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アップルは「渡らざるを得ない橋」なのか?

2017年03月08日

アップルは「渡らざるを得ない橋」なのか?


 大変にわかりにくい表題で恐縮ですが、アップルはもちろん時価総額が世界最大(7300億ドル=83兆円)のアップル株式のことで、「渡らざるを得ない橋」とはウォーレン・バフェットが好んで投資する銘柄のことです。

 バフェット率いる投資持ち株会社のバークシャー・ハサウェイが、今年1月にアップル株式を7000万株以上買い増し、保有株数が1億3300万株となったようです。

 アップルの昨日(3月3日)の株価は139ドルなので保有時価総額も185億ドル(2兆1000億円)となり、アップルの第5位の株主となります。

 バークシャー・ハサウェイはアップル株式を昨年(2016年)3月に初めて981万株取得し、同年9月末には1522万株、12月末には5735万株保有と報告していました。

 そこから本年1月に大量取得した理由は、1月31日の決算発表前に「買いたくなった」とバフェットは話しています。そこで発表されたアップルの2016年10~12月期決算は売上高が過去最高の784億ドル(8.9兆円)、純利益も179億ドル(2兆円)と確かに絶好調でしたが、純利益は前年同期の184億ドルに届きませんでした。

 アップルの株価は、取得後の昨年5月に一時90ドルまで下落したもの、9月末が113ドル、12月末が116ドル、大量取得した直後の本年1月末が121ドル、昨日(3月6日)が139ドルと、確かにその間の上昇幅はNYダウよりも大きくなります。

 じゃあアップルはバフェットが好んで投資する「渡らざるを得ない橋」なのでしょうか?

 バークシャー・ハサウェイの代表的保有銘柄とは、クラフト・ハインツ、ウェルス・ファーゴ、コカ・コーラ、アメリカン・エキスプレスなどで、確かに「渡らざるを得ない橋」だと言われれば、そんな気もします。

 アップルも2007年にiPhoneを発売して以来、常にスマートフォン市場を席巻しており、収益面では競合他社を圧倒的に引き離す高収益を上げ続けています。

 ただ2016年の世界スマートフォン出荷台数は14億8000万台と、前年比3%増でしかなく、2015年の10%増、2014年の27%増から大きく減速しています。

 またアップルの2016年の市場シェアは14.6%でしかなく(トップはサムスンの21.1%)、華為(ファーウェイ、9.5%)、OPPO、Vivoなど中国勢に追い上げられています。中国勢は必ずしも格安スマホに特化しているわけではなく、それなりの高級品も揃えています。

 あまり知られていませんが、スマートフォンに限らずアップル製品の修理は、アップル直営店か同社と契約を結んだ正規の修理業者にしか認められていません。つまりスマートフォンなどアップル製品が故障した場合、ちょっとその辺の電気店で修理するというわけにはいきません。

 ソフトバンクでスマートフォンを買って「ちょっと壊れた」場合、ソフトバンクの販売店に行っても「アップルに持っていけ」とそっけなく言われるだけで、すぐに新機種への乗り換えをしつこく勧められます。本誌はそれで解約して二度とソフトバンクとは契約していませんが、アップル製品だとドコモでも同じはずです。

 実は米国では、電子機器を修理する機会を求める「公正な修理法案」が一部の州で提出されており、明らかにアップルをターゲットにしています。

 つまりアップルとは確かに「作り上げられた渡らざるを得ない橋」ではあったものの、徐々に「渡らざるを得ないわけでもない橋」となっていくような気がします。

 アップルは、トランプ大統領の掲げる大型法人減税あるいは海外にある現金を米国内に還流させる際のさらなる減税措置の恩恵を最も享受できる企業とバフェットが考えたような気がします。純利益も海外にある現金も最大級だからです。

 さらにバフェットもバークシャー・ハサウェイの「有り余る現金」の受け皿となるには、時価総額が世界最大で収益も(とりあえず)絶好調のアップルにも投資せざるを得なかったとも考えられます。

 バフェットは2011年になってからIBMへの投資を始めましたが、その理由も今回のアップルと同じようなものだったはずです。そして現在までのIBMの投資パフォーマンスは「凡庸」そのものです。

 いろいろな意味で今後が注目されるバフェットのアップル株への投資です。

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コメント
 ジョブズはもういない
スマートフォンが「何か特別なハイテク機器」という感覚をバフェットが持っていないのではないでしょうか? 

「コモディティ化した日常生活必需品でありつつも、一定のブランド価値を持っている」商品という点では他のバフェット銘柄と類似しているように思います。
本題からは逸れますが、アップル製品が壊れた時はまずアップルに電話すると、集荷・修理・配送までスムーズなサービスが受けられますよ。これ、結構感心させられます。わざわざ時間作って販売店に行く必要がありません。ちなみに携帯の予備機を持ってない場合は代替機の手配をしてくれて、そこで初めて販売店に行く事になります。
正規ではないが専門でiPhone修理してる店はたくさんありますよ。安いし早いしデータも消される恐れ無いので正規業者より数倍いいです。

バフェットがアップルに投資したのはよくわかりませんが、彼の中でスマホが時間の流れとともに理解できるものになったのではないでしょうか。
100年前の人にアメックスのビジネスモデルを話しても誰も理解できないのと一緒なのではないかと。
あと一度買ったら何十年でも持つのが彼の投資なので、目先の利益ではないと思います。
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