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米国REITの落とし穴

2011年07月27日

米国REITの落とし穴

 日本の個人マネーが、REIT(不動産投資信託)を通じて大量に米国の不動産に流れ込んでいるようです。

 7月24日発売の日経ヴェリタスによりますと、日本ではいま、世界中のREITに分散投資するグローバルREIT投資信託が良く売れており、本年1~6月だけで1兆5000億円もの資金が流入して純資産残高総額が5兆円となり、日本株で運用する株式投資信託残高を上回ったそうです。

 この5兆円のグローバルREIT投資信託のうち、3兆5000億円が米国REITに向かっており、これは35兆円と言われる米国REIT残高の約1割にもなります。

 前にも書いたことがあるのですが、日本の投資信託で、ある資産に集中的に投資するもの(この場合は主に米国不動産)が急激に残高を増やすと、しばらくしてその資産が急落することが多いのです。

 過去にも、エマージング市場、米国モーゲージ市場、ジャンク債市場(ハイ・イールド債と言うことが多いようですが)などに集中的に投資する投資信託の残高が突然急増し、ほどなく急落して日本の投資家が多額の損失を被ったことがあります。

 これにはいくつかの理由が考えられるのですが、大体おおもとの市場で、ある資産がだぶつき始めると価格下落のサインなのですが、この際だぶついた資産をうまく投資信託に加工して日本にハメ込みにくるのです。そこへ日本の証券会社とか銀行の商品企画担当者が銀座あたりで接待されて、良く考えずに販売ルートに乗せて大号令をかけるからなのです。

 まあ外人が、日本人だけに特別「有利なもの」大量に持ってきてくれることは絶対なく、そんな「有利なもの」が突然、大量に持ち込まれてきたら、少しくらい「何故だろう?」
と考えてみるべきなのです。

 これはともかくとして、米国REITについてもう少し考えてみます。

 まずリーマンショックの急落後、米国の不動産は横ばいで決して回復していません。指標によっては米国ケース・シラー住宅指数などのように下落しているものもあります。特にこれから銀行の融資姿勢が後ろ向きになることが考えられるため、不動産は典型的な「リスク商品」なのです。

 しかし、不思議なことにS&P米国REIT指数は、リーマンショック後に約3倍になっています。これもいくつかの理由が考えられるのですが、一応実績のある専門家が運用し、不動産投資に必要なテナントの募集やリニューアルや税務申告などの煩わしさが必要なく、しかも小口で投資出来て売却も比較的簡単な有価証券なので、特に現在のような運用難の時機に資金が集まったのだと思われます。

 しかし、その結果米国REITの平均利回りは、米国10年国債並みの3%にまで低下しています。つまり明らかに買われすぎであり、ひとたび不動産の下落が始まれば(始まっているはずなのですが)利回り重視の買いも入らず、REIT市場の急落となるのです。

 つまり不動産市況自体は下落しなくても、明らかに割高なREITは値下がりリスクが非常に大きいのです。そして、日本からこの状態のREITに大量の買いが入っているのです。

 さらに、米国REITは米ドル建てで、日本の投資家からすれば米国不動産と米ドルと言う二重の「リスク資産」を買っていることになるのです。

 因みに、日本のREITには利回りが5~6%のものがごろごろしており、為替リスクもありません。また東証1部上場株式の平均配当利回りでも2%以上あるのです。

 同じように、日本で残高が急増している投資信託を見てみますと、USハイ・イールド。ボンドファンド(明らかにジャンク債投資です)とか、エマージング・ハイ・イールド・ボンドファンド・ブラジルレアルコースなど、聞いただけで恐ろしげな商品があります。(因みに、前者がフィデリティ、後者が日興投信です)

 それから、組み入れている資産と関係なく、通貨を選べる投資信託も目につきます。当然ブラジルレアル等のように高金利通貨を選んで利回りを引き上げているのですが、これ等の高金利国には為替が自由化されていない国が多く、実際はデリバティブを使って金利差だけを得られるようにしているのです。しかし、実際は理屈どおりにいかないはずで、特に売り物が集中した時は反対決済できないことも多いのです。

 また、悲劇が繰り返されそうなのです。

平成23年7月27日

 お詫びと訂正

昨日(7月26日)付け「ユーロの行方。ヨーロッパの歴史 その5」で、スペインの最盛期の王をフェルナンド2世と書いてしまいましたが、フェリペ2世の間違いでした。お詫びして訂正させていただきます。
 
 ついでに付けくわえますと、このフェリペ2世(在位1556年~1598年)は、イギリスのメアリー1世(女王。在位1553年~1558年)と結婚していました。ところがお世辞にも美貌の持ち主とは言えなかったメアリー1世は、フェリペ2世にほとんど相手にされず、子供も出来ませんでした。もし2人の間に子供(男児)が出来ていたら、ヨーロッパの歴史も大きく変わっていたでしょう。

 メアリー1世は、だんだん残酷な性格となりブラディー・メアリー(血ぬられたメアリー)と言われ、カクテルに名前が残っています。

 尚、このメアリー1世は、現在にも続くスチュアート王朝の始祖のメアリー・スチュアートとは全くの別人です。こちらの方は、メアリー1世を継いだエリザベス1世に幽閉の末、処刑されています。

 女は怖いのですが、この辺の話はまた別の機会に。

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