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日産自動車の不正対応にみる本当の問題点

2017年10月11日

日産自動車の不正対応にみる本当の問題点


 本誌がいつも「ルノーに食い尽くされて残骸だけになる」と書いている日産自動車ですが、今回は大掛かりの不正が発覚しています。ただ発覚後の日産自動車の対応はさらに問題があると感じるため、詳しく解説します。

 日産自動車は9月29日までに、無資格者による完成車検査が行われていたことが国土交通省の立ち入り検査で発覚しています。

 日産自動車はその29日、自社HP上で「当社製造の在庫車の登録停止について」なるリリースを掲載していますが、その内容は完成車検査工程に一部不備が判明したものの検査は適正に実施されており、再検査後に順次登録手続きを再開すると強調したものでした。

 またそのリリースでは、一部の検査において当社(日産自動車)の規定によって任命された検査員が実施していなかったものの、現在は(9月29日時点では)問題の工程は規定通りに是正され、通常通り生産および登録が行われているとも強調しています。

 つまり「別に何の問題もありませんよ」というリリースです。

 実際に国土交通省の立ち入り検査は9月18~29日に行われていたはずで、最後の29日になって突然に不正がバレたわけではないはずです。わざわざ衆議院解散の翌日を選んで(マスコミの報道が選挙一色となるから)そっとリリースしたとしか思えません。

 実際には9月29日の夕刻、日産自動車は国土交通省で緊急会見を行っていますが、そこに出席したのは現場の部長クラス2名だけでした。つまりあくまでも現場レベルにおける手続きの不備(不正ではない)なので現場の責任者の対応で十分と考えたのでしょう。

 しかしさすがにこれだけというわけにはいかず、週明けの10月2日に日産自動車は再び自社HP上で「当社製造の在庫車(未登録車)の再点検実施、登録再開ならびに既登録車の対応について」なるリリースを掲載し、未登録車の3万4000台については再検査後に登録開始、さらに既登録車(つまり販売済みで実際に走っている)の約121万台についてはリコールを国土交通省に届け出後、速やかに実施すると発表しました。

 その10月2日にはさすがに西川(さいかわ)CEOが記者会見を行いましたが、やはり検査そのものは適正に行われており、無資格者が検査を行っていた単なる「手続きの問題」であり、「手続きに問題」があったことは謝罪するが、安全については何の問題もないと繰り返しただけでした。

 驚くべきことは、その記者会見には西川CEOだけが出席しており、こういう会見に出席すべきはずの広報、製造、販売の責任者の姿はありませんでした。西川CEOは当然に現場レベルの問題で自らを含むトップは認識していなかったことにしているため、そもそも認識していなかったはずの西川CEOだけの会見では意味がないことになります。

 実際にリコールは10月6日に国土交通省に届けられ、対象は登録後まだ1度も車検が行われていない2014年1月~2017年9月に製造された38車種・116万台となり、日産自動車の負担が250億円にもなります。

 さて長々と書いてきましたが、どこが問題なのでしょう?

 日産自動車は本年4月にカルロス・ゴーン氏がCEO職を離れて会長となり、昨年から共同CEOとなっていた西川氏が単独CEOとなりました。その辺の事情は3月3日付け「カルロス・ゴーンが日産自動車CEOを退任する意味」に書いてありますが、要するにゴーン氏は日産自動車CEOを退任してルノーCEOに専念することになり、今度こそ遠慮なく日産自動車を食い尽くしてルノーCEOとして実績を上げようとするはずです。

 そこでゴーン氏やルノーに最も忠誠心がある西川CEOに、あとを(つまり日産自動車を食い尽くすことを)託したはずです。

 つまり今回の日産自動車の不正も、その後の対応も、西川CEOの記者会見も、すべてこの連続線上で考えていくとわかるような気がします。どこまで行っても日産自動車は日本の会社ではなく、こういう事態となっても日本的な対応ができないことになります。

 検査そのものは適正に行われていたが、特別にリコールまで実施するのだから「ありがたく思え」という態度となります。

 すぐに思い出すのは2015年初めにかけて不祥事が続発し、対応のまずさで自ら問題を大きくしてしまった日本マクドナルドです。

 日産自動車でも同様の問題が続出しそうな「予感」がします。どちらも本社あるいは親会社の顔色ばかり窺うトップがいるからで、日本人の安全など二の次だからです。



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コメント
単純にルノーが日産を名実ともに子会社化するための布石でしょうね。
不正を公にして日産を追い込む…三菱自の時と同じです。

欧州の先進的?なコンプライアンスを強化するためという
大義名分で株を買い増しするのでしょう。
欧州や中国で電気自動車導入を義務付ける話が持ち上がっているので、
今のうちに日産をルノーに取り込んでおきたいのでしょうね。

ホントに日本は(政経ともに)外資にひたすら媚びる売国姿勢を改めてほしい…。

日産が神戸製鋼の鉄で車体フレームを作り、そこにタカタのエアバッグを入れていた場合にはいったいどうすればいいのかね?

日本資本主義は、もはや糞味噌の世界なのか?

「政治は二流、経済」は一流なんて言っていたら、政治も経済も三流の永田町品質になってしまったっじゃないか。
日本的な対応が出来ない??
<日本人の安全など二の次
これは国交省も同じでしょ?今後は天下りポストを増やして、こういう問題はバレないようにして終わり。非常に日本的な対処だと思います。
日産の件で、ふと思い今法務に確認してますが明らかな違法行為だと思うんですけど違いますかね?
確か、新車の車検は新車が完成し、完成検査修了証が発行されると車検証を申請する事が出来たはずです。この場合、即日交付となるので車検証はすぐに発行されると思います。
検査員資格の無い人が、検査を行った車に対して
車両・自賠責・任意保険をかける際の前提が前提であり、当然正規の有資格検査員が検査を行ったものに対して以外保険会社はその保険を受けない規約です。
ここに虚偽が発生した車両が事故を起こした場合に
問題ありなしに関係なく保険会社が異議を申し立てれば違法な契約を結ばされたことになるのではないのでしょうか?
なぜ陳謝なのか理解に苦しみます。
>日産の件で、ふと思い今法務に確認してますが明らかな違法行為だと思うんですけど違いますかね?

東芝、日産、神戸製鋼、タカタ、本来ならばすべて法令違反です。

ところが、東芝と日産は罰せられない。一方、タカタはぶっ潰れた。

神戸製鋼はどうでしょう。微妙なところでしょうか。生き残っても相当な重症でしょう。

財界の力学が、政治、行政、司法の機能に影響を与える。こういった影響力も一種の実力だと語られる。いい加減な話です。

ダメなものはダメ、良いことは良い、という単純な話が通らないようでは、人間も経済も社会も成長しません。

政治力学で事を済ませるやり方は、世界では通用しませんよ。

このいい加減さはカルロス・ゴーンの時代からあったはずです。がっかりました。
日産の車に乗っている人は、アクサなら自動車保険料はこれまでどおりで更新させてもらえるのだろうか。

ゴーン率いるルノーはアクサを買収しないのか。頼むから、そうしてくれ。そして、自動車保険料と自動車の価格を下げてくれ。
判子の貸し借りは官公庁や承認手続きの多い大企業では当たり前みたいです。

だから罰せられません。
罰したら官公庁はほとんど有罪です。
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