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まだまだ波乱がありそうな東芝の半導体事業売却

2017年08月25日

まだまだ波乱がありそうな東芝の半導体事業売却


 東芝は本日(8月24日)の経営会議で、半導体事業を月内(8月中です)に売買契約締結するために、ウエスタンデジタル(以下、WD)陣営と優先的に協議することを決めたと報じられています。

 いかにも東芝が自発的にWDと協議を始めるようなニュアンスですが、実際はかなり違っているはずです。来年3月までに債務超過を解消するよう必死に圧力をかける銀行や、何とか交渉をリードしているように見せかけたいだけの経済産業省や産業革新機構に挟まれて、6月下旬に優先交渉権を与えた日米韓連合との交渉が全く進展しない中での精一杯の「強がり」のようです。

 そもそも半導体事業売却を差し止めているWDを放置したまま、日米韓連合との売却交渉など進展するはずがありません。買収ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(以下、KKR)がそのWDを抱き込んでいる以上、そのKKR・WD連合に徹底的に買い叩かれるか、時間切れとなって上場廃止となるかの「2択」でしかなくなっていたはずです。

 それでも経済産業省や産業革新機構が日米韓連合にこだわった理由は、連合をとりまとめるベインキャピタルが(見せかけだけですが)日本サイドに半導体事業会社の議決権の過半を渡すという案で合意できそうだったからです。

 しかしKKRはベインキャピタルに比べればはるかに「えげつない」ため、ここまでくるとかなり強気で交渉に出てくるはずで、このまますんなり売買成立となるかも微妙です。

 まず買収金額は日米韓連合の2兆円に対し、KKR・WD連合は1兆9000億円と伝えられていますが、たぶん提示は「もっと安い」はずです。そして大変に情けないことに産業革新機構や政策投資銀行がこのKKR・WDに加わるようですが、そこで十分な議決権を確保できるはずがなく、単なる「資金提供者」となってしまう恐れがあります。

 だいたいKKRにしてもベインキャピタルにしても、自らの出資分のうち自己資金は3分の1ほどで残りは借り入れますが、買収が成功するとその借入れを被買収会社(ここでは東芝の半導体事業会社)に押し付けて返済させるため、取得した株式の一部を売却するだけで自己資金はすべて回収できてしまいます。あとはコストがタダ以下になった株式を追加売却して「ボロ儲け」するか、同じく会社を支配し続けることになります。

 ファンド主導で買収された会社は(繰り返しですが東芝の半導体事業会社のことです)、これから設備投資も人件費も極限までケチり、ファンドが自らを買収した際の借入れを最優先に返済し続けることになります。

 それでは、東芝はそうまでしてファンド主体の相手に半導体事業を売却しなければならないのでしょうか?来年3月までに債務超過を解消して上場を維持しなければならないとの前提で考えてみます。

 まず本年3月月末時点の債務超過額は5500億円ほどで、今期通年の期間損益は1000億円をこえる利益と予想されていますが、とりあえずゼロと仮定します。

 本年4月1日付けで分離した半導体事業の帳簿価格は7000億円とされるため、単純に考えるとこれを5500億円上回る価格で売却できればいいことになります。しかし上場会社の財務会計と税務会計は違うもので、今期に東芝が使える税務上の赤字があるかどうかがわかりません。経験的には税務上の赤字はなく半導体事業の売却益にまるまる課税されるような気がします。

 だとするとやはり2兆円近い価格で売却しなければなりません。しかもここでかかる税金は(税務上の赤字がないとして)まるまる社外流出となり、株主資本を棄損させます。つまり半導体事業を売却しなければ必要のない社外流出となります。

 一部の報道では、もし半導体事業の売却が間に合わなければ、その半導体事業を新規上場させるとアイデアまで出ていますが、新規上場がそんな短期間で物理的に不可能であることは別にしても、やはり東芝の売却益となるため同じことです。

 それでは(とりあえず)半導体事業の売却は一旦やめて、最大5500億円の公募増資にしたらどうでしょう?産業革新機構も政策投資銀行もそれぞれ3000億円を(KKRが主導する)半導体事業に出資するつもりであるなら、単純に東芝本体の公募増資を引き受ければ済む話です。税金もかからずKKRも必要なくWDと揉めることもありません。

 出光興産のようにヘッジファンドに貸株を調達されて徹底的に売り叩かれないように、海外の募集分をゼロにして国内勢だけで引き受ければよいのです。

 少し頭を冷やして考えてみたらどうでしょう?


