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円安のデメリットも考えてみよう

2016年12月02日

円安のデメリットも考えてみよう


 円の予想レンジはどうなっているのだ?とのコメントも頂いていますが、米国大統領選直後は予想を控えています。市場を取り巻く心理状態が劇的に変化しているときは安直な予想も「後講釈」も控えて、変化の度合いとその持続性をしっかりと見極めることが最重要と考えるからです。

 本日(12月1日)の円相場は、朝方に一時1ドル=114.83円まで円安となり、午後8時現在でも1ドル=114.32円となっています。米国大統領選挙の直前の週末となる11月4日(NY終値)は1ドル=103.07円だったため、本日午後8時現在はそこから10.9%も円安となっています。

 これは同期間で比較すると、何かとトランプの目の敵にされているメキシコ・ペソの下落幅の8.0%、先日利上げに追い込まれたトルコ・リラの下落幅の9.8%よりも大きく、円はまさに米国金利高による外貨流出におびえる新興国通貨より下落していることになります。ちなみに円はトランプ当選直後の11月9日には一時1ドル=101.18円まで円高となっていたため、そこから午後8時現在まで13.0%もの下落となります。

 ところが日本では円安=株高となるため、ストレートに円安大歓迎となっています。本日の日経平均は204円高の18513円となり、1月4日の18450円を更新して終値ベースの本年高値となりました。

 さらに9月の「総括検証」で導入されたように10年国債利回りをゼロ近辺に「抑え込んで」いるため、日米の長期金利差がさらに拡大して円安が加速する要因となっていますが、これも危惧する声が全くありません。

 米国10年国債利回りは11月4日が1.77%、本日午後8時現在は2.41%と、その間に0.64%も上昇していますが、同期間の日本の10年国債利回りはマイナス0.06%からプラス0.03%へ0.09%上昇しているだけです。

 さらに本日のドル高・円安の材料としては、昨日OPECが減産合意に達しNYで原油価格が約10%上昇し、WTIで1バレル=50ドル近くまで急騰したことも挙げられます。減産そのものは9月末に合意しており、原油価格(WTI)も10月中旬に1バレル=51ドル台半ばまで上昇していましたが、米国大統領選直後には1バレル=42ドル台まで下落していました。
 
 今回はその合意した日産3250万バレル~3300万バレルの下限である3250万バレルへの減産となったものの、10月の生産水準との比較では120万バレルの減産にすぎません。ただそのうち50万バレルがサウジアラビアの減産となるため、いよいよサウジアラビアは米国のシェール対策で原油価格を上昇させない方針を転換したと好感されているようです。
 
 これくらいの減産合意で原油価格がどこまで上昇するかはわかりませんが、9月の減産合意時点に比べてトランプの経済政策への期待から物価上昇予想が明らかに拡大しているため、原油価格もそれだけストレートに上昇したように思えます。

 つまりここまでは、トランプの経済政策に対する期待感に加えて物価上昇予想が膨らむことによる米国金利上昇に対して、日本では長期金利(10年国債利回り)をゼロ近辺に抑え込んでいるための円安加速ともなります。

 もちろん「遅ればせながら」機関投資家の外貨資産購入や外貨ヘッジ売りの買戻しも入っているはずで、ますます円安にブレーキがかからないことになります。

 トランプの経済政策は明らかに「米国だけを優先する経済拡大策」であり「日本も優先」してくれることは絶対にありません。つまり日本経済が拡大するわけではなく、もちろん実質賃金が上昇するわけではなく消費不況は続くことになります。

 そこに米国から物価上昇期待だけが輸入されて国内製品価格の便乗値上げが加わり、実際に世界的に原油価格など商品価格が上昇し(世界経済の本格的回復を反映しているわけではなく世界的に物価上昇予想だけが膨らむ結果ですが)、日本だけが長期金利をゼロ近辺に抑え込んだままであるため、さらに円安が加速していくことになります。

