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ソフトバンクが傘下の携帯事業会社を上場させる?(修正・追加あり)

2018年01月16日

ソフトバンクが傘下の携帯事業会社を上場させる?(修正・追加あり)


 昨日(1月15日)にアップした本記事の中で、携帯事業会社の「時価総額」についてやや不正確・説明不足となっていたため、そこを加筆・修正してあります。また本日(1月17日付け)のアップはお休みさせていただきます。

 以下、本文です。

 本日(1月15日)付け日本経済新聞の1面トップで、ソフトバンクグループ(以下「ソフトバンク」)が傘下の携帯事業会社を東京証券取引所第1部に年内にも上場させる方針を固めたと出ています。これは国内の携帯事業会社のことです。

 本誌は最近のソフトバンクについては、批判するより応援することが多かったはずですが、もしこの報道の通りなら「ちょっと」問題があります。

 報道では上場時に携帯事業会社の3割を売り出して2兆円を調達し、戦略投資に充てるとされています。だとすると携帯事業会社の「時価総額」を6.7兆円と見積もっていることになります。

(ここから2パラグラフが加筆・修正した部分です)

 2017年4~9月期の携帯事業会社のセグメント利益は4339億円で、ソフトバンク全体の営業利益が8748億円であるため、約半分を稼ぎ出しています。ここで携帯事業会社の年間純利益を、単純に2017年4~9月期分の2倍にして税金等として3割を控除すると6000億円ほどになります。

 つまり携帯事業会社の「時価総額」は、同事業の年間純利益である6000億円の約11倍となる6.7兆円としていることになり、かなり「控えめな」価格設定のようです。やはり2兆円の売出しともなれば、あまり贅沢は言っていられないのでしょう。

 それではどこが問題なのかといえば、親会社であるソフトバンクと連結子会社である携帯事業会社がともに上場するわけですが、ここで仮に親会社であるソフトバンクが携帯事業会社株式の3割を2兆円で売り出すと、これまで決算で全額取り込んでいたセグメント利益が「ずっと」3割減ることになります。

 またソフトバンクの資産は、その携帯事業会社の営業資産が2兆円減り、株式売却代金として2兆円の「現金」と入れ替わるため、資産総額は変わりません。

 しかし携帯事業こそ規制に守られた高収益事業の典型で、その携帯事業が稼ぎ出す巨額のセグメント利益が、ここまでのソフトバンクの活動を収益面と資金面から支えていたはずです。

 つまり携帯事業会社株式の3割を売り出した瞬間に、親会社であるソフトバンクの連結営業利益から携帯事業のセグメント利益の3割が「ずっと」失われ、規制に守られた高収益事業の営業資産から2兆円が「現金」と入れ替わってしまいます。これは親会社であるソフトバンクの企業価値を間違いなく減少させることになります。

 ソフトバンクから正式発表があったわけではありませんが、本日(1月15日)のソフトバンクの株価は、朝方に先週末比525円高(5.8%高)までありましたが、終値は288円高(3.2%高)の9223円となりました。少なくとも株式市場はポジティブに受け取ったことになります。

 それではその2兆円で、もっと儲かる事業に投資すればいいではないか?となりますが、規制に守られた高収益事業を凌ぐ投資機会など簡単に見つかるはずがありません。

 さらに問題があります。携帯事業会社が上場するときは、当然にその経営は親会社であるソフトバンクから独立していなければなりません。もちろん7割を保有するソフトバンクから経営が独立しているはずがありません。

 というより親会社が65%以上を保有する連結子会社は東証1部に上場できない規定になっているはずです。その辺は東京証券取引所の自主規制法人が「忖度」してくれるとでも考えているのでしょうか? またその連結子会社が海外の市場に上場しているなら、この規定が緩和されるという「聞いたこともない抜け道」も見つけ出したようで、携帯事業会社はロンドン取引所にも上場するようです。

 ソフトバンクは2017年9月末現在で約14兆円の有利子負債を抱え、2017年3月期には年間4600億円もの利息を支払っていました。そこで10兆円ファンドのアイデアが出てきたはずですが、今回の携帯事業の株式上場も「新たな投資資金」を確保するために出てきたはずです。

 しかし「新たな投資資金」を得るために、これまでさんざん儲けさせてもらった携帯事業を「切り売り」することを孫社長が決断したのであれば、ビジネスの優先順位を間違えていると感じます。

 2017年11月28日付け「ネットの中立性とは?」で書いたように、米国では通信インフラ会社とコンテンツ会社とプラットフォーム会社の垣根がさらに低くなっています。

 現時点でソフトバンクグループの中で最も高く売れる会社は通信インフラ会社のスプリントで、売らないならコンテンツ会社のソニー・ピクチャーズを買収すべきと考えます。

 たまには半導体やライドシェア以外の会社も見てみるべきです。


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