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過大評価されている不思議な国・フランスの大統領選挙

2017年04月22日

過大評価されている不思議な国・フランスの大統領選挙


 表題は2015年にメルマガ・闇株新聞 プレミアムで長期連載した「歴史上で常に過大評価されている不思議で厚かましい国・フランスの歴史」からとりました。

 ナポレオン時代を除いて戦争に強いわけではなく、ポルトガル・スペインのように大航海時代をリードしたわけでもなく、英国のように奴隷貿易で蓄積した富で産業革命を成功させたわけでもなく、第二次世界大戦では開戦直後にヒトラーにパリを陥落させられ傀儡政権となったフランスですが、いつの間にかちゃっかりと「いい位置」を確保している不思議で厚かましい国がフランスです。

 そのフランスで大統領選挙が行われます。4月23日の第1回投票で過半数を獲得する候補がいなければ(そうなるはずです)、5月7日に上位2候補の間で第2回投票が行われ新大統領が決定します。

 現在のフランスもEUやIMFなど国際機関、それにアフリカ・中東・インドシナなど広大な旧植民地地域に「国の実力をこえた地位」を確保している不思議で厚かましい国であるため、その大統領も「実力をこえた世界への影響力」を備えることになります。

 前回の大統領選挙(2012年)から、各政党は一般有権者も含めた投票で候補者を選ぶ予備選を取り入れており、各政党とも多数の候補者が乱立した結果、社会党では現職のオランド大統領、共和党ではサルコジ前大統領があえなく「落選」してしまいました。

 政治における右派・左派とは万国共通の政治用語ですが、もとはといえば1789年のフランス革命時の国民議会で、議長席から見て右側に王党派、左側に急進革命派が座っていたことに由来します。

 そして今回の大統領選挙でも、その元祖・急進左派から極右まで有力候補者が「きれいに」出そろいました。左から並べると急進左派のメランション、中道左派で「与党」社会党のアモン、中道独立系のマクロン、中道右派で共和党のフィヨン、そして極右・国民戦線(FN)のルペンとなります。

 このなかでは反移民・反EUを掲げる国民戦線(FN)党首のマリーヌ・ルペンと、昨年8月までオランド現政権のバルス内閣で経済担当大臣を務めていたエマニュエル・マクロンがリードしていましたが、ここにきて両者とも息切れしています。

 代わって急進左派で反EUだけではなく反NATOまで掲げるジャン=リュック・メランションと、妻への不正給与疑惑で出遅れていた前首相(サルコジ政権時)のフランソワ・フィヨンが盛り返しており、「与党」社会党候補のアモン以外の4候補すべてに第1回投票で上位2位に残る可能性があります。

 それでも現時点ではまだルペンとマクロンがリードしており、そのまま第1回投票でルペンとマクロンが残れば、第2回投票で反ルペンが集結してマクロンが新大統領になるとの予想が支配的です。それではこのマクロンとは何者なのでしょう?

 マクロンはまだ39歳で、国立行政学院(ENA)出身の「典型的エリート」です。2006年に社会党に入党し、2008年にロスチャイルド系の投資銀行入りし、2012年にオランド政権になると大統領府副事務総長となります。そして2014年には早くも経済担当大臣に抜擢され、2016年8月に大統領選出馬のために辞任しています。

 経済担当大臣時代には、フランス政府が大株主であるルノーによる日産自動車の完全子会化を主張していました。政治信条そのものは右派でも左派でもなく、状況に応じて右派と左派の主張から「いいとこ取り」する「戦略のための中道派」のような気がします。

 2016年4月に政治グループ「前進!(En Marche!)」を結成していますが、まさに「右派でも左派でもない政治」をスローガンにしています。

 フランスでは大統領選直後の6月に総選挙(国民議会選挙)が行われますが、仮にマクロンが大統領となってもそれだけでは直接支える政党がありません。そこで総選挙で「前進!」が中道右派(共和党)と中道左派(社会党)の既存政党から議員候補を寄せ集めて過半数を確保するつもりのようですが、いくらなんでもムシが良すぎます。

 そうなると中道右派(共和党)か中道左派(社会党)のどちらかと連立政権を組むことになりますが、そうなるとマクロンの政治は大きく制限され「右派でも左派でもなく前進もできない政治」となってしまいそうです。つまりマクロンはあまりにも「促成栽培」で「脆い大統領候補」となります。

 それではルペンはどうなのでしょう?ここにきて(息切れが目立つようになってから)再び反移民・反EUという「国民戦線(FN)本来の主張」に回帰しているようです。現地時間・昨日(4月20日)夜にパリのシャンゼリゼであった銃撃テロも、微妙にフォローに働くかもしれません。