 そうすると起こりうることは1つしかなく、まさに黒田総裁が4年間言い続けた「2%の物価上昇」が輸入資源高・円安・便乗値上げなどによる典型的な「悪い物価上昇」の形で実現してしまい、ますます消費不況を加速させてしまうことになります。
 
 確かに円安加速で大企業の業績は上向きますが、それが前向きの設備投資や雇用拡大や賃上げを通じて消費拡大に結びつくわけではないことは、前回の円安で十分に見てきた通りです。それが急に変化することはありません。

 つまりここからはストレートに円安=物価上昇になると考えておくべきです。それが株価上昇を持続させるかどうかは、少し慎重に考えてみるべきです。

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コメント
確かに円安に振れやすい環境が整ってますよね。但し一つ気になっているのがトランプさんは米国第一主義なので、ドル高をどこまで容認するかです。その辺りは闇株さんはどうお考えでしょうか?個人的には1月20日に正式に大統領に就任してからドル高をけん制する発言を出してくると思っているんですが…
闇株さんの最近の話を聞いていると、なんだか再分配政策をやれと言ってるような気がしてくるんですが。やっぱり社会主義者になったの?
 政府や日銀等の政策が、限界であることを証明した数週間ですね。
 実情、小泉政権以後、民間が行うべきことを政府が行い、政府が行うべきことを民間が行うという政策が加速されてきたのですから、仕方がないことかも知れません。
 政府や日銀が、「呪文」のようにとなえる「正規雇用や賃金の上昇による消費の喚起と税収の増加・財政健全化」は、夢のまた夢・・・ですね。
  
 
 トランプ氏は過激なドル安推進派です。黙って今の状況をほっとくとは思えません。
 設備投資の国内回帰は5年以上は円安が続かない限りありえません。工場(ライン)の稼動期間は開いていでも5年以上(ほとんどは10年以上)です。
 そもそも円安以前に政府がまともに内需を喚起するつもりが無いのですから、日本経済の未来を期待するだけ無駄です。
民主党時代の2012年は1ドル80円(年平均)。
去年2015年は1ドル120円。
なんと50%も円安になったのに、国民の生活は
どれだけ良くなったのでしょうね。

だいたい輸入・輸出をしていれば、メリット・デメリットは
相殺されるのでは?
そのために為替が動くのではないでしょうか。
リスクシステム
通貨の売買判定はリスクシステムでは様々な計算をして行っています。デフォルトリスクなどから紛争等のリスク、政権交代その他もろもろです。

ですから相殺だけではなくその国の将来を先読みして売られたり買われたりするのも事実ですよ。

通貨が売られるのは本当はよくないことです。
みなさん日本に向上が戻ってくると勘違いしてましたが工場が戻るには労働力が必要です。
特にベテランが必要ですし単純労働者も必要です。ベテランは数に限りがありますし、工場の熟練者は引っ張りだこです。金型成形で年収1000万の人もいましたよ。

海外からの出稼ぎ労働者は通貨安になる国には来ません。今までの円安で海外の労働者がかなり帰ったと聞いています。

かといって若者が急に工場で働きだすとは思えません。きついし休みが自由に取れません。今風に言うと工場はブラック企業ですから。下請けだと操業停止を恐れて労災隠しもあるそうです。そうしないとサプライチェーンが止まって発注元の操業が停止するからです。これを正そうとすれば海外に仕事が出て行きます。

さらに普通の日本企業は円建てでメイン資産を持ってますから円安で手持ちのお金が目減りしていきます。だから円安ではいろんなことを考えると設備投資より内部留保になっちゃいますね。

