闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

ECB理事会後のドラギ総裁記者会見のポイント

2017年03月10日

ECB理事会後のドラギ総裁記者会見のポイント


 3月9日にECB理事会が開催されましたが、大方の予想通り政策変更はありませんでした。

 政策金利は基準金利が0.0%、上限金利が0.25%、下限金利がマイナス0.40%のままで、ECBによる資産買入れは昨年12月の理事会で決められていた通り本年4月から月額600億ユーロ(それまでは800億ユーロ)、買入れ期間も本年末まで(そこでやめるという意味ではなく「とりあえず」本年末までは継続するという意味)のままでした。

 しかし昨年11月の米大統領選挙以降、ECBの金融政策や欧州の経済状況についてはほとんど注目されていなかったため、そろそろ目を向けておくべきだと感じます。

 もちろん政治では3月15日にオランダ総選挙、4月23日にはフランス大統領選挙の第1回投票が行われます。オランダ総選挙の直前予想では極右・自由党がやや伸び悩んでいるようですが、フランス大統領選挙では極右のルペン候補がトップを走っています。

 さらに先日発表されたユーロ圏の2月消費者物価指数(速報値)は前年同月比で2.0%上昇と、ECBの目標である2%弱をこえています。この上昇率は昨年(2016年)2~8月はマイナス0.2%~0.2%でしたが、その後は9月が0.4%、10月が0.5%、11月が0.6%、12月が1.1%、本年1月が1.8%と「急上昇」しています。

 米国の1月消費者物価は前年同月比2.5%上昇と昨年6月の0.8%から大きく上昇していますが、FRBは3月のFOMC(14~15日)で利上げが確実視されています。

 日本の1月消費者物価(総合)も前年同月比0.4%上昇と、昨年9月の0.5%下落から大きく上昇していますが、日銀も3月15~16日の政策決定会合では現在の量的緩和と10年国債利回りのゼロ近辺での「釘付け」を維持するはずです。

 さてそんな中で開催されたECB理事会ですが、終了後のドラギ総裁記者会見のポイントは以下の3つだったようです。「最近の物価上昇は原油価格上昇による一時的なもの」「(政治的な)リスクイベントに対応するためにもまだ大規模な緩和が必要」そして「金利をこれ以上引き下げることはない」です。

 これをうけて為替市場でユーロは、1ユーロ=1.055ドル近辺から一時1ユーロ=1.0615ドルへ、1ユーロ=121円近辺から一時1ユーロ=121.88円までユーロ高となりました。上記ポイントのうち「金利をこれ以上引き下げることはない」に反応したことになります。

 また欧州の国債市場は、「まだ大規模な緩和が必要」に反応して、全般的に利回りが低下しています。

 景気対策のためには市場金利(国債利回り)の低下、米国からのユーロ安への批判回避のためには(というよりこれ以上の物価上昇を食い止めるためにも)多少のユーロ高が好ましいとするなら、ドラギ総裁は政策変更なしで(記者会見だけで)実現しているのかもしれません。
 
 ちょうど記者会見が行われているあたりで原油価格が下落し、WTI価格が一時48ドル台になっていました。

 結局、3月14~15日のFOMCで利上げが確実に行われるところが再認識された形となり、日本時間3月10日早朝の円相場は1ドル=115.15円近辺、1ユーロ=122円前後の「円安」となっており、日経平均も200円以上も上昇となっています。

 結果的にはECB理事会はほとんど注目されることがありませんでしたが、ドラギ総裁記者会見のポイントである「物価上昇は一時的」「まだ大規模な緩和は必要」「ただしこれ以上の利下げは行わない」は、今後の相場判断のために非常に参考になります。

 3月10日午前零時に更新した内容を少し修正し、表題も変更しました。

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:0 | TrackBack:0
関連記事
コメント
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム