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オール米国の報復を受ける東芝

2017年04月11日

オール米国の報復を受ける東芝


 最近、東芝と北朝鮮ばかり書いているようですが、また東芝です。

 東芝は3月29日に米子会社・ウェスティングハウス(以下、WH)の米連邦破産法適用を申請しましたが、その日を境にオール米国の対応が大きく変わり、報復が矢継ぎ早に加えられています。
 
 まず東芝がWHの連邦破産法適用を申請した先は、もちろん米国の裁判所です。裁判所もオール米国と考えると、東芝がこれでWHの損失負担が軽減される判断が下されると考えているなら「おめでたい」というしかありません。
 
 WHはもちろん米国企業なので支援先選定にも対米外国投資委員会(CFIUS)の審査が必要であり、東芝に有利な支援先(外国企業)は出てきません。

 もし本気でWHの損失負担を軽減するつもりなら、東芝本体を破産させて日本の裁判所と法律を含むオール日本で、オール米国と戦うしかありません。もちろん東芝の現経営陣にはそんな度胸はなく一見安直に見えるWHの破産法申請に走ってしまいました。

 さらに4月4日付け「明確な上場廃止基準に抵触していた可能性のある東芝」に書いたように、監査法人のPwCあらた監査法人が東芝の2016年3月期決算に疑義を挟み、2016年10~12月期の決算も再々延期された期日の4月11日までに承認することはありません。

 PwCあらた監査法人は英国が本部のプライスウォーターハウスクーパース(以下、PwC)傘下ですが、WHの監査はPwC米国法人が担当しているため、これもオール米国と考えると東芝に「やさしい」監査が行われるはずがありません。

 2016年3月期が修正に追い込まれると2期連続債務超過で上場廃止となるはずですが、これは過年度決算の修正は遡及しないため上場廃止とはならないとのご指摘を頂きました。確かにオール日本で「東芝に最も過保護な東証」の見解はそのようで、さらに2016年10~12月期決算に監査法人の承認がなくても、すぐに上場廃止にはならないかもしれません。

 ただオール米国のPwCあらた監査法人のままでは東芝にとってリスクがあまりにも大きく、即刻解任してしまうべきです。決算発表がさらに遅れますが、そこはオール日本の関東財務局と東証が何とかしてくれるはずです。

 そして極めつけが4月6日、米国際貿易委員会(ITC)が東芝半導体事業のドル箱製品であるNAND型フラッシュメモリが、台湾の旺宏電子(マクロニクス)の特許を侵害しているとして調査を開始しました。

 クロとなれば少なくとも米国では東芝製のNAND型フラッシュメモリが締め出されるため、分社化したばかりの半導体事業売却に大きな障害となります。

 それ以前に日本政府は半導体事業売却に外為法の事前審査が必要としており(これだけなら正しい措置ですが、オール米国の意向も入っており実質的に米国企業グループに売却せざるを得なくなるはずです)、そこへオール米国のITCがクロと判定すれば(間違いなくそうなります)、いよいよ米国企業グループに「捨て値」で売却するしかなくなります。

 ここにきて日本政策投資銀行、産業革新機構それにいくつかの日本企業が集まったオール日本で半導体事業の入札に参加する動きが出ています。ただその内容は5000億円程度で全体の3分の1強を取得し、それで経営のイニシアティブを確保しようという「とんでもなくおめでたいアイデア」でしかなく、オール米国でなくても相手にされません。

 以前から本誌は、半導体事業は誰にでも(東芝の現経営陣にでも)売却できるので、何も急ぐ必要はないと主張していますが、こうなると冗談ではなく売却をいったん中止するべきです。ここまできたら東芝本体が消滅する事態も想定し、せめてオール日本で資産(半導体事業)の散逸を防ぐべきです。

 やはりどう考えても3月29日を境に、東芝の運命は大きく暗転しています。WHの米連邦破産法適用申請は、パニックになっている銀行の要求に簡単に応じてしまったもので、オール日本の利益とまでは期待しなくても東芝そのものの利益も大きく損なってしまいました。

 ここで、もうとっくに東芝株式を売却したと思っていたエフィッシモ・キャピタルが、さらに買い増していたようです。4月7日に提出された大量保有変更報告書では持ち株比率が9.84%と前回提出の8.14%から増えています。

 エフィッシモはもちろんオール日本の一員として頑張っておられるわけではなく、最後は(東芝経営陣に重大な判断ミスがあったとして)巨額損害賠償請求まで考えておられるかもしれません。違っていたらごめんなさい。


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コメント
何もいいこと無い
オール日本で東芝の
窮地を脱することだ