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コメント
半導体事業を売り、医療機器事業を売り、家電事業を売り、何をするのですか?

日本国内での原発事業もさほど有望ではないのに、海外でなら売り上げが伸びますか?
社員の数年分の給料のための売却かな?
新聞報道
いつも興味深く拝見しております。

昨日数社の新聞で「WD側が訴訟の取り下げと将来的なメモリ上場を無条件で受け入れれば、交渉は8月末までの合意へ向けて大きく前進するとみられる。」と報じられていました。
情勢から考えて、逆提訴するとまで言っていた東芝の条件をWD側が無条件で受け入れるとは考えにくく、なぜこの報道がその新聞社からリリースされたかが透けて見えるようでした。
闇株さんの続報をお待ちしております。
多くの異論があると思いますが、ソフトバンクの10兆円ファンドに買ってもらえばいいんじゃないですか?
謎です。。
報道で銀行が7000億融資でトータル1.9兆円とありましたが7000億というのが何故融資なのか謎です。今後の闇株さんの続報楽しみにしています。
福島第一原発を製造したメーカー
1号機・・GE(アメリカ・ゼネラルエレクトリック社)
2号機・・GEと東芝。
3号機・・東芝。
4号機・・日立。

東芝は原発事業で食っていけるのか?
それが難しいことは、誰でもわかることだろう。



東電元社長の清水正孝を東芝の社長に据えて、東電と東芝を強制合併させ、東電芝と命名し、さらには社長の役員報酬は無償とし、日本国民のために滅私奉公させよ。
東電はサムソン電子と同じように、あるいはそれ以上に同族経営体質で腐敗していた。

なぜ東電とサムソン電子が腐敗していたと言えるのか?勝俣恒久東電元会長は、清水正孝東電元社長の義理の父親である。東電もサムソンも経営権が同族で支配されてしまっていた。これに異論を唱える輩は、北朝鮮の犬ぐらいのものであろう。民主主義の敵だ。

次に、なぜ東電はサムソン電子以上に腐敗していると言えるのか?サムソン電子はその創業者の私物に過ぎないし、公共サービスセクターの企業ではない。よって、経営権の支配はよくないが、所有権が同族によって支配されていても文句は言えない。しかし、東電は、勝俣・清水一族によって創業された企業ではないし、電力供給という公共サービスを担っている。そんな企業がある閨閥によって経営支配されていたことは、日本はまだまだ未熟だという証だ。

福島原発事故が起きるはるか前から、東電は勝俣・清水にとって壊れていたのである。

そして、そんなデタラメな東電に媚を売って金儲けしようと考えていた東芝は実に小さいと言わねばならない。
東芝と東電は株式を持ち合っていた。東電の東芝は東電に対して株主代表訴訟を起こし、東電は東芝に対して株主代表訴訟を起こすという、美しい相討ちの美学を実践せよ。今こそ、武士道を甦らせよ。

闇株さんの言う通りだと思います。著名個人投資家のcisさんも同じ事を言っていました。私も東芝本体に増資させて債務解消させて、その後半導体事業の会社を上場させればいいと思います。本当にWDに売却するのであれば大変に残念な話です。こうやって日本が気づき上げてきた技術が他国に取られるのです。もっと国も真剣に考えて欲しいものです。
>私も東芝本体に増資させて債務解消させて、その後半導体事業の会社を上場させればいいと思います。

もちろん、そうできればいいですよね。しかし、誰がその増資を引き受けるのですか?そういう法人やファンドがあれば東芝さんに紹介してあげてください。東芝としては、誰かに新株を引き受けてもらう自信が無いから、あるいは増資の目途が立たないから、先に半導体事業を売却するのではないですか?因果関係が逆転していますよ。経営に後講釈は禁物です。
「東芝の悲劇」 大鹿靖明

またまた東芝本の新刊ですね

闇株さんのオリンパス本はまだでしょうか。。。
銀行の方からの発言がありませんが、この規模の上場企業が上場廃止になったとき、銀行にはどのような影響があるのでしょうか。

金融庁からのご指導を守ると、名門の上場廃止で銀行にいろいろなしわ寄せが来るので売り煽りしかできないのかな、と推測してます。予想ですが貸し出している債権を貸しはがししなければならない、とか。

となれば銀行は悪魔とでもヘッジファンドとでも手を組んで買収をお手伝いし売ってもらうしかない。
事情をご存知の方は銀行側の事情も教えてほしいです。
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