 つまり現時点の本誌の「直前情報」は、少なくともマクロンは大本命ではなく、少なくともルペンは大統領になれないわけではないとなります。


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コメント
歴史観が根本的に間違っている
フランスは11世紀頃には英国を征服して、当時の英国ではフランス語が使われ、英語は細々と低層階級によって使われていた。その状態が200年以上続いた。フランス語、文化は歴史的にずっと最上位のものとされたし、ドイツ語などはその下に位置するものとされてきた。学問的にもこのことは証明されている。ドイツ、イタリアなどは日本の明治維新時にできた国であり、実は新興国なのだ。少なくとも歴史的には。
 ドイツはともかくイタリアは新興ではあるまいて。
ルペンにはならないと予想
女の敵は女
そしてユーロの中核国
ルペンはないでしょう
国を経済力や軍事力だけで評価するのはおかしな話です。 フランスは自由民主主義の成立や文化面で人類に多大な貢献をしています。 過剰な愛国心が時に傲慢さの厳選になっていることは否定しませんが。
英国を征服したのはフランスではなく、フランス内の一封建君主。この違いはその後の両国の歴史にも大きな影響がある。
貴紙の結論は、
右派でも左派でもない訳でもなく、極右でもない わけですね!
言葉遊びみたいで面白いです🤣
>英国を征服したのはフランスではなく、フランス内の一封建君主。この違いはその後の両国の歴史にも大きな影響がある。

これは詭弁か屁理屈か。フランスと言っても北欧系のノルマンディー(英国征服した)、体ガッチリしてるのはこのノルマンディーの子孫とロマンス系のヤワい人々がいる。ルペンはどちらで、マクロンがどちらか顔と体格で分かる。
イギリスから見て
イギリスのEU離脱交渉はうまくいっていない。このままでは、2年後、イギリスはEUを着のみ着のままで追い出されることになる。
現状打開のためには、極右か極左の候補がフランス大統領になり、EUをしっちゃかめっちゃかにすることが望ましい。
フランスは金融の国。フランスの左右主流派はイギリス金融を叩き潰したくて仕方がない。だから中道候補ではイギリス憎しでドイツと結び付き、フランスがドイツに飲み込まれそうになっていても、イギリス叩きをやめないかもしれない。
フランス人が「フランスは偉大な国、ドイツの風下になど立てるか」と感じているかどうか。現状、フランス単独でドイツに対抗する力は無い。イギリスのEU離脱が失敗してイギリスが衰退すれば、フランスはドイツに対抗する有力な手段、イギリスと組む、ということを失うことになる。
フランス大統領選挙はさもないと、2年後にイギリスはEUを着のみ着のままで追い出されることになる。フランス大統領選挙は、ドイツとイギリスが欧州の覇権を争う選挙であり、フランスがドイツに従属するかしないかを決める選挙である。
イギリスから見ては極論であり、フランスは結局保守的な国で、マクロンが大統領に選ばれるだろう。ただし、この若者に今のEUをドイツとともに維持していけるか不安がある。ドイツは東西統一して大きな国になったが、東西の富裕、貧困の格差はどんどん広がっていて、移民の受け入れがこの格差をさらに深刻にする。例えば北西のケルンという街には以前から多くのトルコからの移民がいるが、彼らは孤立し、独特の訛りのドイツ語を話し、そして貧しい。
極論
フランス大統領選において、各勢力がマクロン候補支持を表明した。それは、各勢力にとって、ルペン候補が侮れない歴史的流れの中にある候補だからだ。
トランプ候補対ヒラリー候補のような接戦になるだろう。
接戦を制する鍵は宗教団体の票である。
ルペン候補はドゴール将軍の共和派の流れを組まない。フランス語を話せればフランス人と言うような共和派ではない。王党派の流れを組む者だから、共和政下で叩かれる。現代の王党派の理想はローマカトリック的政治。王党派にとって、フランス革命で共和政が成立したことは残念な出来事であり、ナポレオンは敵。フランスはフランク王国の正統な後継者。
現在のローマカトリックは、麻薬腐敗等に対して非常に厳しい立場であり、光、真実を求めて止まない人達である。植民地支配にも反対している。韓国がマスコミにばらまいてきた歴史ねつ造・慰安婦問題について、ローマ教皇は「韓国人の魂は生まれ変わる必要がある」と言い放った。言論のタブーを作り上げたマスコミに批判的だ。
カトリックは多くの国の宗教だが、フランスを救ったジャンヌダルクはカトリックの聖者でもあり、地域色もある。フランスのカトリックはフランスのために動くだろう。
アメリカトランプ大統領はルペン候補支持を表明した。
ロシアは極右政党に活動資金を提供した。
ルペン氏はクリミヤ半島の現状(ロシア支配)を認める発言をした。
彼らは今、何をしているのか。
フランスのカトリックやアメリカと取引関係のある企業にルペン候補支持への鞍替えを求めているだろう。
フランス軍と諜報部門は中東IS爆撃を実行していく中で、ロシア軍と行き来がある。
フランス警察は移民犯罪に悩み、EUドイツに批判的だ。
フランス大統領選
ローマカトリックは明確な支持を表明していません。通常は右派が共和党フィヨン候補、左派が社会党候補支持になります。
今回は支持政党の候補がいません。

