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ポスト習近平の有力候補だった孫政才の失脚

2017年07月26日

ポスト習近平の有力候補だった孫政才の失脚


 中国共産党中央規律検査委員会(中規委)は7月24日、孫政才・前重慶市共産党委員会書記を「重大な規律違反の疑い」で調査すると正式発表しました。直轄都市である重慶市のトップで、ポスト習近平の有力候補として本年秋の共産党大会では政治局常務委員入りが確実視されていた孫政才が失脚したことになります。

 実際には7月15日に重慶市党委書記が習近平の腹心である陳・貴州省党委書記に交代すると突然に発表されており、その時点で孫政才の失脚は噂されていました。本年秋の共産党大会に向けて習近平が共産党長老と人事案などを相談する「北戴河(ほくたいが)会議」が今月中にも開催されるため、その前に長老(具体的には江沢民)を一気に抑え込んでしまおうとする習近平の思惑が強く出ています。

 というのも本年秋の共産党大会では、その時点で68歳以上となる(習近平、李克強を除く)5名の政治局常務委員が引退し、さらにポスト習近平を争う(つまり習近平より10歳ほど若い)2名が常務委員入りする「慣習」になっています。

 そこで習近平は、対立する江沢民派を常務委員から完全に追い払い、江沢民派の持つ利権(機械工業閥、石油閥、中国東北部、朝鮮半島、中国内陸部など)を手中に収め、さらに次回共産党大会のある2022年以降も、自らが居座るか長老として君臨するかはともかく、権力を維持する布石を打とうとしています。

 ちなみに習近平の対抗勢力としては、胡錦濤前総書記とその後継者である李克強首相の共青団もありますが、前回(2012年)の共産党大会では李克強以外の常務委員は選ばれず、習近平が(後述しますがこの時は江沢民の協力も得て)抑え切っています。

 そしてポスト習近平を争う2名として、胡春華とこの孫政才がすでに常務委員のすぐ下の中央政治局員(25名)入りしており、当然に本年秋の共産党大会で常務委員入りするとみられていました。

 ところが胡春華は共青団のホープであり、孫政才ももともと共青団ですが江沢民との関係が強いと言われており、ここにきて習近平の「思惑」から2名とも微妙であるといわれ始めていました。そこでまず孫政才が失脚したことになります。

 この辺まではどの報道でもほとんど同じですが、ここからはあまり伝えられていない中国共産党内部の勢力争いについて解説しておきます。

 まず胡錦濤体制が終了して習近平体制となった2012年11月の中国共産党大会の2~3年前から、江沢民派の周永康(常務委員)、薄熙来(重慶市党委書記)、共青団の令計画(党中央弁公庁主任=日本の官房長官に相当する要職)の3名がクーデターで習近平を降ろし、薄熙来をトップに据えようと画策していました。もちろん江沢民の了解のもとですが、胡錦濤には知らされていなかったはずです。

 実際には習近平に勘付かれて失敗に終わり、周永康、薄熙来、令計画はすべて捕えられて無期懲役となりました。ところがこのクーデターが習近平に勘付かれる直接のきっかけとなったのが、2012年2月に重慶市副市長兼公安局長だった王立軍が成都の米国総領事館に亡命を求めて駆け込んだ事件でした。

 王立軍はもともと薄熙来の腹心でしたが、薄熙来の不正蓄財や夫人の殺人事件などを知る立場となり逆に命を狙われていたからとされています。この時、王立軍は薄熙来や夫人の関連だけでなく重慶市や中国共産党の機密をごっそりと持ち出しており、米国にとっても「宝の山が向こうから飛び込んできた」はずです。

 ところが奇怪なことに米国務省は王立軍の亡命を認めず中国当局に引き渡したため、そこから薄熙来の不正が露呈していきました。それではその時点で「宝の山をわざわざ追い返した」米国の国務長官は誰だったでしょう?

 そう、ヒラリー・クリントンです。さらにヒラリーはわざわざ(中国政府が簡単に盗み見ることができるように)私用メールを使っていました。本誌がヒラリーは筋金入りの親中であると強調する数多くある証拠の1つで、私用メール事件の本当の目的です。

 さて話を戻しますが、これで先述のように江沢民は習近平体制の発足に協力せざるを得なくなりました。しかし江沢民も現在の常務委員にしっかりと3名(張徳江、劉雲山、張高麗)を送り込んでおり、そこで習近平は本年秋の党大会で江沢民派の一掃を狙うことになり、まず手始めに孫政才を失脚させたことになります。

 それでは習近平は、ここにきて急に孫政才を失脚させようと考えたのでしょうか?そんなことはありません。実は孫政才は失脚した薄熙来の後任として、習近平が就任直後に重慶市党委書記に任命しています。

 ところがそれまで薄熙来の天下だった重慶市には、そのまま薄熙来の息がかかった人物がたくさん要職についており、就任時に厳命された薄熙来勢力の一掃など簡単にできるはずがありません。

 その薄熙来勢力一掃の遅れが今回の孫政才失脚の重要理由だとされていますが、そもそも習近平は「そんなことが簡単にできるはずがないことを十分に承知の上で、自分の後継者といわれる孫政才を送り込んだ」はずです。つまり最初から失脚させるつもりだったことになります。

 そう考えるともう1人の胡春華も、同じように問題が多い広東省党委書記に送り込まれており、やはり苦労しているようです。ただ胡春華は孫政才よりはるかに優秀で清廉潔白のようですが、次はこの胡春華の命運に注目しておかなければなりません。

 もし胡春華まで失脚するとなると、ほかに習近平より10歳ほど若い中央政治局員がおらず、その下の中央委員(205名)から引き上げることも前例がなく、いよいよ習近平が2022年以降も居座る可能性が出てきます。

 また李克強は2022年の党大会時点でもまだ67歳で、さらに再任される可能性があることも波乱材料です。大変に長くなってしまいました。


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コメント
「そう、ヒラリー・クリントンです。さらにヒラリーはわざわざ(中国政府が簡単に盗み見ることができるように)私用メールを使っていました。本誌がヒラリーは筋金入りの親中であると強調する数多くある証拠の1つで、私用メール事件の本当の目的です。」

=>

御明察です。

ヒラリーに限らず、その旦那のビル・クリントンも含め、米国民主党はほぼ全体が親中派に染まっています。彼等は嫌日派の傾向が強いばかりか、米国自体の覇権的地位を弱体化させてでも、自分の運営する財団等が儲かればよいというような、西側陣営にとっては売国奴のような偽善主義者の集まりです。
アジア開発キャピタル
19 前日比+9(+90.00%)
中国要人銘柄なのかな?
しかし安倍晋三も最初はトランプよりヒラリー支持派で、
選挙前に会いに行ってるんだから何を考えているのかわかりませんね。
しかし、外務省が間抜けでトランプ当選を予測できなかったものだから、
当選後慌てて会見に行く羽目に。
トランプにしてみれば、その時点ですでに安倍に対して不信感を持ち現在に至っているのでは。
昭恵はハローも言えない、発言は、その表れかも(笑)
アジア開発キャピタル
23 前日比+6(+35.29%)
民進党銘柄なのかな?
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