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いま国策に合う政策とは? その2  

2011年07月22日

いま国策に合う政策とは? その2
 
 政府は東日本大震災からの復旧・復興費用を賄うため、10兆円規模の臨時増税を実施する方向で検討に入ったそうです。
 向こう何年かの増税額の合計のようですが、日本の税収が本年度当初予算で所得税13兆円、法人税8兆円弱、消費税10兆円といったなかで、非常に大きな増税であることが分かります。間違いなく日本の経済回復を大きく損ねます。
 
 また、相変わらず国債の日銀引き受けの話も出てきます。これは、明らかに日本の国際的な信用を大きく損ねる暴挙です。
 
 この辺から考えられるのは、日本の国債はもう誰も引き受けてくれないほど残高が膨らんできており、日銀に引き受けてもらわなければならない。それが嫌なら増税しかない、という明らかな官僚の論理で、思考回路のない管内閣が言いなりになってしまうのです。
 
 日本の10年国債の利回りが1.06%程度まで低下しているのを見ていないのでしょうね。こういう時こそ国債を大量発行して財政から景気を刺激して、復興資金も賄うべきなのです。もちろん誰に引き受けてもらうのかを考えなければなりません。
 
 昨日は、現在世界の資金が最も向かう先は先進国(多分日米ドイツ)の国債であり、通貨では円とスイスフランであると書きました。確かに日本の政治の低迷や、財政赤字の大きさをみると考えにくいのですが、世界の資金の状況を考えると、そうなるはずなのです。
 
 だから円建て(正確にはユーロ円建て)の国債の大量発行をすべきなのです。
 
 もう少し掘り下げて考えてみます。
 
 日本の国債残高は754兆円です(2010年12月末現在)。これに政府借入55兆円と政府短期証券110兆円を加えた919兆円が政府債務残高です。 確かに、2010年の日本のGDPが名目値で479兆円なので実にGDPの191%もあり、これは欧米諸国の80~90%台に比べて確かに突出しています。
 
 しかし、日本国債の外人保有率は短期債中心に発行額の5%程度と言われています。また、海外で発行されている日本国債はありません(政府保証債は少しあります)。国際債券市場では市中の(もちろん国際債券市場で)発行額が少ない債券は人気が出るものなのです。
 
 しかし、これでも10年の利回りが1%程度の日本国債が売れるのでしょうか?
 
 今なら売れると思います。ちょうど世界の資金が国債に向かい、通貨では円に向かっている今がチャンスなのです。逆に言えば、今を逃すと売れなくなります。売れる時期はそんなに長くないと思います。
 
 世界の債券市場は66兆ドルあります。そこへ「初物」に近い日本国債が出てくるのです。ちょうどドルやユーロから資金を移動させようと思っている世界の投資家(特に中央銀行)にとって格好の投資対象になります。また株式などのリスク資産から安全資産に向かう資金の受け皿にもなります。だから利回りは、ほとんど重要ではないと思います。
 
 1兆ドル(80兆円。それでも世界の債券市場の僅か1.5%)くらい、今なら売れるかもしれません。まさに、「今なら」なのです。
 
 最近、明日にでも円と国債が暴落するとヒステリックに言う人が多いようですが、そんなことはありません。現に毎日、円と国債が買われているではありませんか。しかし永久に円と国債が買われるとも思っていません。だからいまのうちに世界中から低金利で借りまくっておくのです。
 
 そうなったらいまのギリシャや、ちょっと前のアルゼンチンみたいに償還できなくなって国際的にデフォルトになってしまう、とこれまたヒステリックに批判されると思います。
 
 しかし、過去対外債務が返済できなかった例は、全て外貨で借り入れているからです。そこへ自国通貨の急落に見舞われるから対外債務が膨らみ、デフォルトになるのです。
 
 だから「円建て」国債と言っているのです。償還期限は3年、5年、10年の組み合わせがいいでしょう。
 
 仮に、1兆ドル相当(80兆円)の円建て国債が発行されたとします。復興資金は20兆円程度だそうで、これと景気刺激に20兆円使います。残りは40兆円です。
 
 円建て国債を発行すると言うことは、それを購入する世界の投資家からある程度の「円買い」が発生します。世界の中央銀行を含む世界の投資家が円建て国債を買う場合、どれくらい新たに円(通貨)を取得しなければならないかは不明なのですが、最大限で発行額の半分の40兆円だとします。
 
 この「円買い」は当然円高要因ですので、これを為替介入で吸収します。(また、ヒステリックな批判が出てくると思いますが、最後まで読んで下さい)
 
 償還時(3年でも10年でもいいのですが)に、フジマキさんの言うように1ドル=3,000円にまでならなくても、50%値下がりの120円だったとしますと介入で買ったドルは60兆円になるので、あと20兆円あれば償還できるのです。さらに160円にでもなっていれば介入で買ったドルが80兆円になるので、使ってしまった40兆円はタダになるのです。
 
 決してふざけて書いているのではありません。つまりこれからしばらくは、どう考えても円が買われて円高になります。どうせ円が買われるなら、その資金が日本に入ってきて復興資金等に使えるようにしようということなのです。
 そして、どう考えても円が買われすぎの水準であるなら、円が(実力通り?)の円安水準に戻った時に、その利益で日本が潤うようにしようということなのです。
 
 紙面の関係で最後が舌足らずなのですが、これについては繰り返し書いていきます。
 
平成23年7月22日
 
 

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コメント
自分がふだん思っていることとほぼ同じことがかいてあってびっくり。
国益
円高は日本円が信用されている意味もあり、喜ばしいことだ。
しかし、日本政府が信用されている訳ではない。震災復興に手をこまねいている日本政府など、全く信用されていないと言って良い。日本の信用はトヨタやキヤノンを生み出したことに関する信用である。そのトヨタが円高で国内生産は限界かもと言い、キヤノンはいつでも海外へ本社移転できる準備を完了済みと言う。トヨタ、キヤノンに代わる企業を日本はまだ生み出せてはいない。大切にすべきはトヨタ、キヤノン等であって、日本円ではない。(命はもっと大切、それが戦後価値観、良くも悪しくも)
円安が今の日本を救うことになる。もちろん、一時的だ。為替がどうなろうが、改革していかなければならない。なぜトヨタキヤノン等の次が出てこないのか。
> また、相変わらず国債の日銀引き受けの話も出てきます。これは、明らかに日本の国際的な信用を大きく損ねる暴挙です。

通貨量の本質は、その国が生み出す生産力に依存するので、本来は信用創造機能が働きマネーサプライは増加していきます。
これが有効に機能したのは1997年までで、それ以後は機能していないように見てとれます。

そこで信用創造機能が働かない経済構造になってしまっているのなら、別の方法で通貨の発行量を増やして経済を活性化することは必要だと思いますよ。
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