追随します。日本は政治力、軍事力もありません。すぐに円は飲み込まれてしまいます。円の信認は日本の国民性と先進技術によるところが大きいと考えております。それらが円高で淘汰されたとき円は紙切れです。
10月1日から人民元がSDR構成通貨になりますが、ドル離れの資金は円ではなく元に向かうと言うことは考えられませんか?
ヒラリーが親中とゆう はっきりしたソースはありますか? 私は知らないので、教えて欲しいです
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