円安は外資の買収対策も必要になります。

円高に触れそうな頃に労働力を調達しやすい国で設備投資をしたほうがお得ですね。後進国は規制も日本より少ないです。

先進国に工場が減るのは当然と言えばそうです。
ちゃんとした待遇で工場をやれば儲かりません。
儲けるには公害の規制が緩い国で低賃金でも黙って働く人がたくさんいることが必要です。税金が安いともっといいですね。
 この問題を誤魔化すために派遣制度を作りましたが、派遣はスキルがつきませんし使い捨てになります。いざ工場が戻ってきても使い物になりません。派遣で来る人のスキルなら若い外人の職業研修生で十分です。
社会主義と資本主義
おそらく大昔は「社会主義と自由主義経済」という対立だったはずです。対立軸が「資本主義」ではないんですよね。

だから資本主義も社会主義的な対策もしてました。
年金制度を作ったり健康保険制度なんかもそうですね。
社会主義と資本主義のいいとこ取りだったのだと思います。
いま、中国もロシアも資本主義になっちゃいました。
かつて自由主義経済と呼ばれたものはなくなっちゃってます。

それと、私は妙な話を聞いたことがあります。
日本の警察はヤクザを応援していると。
東京の山谷で暴動が起きた背景は
ヤクザと手配師が建設労働で中抜きしていたのが許せなかったみたいです。
そこに目をつけた左翼運動家がいたのも事実です。
どうなったかというと政府がヤクザの肩を持つことになりました。
朝鮮戦争やベトナム戦争が一進一退だった時代もありますから、左翼運動家を力づけたくなかったのでしょう。
テロに近いことも歴史ではありましたからね。

この対応のツケが今出始めています。
建設の不祥事があれこれありますが、当たり前です。末端が手配師経由ならマトモな作業が出来ませんしマトモな人は来ませんよ。原発の末端もそうですよね。
 ホームレスに話しかけたことがあります。そのお爺さんは大工さんで一人親方だったみたいで「昔は年金を敷く、といって国民年金を払ってくれたがそれがなくなって払えなくなった」といいます。大工さんは工具は自腹だし多重請負では無理な賃金体系になりつつあります。それでもヤクザは排除されません。
 低年金問題は自己責任ではないのです。こうして年金を払わない企業がたくさんあるのに放置してきた厚生労働省のツケです。こんな建築業で誰が働きたいでしょう。若者が誰も働きませんね。そうすると手配師が更に訳あり人間を探しては押し込んできます。

私も社会主義者ではありません。
どちらかというと、年金は強制的に取っておいたほうが自己責任だといいやすいんでないかな?って思ってます。給与増やせとか無茶は言いいません。こういうことをいう人が共産党だけになっちゃうと社会主義者のように見えるかもしれませんね。

政府や官僚に反対意見を言うと社会主義者になっちゃうんならそれはそれで怖い世の中だと思います。
まとも
個人的にいいコメントだなと下記の二件ついては思いました
赤旗新聞
ほんとうに共産党がお好きな方であれば
赤旗新聞を購入されているはずです

ところが購読数は減ってますね
とはいえ宗教でもないし強制的にお金を集めるでもない
まだ「まとも」なんです
資産を切り売りしてて清貧でもあります

一方ほかの与野党を見てください
どちらもカネに汚いしボロが出てます
あげくのはてにはどちらも宗教票までアテにしてます
野党は官製労組の票田引き上げ恫喝で右往左往します

だから共産党が伸びるんです
でも第一党には誰もさせないでしょう
ほかの国々を見て知ってますよ

世間一般が思うことは「給与はこのままでいいからちゃんとした仕事が出来ていい品質の商品なりサービスをあげたい。年金は払うし企業からも強制徴収しろ。しっかり運用して欲しい。このままだと生活保護が大量に出る。サービス残業や残業は年金に含めないような企業は生産性が低いので退場してくれ。手配師と中抜き業者は要らない。中抜きの利益を元請が取るなら別に文句言わないよ。でも成果に応じてちょっとくれたらうれしいな。」

世間は右左の思想は結局どうでもいいんです
さじ加減の問題です
政治家と官僚のさじ加減がおかしくなっただけです
右も左も自称グルメが政治料理をし始めています
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