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証券取引等監視委員会が東芝を調査?

2017年10月20日

証券取引等監視委員会が東芝を調査?


 証券取引等監視委員会(以下、「監視委員会」)が、東芝の2017年3月期決算の作成過程などを調査するようです。

 東芝といえば2015年春に過去の不正経理が発覚し、それまでの7年間(それ以前は時効)で累計2248億円もの利益を不正に計上していた「重大な経済事件」でありながら、歴代3社長らが辞任したものの刑事事件化は見送られています。

 2015年12月に監視委員会(開示検査課)は東芝に対し73億円余の課徴金納付を勧告し、さらに佐渡賢一委員長(当時)を中心に歴代3社長の刑事責任を追及するものの、なぜかタッグを組む検察庁(東京地検特捜部)が全く動かない「珍しい構図」となっていました。

 その佐渡委員長も2016年12月に退任し、新たに検察庁OBの長谷川充弘氏が後任の委員長となり、監視委員会と検察庁の不協和音も聞こえなくなっていました。つまり本年(2017年)に入ってから、東芝に監視委員会が出てくることは全くありませんでした。

 ところが本日(10月19日)、その監視委員会が東芝を調査しているとの報道が急に出てきました。だいたいこういう報道は監視委員会が各報道機関にリークするもので、どのニュースもほとんど同じで「さっぱり要領を得ない内容」となっています。

 監視委員会が各報道機関にリークするときは、「それなりに本気で取り組む事案」であるはずで、そうでなくても半導体売却を巡り複雑怪奇となっている東芝に、さらに監視委員会まで加わった可能性があります。

 東芝は遅れに遅れていた2017年3月期の決算発表と有価証券報告書の提出を8月10日に行いましたが、PwCあらた監査法人は「限定付き適正意見」しか付さず、さらに3月末に切り離したWH関連を中心に9656億円もの巨額損失となりました。

 それにPwCあらた監査法人が最後まで譲らなかったとされる「巨額損失の一部(あるいはほとんど)は2016年3月期に計上すべきものだった」も含めて、確かに決算発表後すみやかに監視委員会(開示検査課)が調査する条件が揃っています。しかし開示検査課だとすれば、その目的は課徴金納付など行政処分を金融庁に勧告することでしかありません。

 つまり監視委員会でも最初から刑事事件化を目的とする特別調査課の担当でなく、改めて東芝の刑事事件化を狙うわけでもないと感じます。

 しかしそれだとわざわざ各報道機関にリークする必要もないはずで、違和感は残ります。調査開始に合わせて報道機関にリークするケースは、圧倒的に刑事事件化を目的とする特別調査課が担当するケースが多いからです。

 そうでなくても半導体事業売却や2018年3月期における債務超過解消などで大混乱となっている東芝に、新たに監視委員会が(開示検査課でも特別調査課でも)加わったことになります。また東芝の新たな波乱となるかもしれません。

 その半導体事業売却については、東芝は9月末にベインキャピタルが主導する日米韓連合と正式契約しています。そこで東芝自身が3505億円も出資し、突然出てきたHOYAの270億円と合わせて議決権の過半数を保有すると公表されています。

 またベインキャピタルが2120億円(議決権あり)、SKハイニックスが3950億円(10年後でも議決権の15%しか保有できない)、アップルやデルなど米国企業が4155億円(議決権のない優先株)、それに三井住友銀行などが6000億円(融資)と、たしかに総額は2兆円となっていますが、あるはずの裏契約を含めた「本当の売却スキーム」が全く見えてきません。

 しかし本日はせっかく東芝と監視委員会の話題なので、この半導体事業について金融商品取引法に違反している可能性があるところを指摘しておきます。

 東芝は7000億円の帳簿価格である半導体事業を2兆円で売却して利益を捻出し、さらに3505億円を「高値で」再投資することになります。その3505億円は公表が正しいとすれば、議決権の半数近いもの(つまり東芝が主導的立場にある投資家)となるはずです。

 つまり東芝は自社が保有している半導体事業を、自社が再投資する高値で売却しているだけとなります。つまり東芝の半導体事業売却益は、東芝が自ら主導する高値で計算されていることになります。

 つまり東芝は自分で半導体事業売却益を積み上げていることになり、明らかな決算操作(利益の不正計上)となるはずです。せっかく監視委員会が出てきているので、この辺も調査するべきと考えますが、さてどうなるのでしょう?


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コメント
リクエスト
日銀の神戸製鋼の社債買取りについての闇株新聞の見解を知りたいです。よろしくお願いします。これからも闇株新聞応援してます!
証券監視委において有価証券報告書等虚偽記載の課徴金調査を担当するのは
X 開示調査課
○ 開示検査課
です。

また、東芝の原発損失につき調査を行うという証券監視委の方針は、すでに9末から10初に共同や産経が報じていたところです。
通りすがりの猫さま


ご指摘ありがとうございます。

記事を修正させていただきました。


闇株新聞編集部
sprit bomb 様


これは単純に神戸製鋼がまだ格下げになっておらず、日銀の買い入れ基準を満たしたままであり、排除する理由がなかったからと考えます。


闇株新聞編集部
東芝ショック
選挙終わって買い支えが外れたところに
東芝の件ですが証券取引等監視委員会の委員が事務局へ向けて「有報に重要な虚偽記載がある」と報告したことが調査の発端であると考えられます。おそらく報告した委員は浜田さんでしょう、過年度決算を訂正する必要はないとした新日本も調査されているため、東芝は課徴金処分だけでなく刑事処分まで行くと思います。
最初に報道したのは共同通信だと思います。日付は臨時株主総会の一カ月前の9月24日。地方紙は共同通信のニュースを記事にしていましたが、全国紙は全く報道しなかったので、奇妙に思っていました。
http://www.47news.jp/smp/CN2/201709/CN2017092301001657.html
そのあと産経が10月2日に報道していますが、課徴金による幕引きをリードしているように読めます。
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/171002/afr1710020002-s1.html
監視委員会内部で駆け引きがあるんですかね。仮に二度目の課徴金を食らっても上場は維持され、刑事事件化することもないのでしょうか。
単に損失認識の時期について監査法人と東芝で食い違いが出た経緯を調べてるだけです

課徴金勧告も刑事告発もあり得ませんわ

なぜなら課徴金事件としては前回の課徴金納付命令で事実上終わった案件です

また刑事事件としても損失認識の時期の違い程度では立件する価値もないし、故意の立証も困難です
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