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世界のファンド事情  その1

2010年11月04日

 米国が追加金融緩和をしました。長期国債を来年第二四半期までに6000億ドル買い入れて、市場に資金を積極的に供給するという内容です。それで米国経済が回復するかどうかの前に、米国内外の金融資産や資源などが値上がりするはずです。その際、何が値上がりし、何がそれほどでもないのかを考えるとき、世界のヘッジファンドをはじめとする各種ファンドの特色や動向をつかんでおくことは重要なことです。日本ではあまり詳しく紹介されることのない世界の主要ファンドをいくつかご紹介してみたいと思います。

 まず、最初は「買収ファンド」についてです。
「買収ファンド」と言うのは正確な呼び方ではありませんが、資産価値に比べて割安な株を買い集めて支配権をとって企業価値を増加させて売却するとか、上場会社あるいは上場会社の一部門を経営者と組んで非公開にして企業価値がついた後に再上場させるとか、方法は多岐にわたります。

 こういうファンドが、日本市場に数多く入って来ると、彼らは世界中を見て投資採算のよさそうなものに投資するため、潜在的な日本の株式市場や日本経済に魅力を感じていることになります。また、こういうとリップルウッドとかスティールパートナーズなどの名前が出てくると思いますが、これらは世界で勝負にならないので日本だけに特化している五流のファンドで、全く参考になりませんし、日本の株式市場に決して役立っているわけではありません。

 世界の最強の買収ファンドは、その実績、資金規模から見て次の三社です

1 KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)

 1976創業の最古参で、規模はともかく抜群の実績を持つ最強の買収ファンドです。社名は創業者三人の名前で、みんな破綻したベアー・スターンズの出身です。コールバーグは引退しており、最高責任者はヘンリー・クラビスです。

 1988年に当時最大規模であったRJRナビスコの310億ドルの買収を成功させ、長くその記録が破られませんでしたが、2007年に自らTXU(テキサス州の電力会社)の450億ドルの買収を成功させ、記録を更新しました。

 最近NYに株式を上場させており、運用資産は520億ドルと発表されています。数年前から日本にも事務所がありましたが、本年6月にUSENからインテリジェンスを325億円で買収し、これが日本の第一号案件になりました。

2 カーライル

 1987年創業で、創業者はデビット・ルーベンシュタイン。運用資産は906億ドルで未上場ですが、株主にブッシュ(父)元大統領、アブダビ政府などがいるようです。また、サッチャー元英首相などの華麗な顧問団を世界中に抱えているようです。

 日本に事務所を開いたのは2000年ころで、比較的に日本で活発に活動しています。

 DDIポケット(現ウイルコム。民事再生中)を京セラと組んで2200億円で2004年に買収したのをはじめ、東芝セラミックス、キトー(2007年に再上場)、居酒屋のチムニーなどの買収を手掛けていますが、大成功という案件はなさそうです。

3 ブラックストーン

 1985年にピーター・ピーターソン元商務長官が、これまた破綻したリーマンブラザース時代の部下であったスティーブ・シュワルツマン(現最高責任者)と創業し、2007年にNYに上場しました。運用資金は1000億ドルと発表されています。成功例はヒルトンホテルを260億ドルで買収した案件です。
 
 株式上場と前後して、中国政府が30億ドルの非議決権株式を保有しました。この世界有数の買収ファンドに、これから中国がどのようにかかわっていくのか注目されます。日本では2008年に事務所を開きましたが、不動産投資は行っているようですが、買収案件はまだありません。

番外 バークシャーハサウエイ
 
  ネブラスカ州オマハにある世界最大の投資会社。番外としたのは、上記の買収ファンドとは違い、会社形態であるからで、ご存じウォーレン・バッフェットの率いる会社です。もともと綿棒の会社だったのですが1965年にバフェットが割安だと思い買収しました。以来、毎年驚異的は利回りを上げています。会社形式なので、38%を保有し支配しているバフェットが比較的自由に投資を行っているわけです。買収というより、気に行った株を長期に保有するスタイルです。総資産は2009年末で1311億ドルで、バフェットの持ち分は498億ドルとなり、世界で2番目か3番目の富豪となります。

  最近、バーリントンという鉄道会社に投資をしました。また海外への投資はほとんど行っていなかったのですが、これまた最近中国のBYDという電池と自動車の会社にアジアで初めて投資しました。韓国のポスコにも投資しているようですが、残念ながら日本にはバフェットのメガネにかなう企業は一社もないようです。

 正直に言って、これら世界の著名買収ファンドから見ると、日本の株式市場は本格的に参入するほど魅力はないようです。

次回は、また違ったタイプのファンドの動向を見てみましょう。ヘッジファンドについても改めてご紹介しますが、10月に「エクイティファイナンスの実態」という題で3回にわたって、ヘッジファンドのことも書いてあります。時間があったらアーカイブで読んでみて下さい。

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バフェットの日本での投資先
タンガロイがありますね
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