マクロン候補はカトリック左派を取り込みそうです
ルペン候補はカトリック右派を取り込みそうです。
言えることは、接戦です。

第一次大戦中、スペインの草原に集まった群衆に対して聖母マリアが姿を表し、中にいた少年二人と少女にお告げをした。ファーティマの三預言とされ、カトリックが公認している奇跡である。

1第一次大戦は間もなく終わること。
2次にもっと大きな大戦が起きること。
3カトリック教会が大迫害されること。これは20年間教会内で秘密にすること。

3について1960年以降公表しようと内容を2人の教皇が改めますが、内容の酷さに卒倒したり、体調不良を起こし、公表は見送られました。

おそらく、教会が人々からの信頼をなくすということなのだと思います。現在のローマカトリックは、弱い難民を保護し、弱い移民を支援することを活動の一つにしています。しかし、実態は強いシリア難民、東欧出身や北アフリカイスラム系の元気の良い移民が目立ち、弱くて失業して人口を減らしているのはフランス人です。
ファーティマの第三預言を予想すれば、教皇庁がフランス政治に介入すれば、信者からの信頼を失いかねない、となります。ローマは自主投票するしかありません。それだけ、カトリックは真っ二つだということです。
ローマカトリックにとって非常に難しい局面が続きます。ベネディクト16世が高齢辞任したのは、教会分裂を避けるために教皇が走り回る局面を想定して体力不足だったからでしょう。次のフランシスコ教皇は70代ですがお元気です。
アメリカのプロテスタント、ブッシュフロリダ州知事などは教皇の権威を認めていません。トランプ候補が教皇について侮辱発言し陳謝撤回なんて報道がありましたが、あれが、アメリカのエスタブリッシュメントの心意気なのでしょう。
アメリカイギリス陣営が遠慮なく、猛烈な切り崩し工作をフランスのカトリックに仕掛けており、教皇は身動き取れないのです。
ローマカトリックはEU分裂回避より教会分裂回避の方が優先です。
ベネディクト16世教皇
ベネディクト16世教皇は枢機卿時代に日本にある涙を流す聖母像の奇跡を調査し、カトリック公認の奇跡とした方です。今まで公認の全奇跡について目を通していらっしゃるでしょう。当然、封印されたファティマの預言についてもです。
教皇は終身ですが、あえて高齢辞任したことについては、戦略的な意思が働いていると考えて良いでしょう。教皇の意思は後任に託されたのです。
現在のフランシスコ教皇はガチガチ左派だとされています。しかし、前教皇の意思を尊重し、フランス政治には介入せず、教会分裂を回避する決断をされるでしょう。
ブルームバーグ
5月2日記事、フランス大統領選挙の世論調査をしたところ、マクロン候補対ルペン候補は6対4でマクロン候補勝利のようです。ルペン候補は追い上げているようですが。
リスクオフしてきましたが、資産の一部をリスクオンしました。投資先は東京エレクトロン。半導体設備市場が好調でEUのごたごたと関係なく数年間は売上10%成長できそうです。
昨年のトランプ大統領当選の時も、直前で臆病風に吹かれた気が。。。
予想誤りと弁解
フランス革命「自由平等博愛」は色あせることない単純なフランス共和政のスローガンである。1700年代フランス革命からナポレオン時代を経て今へ続く輝かしい共和政の歴史を断絶させたくない、移民への博愛すばらしいとフランス人は考えたのだろう。日本人における日本国憲法第9条と同じかそれ以上に、フランス革命の歴史はフランス人の心を捉えて放さない。いわば、宗教なのかもしれない。

残念ながら、宗教を政治に持ち込むと社会は停滞するか破滅する。宗教家は敵を愛せて言うが、現実には敵に寝首をかかれるのが落ちである。政治状況は刻々と変化するのに、宗教的枠内の手段で対処するしかなく、それは必ずしもベストの手段ではないからである。
ルペン候補が惨敗したのは、一般フランス人にフランス革命について再考する時間がなく、共和政の敵認定されていたということだろう。フランス革命はフランス人民が政治をするのが主眼であって、ヨーロッパの主のナポレオン様EU様が自由平等博愛の政治をするのではないのだが笑。(ナポレオンが皇帝になったのは、イギリスによる暗殺を警戒したためだと言われている。最悪イギリス笑)
EU内で各国政府にできることは、どちらかと言えば規制緩和方向のさじ加減で、デフレ・失業対策にはなりにくい。マクロン大統領は壁に当たれば路線を若干変更するかもしれないが、未知数。
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