税金も入ってこないし
国益上も 日本の為にならないからだ

どうして
東芝の不利な記事ばかりを書くのだ
あなたは日本人か

お隣の国にでも行って
永住してください
どこかの国の名無しさんへ

私にはどう読んでもオール日本で東芝の利益を守るための記事にしか読めませんが、、
あなたこそ、どこの国の人ですか?
読解力をつけましょう
久々に闇株さんの指摘通りな展開ですね。
無能な東芝は無くなってもいいけど
半導体を捨て値で持って行かれるくらいなら
オール日本でって今更都合良すぎです。
やっぱり、WHがターニングポイントだったと思いますが
ここに来てのやっぱり、やめた(破産法申請)
はありますか?(可能?)
東芝は最初から嵌められたのでは?
東芝がWHを時価の3倍で買ったのは、のれん代を含めていたからという記事を読んだことがある。それにしても、いくら何でも高すぎ。日米原子力協定があるので最初のうちは守られてもやがて何か起きたときは、米国が金目のもの(半導体事業)を買い取り、残りは日本で好きにしろというのが米側の魂胆だったと思う。東芝がWHを買った頃に米国の原発関係の法律が変わって、結果として既存の原子炉の稼働可能年数が伸びたらしいね。東芝はWH購入後に新規事業を1件も受注してないらしいから、最初から米国にとってお荷物となることが見えていたWHを東芝に買わせる、やがて財務状況が大変になったときに最も大きな収益事業を本体と切り離して売却させて、それを米側の会社が買い取る。そういうシナリオを描いた米に最初から騙されていたんじゃないかと思いますがどうですか?
東芝の半導体技術が掛け値なしですごいものだという前提で書かれているように感じられますが、私には東芝の半導体技術のすごさがどこにあるのか皆目分かりません。純粋なテクノロジー面でのご説明で東芝の半導体技術の重要性を説いていただかないと、こうした話自体が私にとっては荒唐無稽にしか受け取れられません。
どの監査法人を選任しても海外子会社の監査はは海外メンバーファームが行うので「オール米国」以外に選択肢はありません。海外提携していない監査法人を選任すれば別でしょうが、そんな小規模監査法人に東芝の監査を担当するキャパはありません。
東芝 北朝鮮
株は行っていませんが、近頃の東芝と北朝鮮でここの記事を読ませて戴いています。
本文は大変に的確ハイレベルでまた適当に面白く精読しています。
同時にコメントもレベルが色々でこれまた大いに面白く読ませて頂いています。
よろしく。。。
日本の技術が世界最先端だと威張っていられたのは、過去の話。
例えば、ニコンはかつて半導体製造装置で、世界シェアの半分を
握っていましたが、今は海外企業に抜かれ、もう青息吐息です。

それでも企業が東芝半導体を欲しがるのは、
①優秀な技術者は、どこも常に欲しい
②製造設備は使い古しでも、割安。(実績があるから)
新規に設備を作ると、実際に稼動するまでリスクがある。
③ライバルを買収すると、安値競争に巻き込まれなくなる
等のメリットがあるためと思われます。

東芝が中国系企業に買収されると、関係悪化したら
半導体を日本に売ってくれなくなるリスクがあります。
これも、代替品を日本企業で調達できれば、問題はないのですが。
アメリカ企業から買おうとしたら、足元を見られて
高値を吹っかけられるのは確実です(笑)
東芝の技術
東芝の技術だけがすごいのではないですけど。
日本では、東芝だけしか持っていない技術にフラッシュメモリー(半導体)の技術があります。これは、AIが参照する最新鋭データーベース(ハード)そのもので、莫大な需要が予測されており、日本として一枚かんで利益を取り込みたいところです。
韓国の政治ゴタゴタや、海運会社破綻、スマホ発火のサムスンが生き延びているのも半導体メモリーが絶好調だからです。
その他の技術は東芝が無ければ他の日本企業でも間に合いますが、東芝技術が他国に渡ると他の日本企業の技術にも追い付かれます。他国は、ただ同然で東芝を買ったのですから、かつて東芝が払った研究開発投資分を回収する必要なく、東芝製品を安売りしてくるかもしれないからです。
また、東芝の事業を一部廃止して、クロスライセンスの破棄をちらつかせて日本メーカーにちょっかい出せるからです。手取り足取り技術を教えろ、さもなくば、東芝の特許使わせない、製造中止しろと。技術を教えたら追い付かれて当然です。
技術は東芝単独で存在するものではなく、他の日本メーカーとつながっています。
>海外メンバーファームが行うので「オール米国」以外に選択肢はありません。

PwC以外の海外メンバーファームの方とお話しましたが「日本は酷い」と語ってました。この仕組みが出来た時点で杜撰な会計体質の日本企業は終わりだったのかもしれません。

この件は東芝以外にも飛び火して日本が今の韓国のような外資の制する国になるのかもしれません。

東芝の技術がわからない人がいるのも仕方無い時代なんだなぁ
昔の東芝は、自分なんかじゃ入りたくても入れなかった。なぜ、こんな事態になったのか。分かれ目は、原子力事業に力点を置いたことかな。
3次元NANDで周回遅れとなった東芝
東芝メモリ喫緊の課題「3次元NAND」、サムスンの独走許した深い理由
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9373
書いたのは元日の丸半導体の親分(エルピーダメモリの坂本社長)

東芝メモリの独占交渉権を要求、米ウエスタンデジタルは「最悪」の売却先
Wedge 4/15(土) 12:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170415-00010004-wedge-bus_all
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170418-00000028-zdn_mkt-bus_all
東芝問題で「日の丸レスキュー」構想が出てきたワケ
日本郵政が巨額減損するそうです。東芝の社長でもあった西室泰三が社長を務めてたところですね。
東芝は日本をつぶしたいのか?
西室は史上最悪の経営者です。日本を潰すためにこの世に現れてきました。
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