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ECB、FRB、日銀、年内最後のそれぞれの金融政策  その2

2016年12月16日

ECB、FRB、日銀、年内最後のそれぞれの金融政策  その2


 12月8日にECBが量的緩和を縮小したことに続き、12月14日にはFRBが1年ぶりに利上げを決定しました。また12月19~20日には日銀政策決定会合があり、これで年内最後のタイミングで日米欧の金融政策が出揃うことになります。

 直感的に感じることは、そもそも金融緩和・量的緩和には「導入直後の心理的効果」はあるものの、それ自体には実体経済を成長させる効果はありません。

 しかし中央銀行から過剰に供給される資金は市場に(正確には銀行システム内に)積み上がるため、何かの「きっかけ」で市場心理が変化したときは、その過剰な資金は実体経済にではなく株式・不動産・商品などへの投資(投機)として向かうはずです。

 世界的な傾向として、いつまでたっても実体経済が成長しないため、どうしても金融緩和や量的緩和が続くことになります。それに加えて2015年夏と2016年初めの2度の中国ショック、6月の英国EU離脱などの「イベント」も多かったため、余計に実体経済への効果がなくなっていた金融緩和・量的緩和がだらだらと続いていたことになります。

 ところが何かの「きっかけ」で市場心理が急激に変化すると、その過剰な資金が実体経済にではなく一気に投資(投機)に向かうことになります。その何かの「きっかけ」とは予想外のトランプ新政権誕生であり、世界中で積み上がっていた過剰な資金が、まずドルと世界の株式市場に向かいました。

 つまり世界的に金融緩和・量的緩和が必要以上に継続されていたため(米国では利上げが1年も中断していたため)、何かの「きっかけ」で投資(投機)に向かう資金量とそのエネルギーが、驚くほど拡大していたことになります。

 確かに株式などの資産価格が上昇することによる実体経済への好影響はないわけではありませんが、世界経済はリーマンショック以降の早い段階で金融緩和・量的緩和の効果を過剰評価していたため、今でも世界的な過剰設備・過剰生産・過剰資源を抱えたままです。

 つまり世界的に設備投資など実体経済に本格的に資金が向かいにくく、結果的に世界経済の「身の丈」に比べて、とくに株式市場、次いで一部の不動産市場などに過剰な資金が向かことになります。

 つまり世界的に見て、少なくとも1年は金融緩和の終了あるいは量的緩和の縮小が遅れた可能性があります。そこでとりあえず12月8日のECB理事会で量的緩和が縮小され、12月14日のFOMCでは1年ぶりの利上げとなり、政策金利(FF翌日物誘導金利)は0.5~0.75%となりました。

 FOMCの今回の利上げは完全に織り込まれていたため驚きはなかったはずですが、同時に発表されたFOMCメンバー全員(17名、2名が欠員)による今後の利上げシナリオが、2017年に3回、2018年にも3回の利上げ(1回当たり0.25%)を見込んでいることが「やや意外」と受け止められたようです。

 それで20000ドル寸前まで上昇していたNYダウが反落し、ドルが一段と上昇し、(関係ないかもしれませんが)原油価格も反落しました。ドルは本日(12月15日)には1ドル=118円台となっています。

 これはFOMCメンバー全員が将来の各時点における政策金利(FF翌日物誘導金利)中間値を予想するドットチャートによるもので、確かに前回(9月)の予想では2017年の利上げは2回となっていました。ただドットチャートはずっと以前から継続的な利上げを予想していましたが、発表毎に利上げスケジュールが「あとズレ」していたため、少し前までは誰も気にかけていませんでした。

 ところが今回は、本当に2017年に3回、2018年に3回の利上げがあり、政策金利(FF翌日物誘導金利)は2017年末に1.25~1.5%、2018年末には2.0~2.25%となることが「かなりの信憑性を帯びてきた」と受け止められたようです。

 少なくともECBもFRBも、ギリギリのタイミングではあるものの「正しい金融政策の変更」を行い、「市場への的確なメッセージ」を発信したことになります。それではここまでトランプの経済政策への期待だけで上昇していたNY株式をはじめ世界の株式市場は、FRBの本格的利上げとドル高による悪影響がでてくるのでしょうか?

 FRBが本格的に利上げしても、FRBに4.5兆ドルも積み上がった資産をすぐに売却して市場から余剰資金を引き揚げるわけではなく(FRB後の記者会見でイエレン議長が少しだけ言及していますが)、ECBの量的緩和は縮小したもののまだ継続中であり、日銀も簡単に量的緩和を縮小するわけにはいきません。

 つまり世界的な金融緩和・量的緩和により積み上がった過剰な資金がなくなるわけではないため、再び何かを「きっかけ」に世界の市場心理が急激に悪化しない限り、株式市場などへの投資(投機)が止まってしまうことは考えにくいはずです。

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