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フジマキに聞け  その2

2011年06月29日

フジマキに聞け  その2

 表題の「フジマキに聞け」は、正確には「案ずるよりフジマキに聞け」なのですが、現在の日本の政治・経済・金融は、今さら「案じて」みてもどうしようもない状態なので「案ずるより」を取りました。

 しかし、私が信頼する数少ない日本人の一人である藤巻氏の近著「マネー避難」は買って読みました(立ち読みしたわけではありません!)。「フジマキさんに聞いてみた」わけです。

 正直、いくつか讃同出来ないところがありました。

 まず、昨日も少し書いたのですが、藤巻氏の言う「国債暴落」はないと思う理由をもう少し詳しく書きます。

 リーマンショック以降,世界の流動性は倍以上になっています。もっと正確に言うと、米国の流動性であるベースマネー(現金通貨プラス中央銀行預け金)が、リーマンショック前の約8000億ドルから、現在は約2兆4000億ドルと3倍になっています。
 2000年頃が約6000億ドルだったので、いかに未曾有の金融緩和をしているかがわかります。

 それをうけて世界の流動性であるワールドダラー(米国のベースマネー・プラス世界の中央銀行の米国国債保有額)もリーマンショック以降倍以上になり、現在約4兆5000億ドルとなっています。
 もちろんドルだけが世界の流動性を支えているわけではなく、日本もユーロ圏も程度の差こそあれ金融緩和をして流動性を供給しているのです。

 そして、これらの流動性はこれ以上増えないかもしれませんが、収縮すると言うことはもっとありません。そうすると世界経済が落ち込んでしまうからです。

 最大の問題は、これらの流動性が先進国の経済成長に結びついていないことです。つまり、資金が株式市場・貸し出し・不動産などのリスク資産に向かわず、結局、安全資産である国債に向かっているのです。
 
 つまり、特に先進国で経済成長が止まるので、リスク資産にますます資金が流れなくなり、結果的に安全資産である国債に資金が流れ、利回りが低下するのです。
 その過程で財政赤字が増え国債発行が増えるので、国債市場が暴落するとの予想が出てくるのですが、結果的に国債利回りは低下し続けるのです。
 
 つまり日本で、ここ10年以上起こっていることが、米国でもユーロ圏でも起こり始めたところで、世界的にまだまだ続くのです。

 藤巻氏も債券(国債)利回りは「将来の期待インフレ率」と「その国の信用度」の2つの要因で決まると書いています。つまり「将来の期待インフレ率」が上昇すると債券利回りが高く(価格は下落)なり、「その国の信用度」が高い国ほど債券(国債)利回りは低い(価格は高い)のです。

 ここで、「将来の期待インフレ率」は、経済が停滞する中、先進国では上昇するはずがありません。資源価格が上昇するといっても世界経済が停滞する中で資源価格だけが上昇を続けられるはずがありません。

 一方、「その国の信用度」ですが、これはあくまでも相対的なもので、米国・ドイツ(フランスも)・日本などを外したら、世界中から安全資産がなくなってしまいます。さらに、これらの国の国債市場が十分に大きく、流動性が保証されていることも重要な要素です。だからこれらの国の国債利回りは、もっともっと低下します。

 もちろん国債利回りの低下は、その国の期待収益の低下を意味し、結果的に経済成長が損なわれて財政赤字が膨らむのですが、そこで国債暴落が起きるかと言うと起こらないのです。

 日本国債の場合は、これらの状況に加え、通貨分散の見地からも世界の資金が流入します。別に日本経済のファンダメンタルズが良好だとは誰も思っていないのですが、他に行くところがないのです。

 昨年末の世界の中央銀行の円資産が35兆円と、4年前に比べて2倍以上になっていました。また中国が昨年1年で7兆円も日本国債を買っていました。同じことがもっと起こるのです。

 ためしにユーロ円建ての日本国債を20兆円ほど売り出して、復興資金と景気刺激にあててみたらどうでしょうか? 多分、中央銀行を中心に爆発的に売れると思いますよ。この際、主幹事は外資系証券に任せてもいいと思います。

 結局、「国債暴落はない」のところで紙面を使いきってしまいました。

 あと「円暴落もない」「国債の日銀引き受けは暴挙」「円高すぎるのは事実だが、いま円安になってもメリットはなく、まず円高メリットを享受する方法を考えるべき」なども書こうと思ったのですが、またの機会にします。

平成23年6月29日

 

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コメント
国債バブル、更に拡大
闇株さんのオリジナルな説は、すばらしいです。
先進国の国債が更に買われ、債券価格上昇・利回り低下、日本の失われた10年を世界の先進国が繰り返すシナリオは(((゜д゜;)))ガクブルです。
超大国アメリカはこの危機の後、単なる大国になるでしょう。
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