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明確な上場廃止基準に抵触していた恐れがある東芝

2017年04月04日

明確な上場廃止基準に抵触していた恐れがある東芝


 表題は「上場廃止基準に抵触している恐れがある」ではありません。「上場廃止基準にすでに抵触していた恐れがある」という過去の事実です。

 東芝はすでに2度も延期している2016年10~12月期の四半期決算発表が、提出期限の4月11日でも難しくなり、3度目の延期申請に追い込まれるようです。

 東芝については3月30日付け「地獄の扉を開けてしまった東芝」で、米子会社・ウェスティングハウス(以下WH)の米連邦破産法申請(3月29日)と、半導体事業の分社化・売却(3月30日に開催の臨時株主総会で承認)で「2枚のカード」を自ら放棄することになるため、従来のような不思議な過保護を受けられなくなるはずと強調しました。

 ここでいくら東芝の決算発表が遅延しても何度でも延期申請を認める関東財務局や、何のペナルティーも課さない東証も、もうこれまでのような過保護で対応してくれない(つまり3度目の延期は認めてくれない)恐れがあるといっているわけではありません。

 それ以前にすでに上場廃止基準に抵触していた可能性があり、すでに過保護で対応すれば何とかなるといった段階ではありません。

 今年度から「あの」新日本監査法人から交代して東芝の監査を担当しているPwCあらた監査法人が、2015年度決算(2015年10~12月期あるいは2016年3月期決算のことと思われます)について疑義を指摘しているようです。

 東芝は2016年10~12月期決算の遅延理由について3月14日に、子会社WHで一部経営者による不適切な行為が存在するため追加の調査が必要であるからとしていましたが(関東財務局にも同じ説明で延期申請が認められていたはずですが)、これもウソだったことになります。

 そもそも2016年3月期決算とは、2015年9月に過去7年分の決算で合計2248億円(当時)の修正を行ったばかりでありながら、さらに「どこからともなく出てきた」7000億円規模の営業損失計上が必要となっていました。

 そこで東芝メディカルを6600億円もの高値でキャノンに引き取ってもらい、公正取引委員会の審査が終了する前に強引に3817億円の利益を計上し、今まで頑として拒否してきたWHの「のれん」をやっと2500億円だけ減損し、4600億円の最終赤字となりました。それで2016年3月期末における純資産は3288億円まで減少していました。

 ところがその決算期中である2015年12月末にWHが係争相手のストーン&ウェブスター(S&W)を買収しており、そこから1年後の2016年12月末に7000億円規模の損失が出ると突然に発表したのですが、この7000億円規模の損失は2015年12月末の買収時点で認識しておく必要があったとの推測ができます。

 だとすると2015年10~12月期決算あるいは2016年3月期決算では、さらに7000億円規模の損失計上が必要だったはずで、その時点で東芝は債務超過となっていたことになります。

 たぶんPwCあらた監査法人は、2015年10~12月期あるいは2016年3月期でこの修正を求めているはずですが、そこを認めて修正した瞬間に2015年10~12月期あるいは2016年3月期で債務超過に転落します。

 そして遅延中の2016年10~12月期だけでなく、終わったばかりの2017年3月期決算において債務超過であることは明らかなので、これで2期連続債務超過(あるいは債務超過転落後1年以内に解消できない)という明確な上場廃止基準に2016年12月末あるいは2017年3月末時点で抵触していたことになります。

 冒頭に書いた不思議な過保護が受けられるかどうかではなく、2015年10~12月期あるいは2016年3月期の決算修正に応じて債務超過とした瞬間に上場廃止が確定してしまいます。

 それを回避するためには、半導体事業の分社化は4月1日付けなのでいくら高値で売却しても債務超過解消(上場廃止回避)とはならないため、何が何でも2015年10~12月期あるは2016年3月期の決算修正を回避するしかありません。
 
 そもそも半導体事業の分社化を承認した3月30日の臨時株主総会時点で、東芝の経営陣はこの事態を認識していたはずなので、議場で修正動議を出してでも分社化を3月31日にしておくべきでした。だとすると5月中旬までに半導体事業が高値で売却できれば(この期に及んで外国企業に売却する是非はともかくとしても)、2016年3月期だけの決算修正で済めばそこで債務超過になっても2期連続債務超過による上場廃止は免れます。

 さもなければ2015年10~12月期あるいは2016年3月期の決算修正を、プライスウォーターハウスクーパース傘下であるPwCあらた監査法人を解任してでも食い止める必要があります。

 WHの破産法適用を申請した段階で、米国政府も米国裁判所もプライスウォーターハウスも「敵になった」と認識しておかなければなりません。

 「地獄の扉」を自ら開けてしまった東芝の現経営陣には、もうそこまでの気力も能力も残っていないのかもしれませんが、そうなるとWHの破産や半導体事業売却の前に上場廃止が来てしまいます。

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コメント
http://toyokeizai.net/articles/-/166555
東芝の一兆円クレクレじゃないと逝くう
の極秘文書漏らしたのどこかしらん?
いつも興味深い記事をありがとうございます。
過年度決算を修正して、結果として2期連続債務超過となった場合、直ちに上場廃止とはならないようです。だからと言って過年度修正を東芝が認めるとは思えませんけど。さすがに特設注意市場銘柄の解除は絶望でしょうし。

毎日新聞経済プレミアからの引用
上場廃止基準に関して改めて東証に確認取材したところ、基準は「債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかったとき」と定められており、過去への遡及は想定されていないとのことだった。このため、今回のケースでは、仮に16年3月期が債務超過であっても、現時点で上場廃止が決まることはない、とのことだった。
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20170404/biz/00m/010/011000c
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