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人類史上最大の「バブル予備軍」はどこにある?

2018年01月23日

人類史上最大の「バブル予備軍」はどこにある?


 中国国家統計局は1月18日、2017年通年の国内総生産(GDP)が物価変動を除いた実質で前年比6.9%増えたと発表しています。2017年の成長目標は「6.5%前後」だったため、習近平体制2期目のスタートとなるため「高め」の数字を発表したようです。

 だいたいあれだけ広大な中国でGDPが昨年末からたった18日で集計できるはずがなく、最初に「答え」があってそれに発表数字を合わせているとしか思えません。

 景気の実感に近い名目GDPは前年比11%増の82兆7122億元(1430兆円)と日本の推定値の2.7倍もあり、前年(2016年)からの増加額は8.3兆元(143兆円)と過去最高となっています。

 各項目の伸び率を前年(2016年)と比較してみると、工業生産が6.0%から6.6%、個人消費支出が6.8%から5.4%、固定資産投資(官民合計)が8.1%から7.2%、輸出がマイナス7.7%から(プラス)7.9%、卸売物価がマイナス1.4%から(プラス)6.3%と、それぞれかなり大きく変化しています。

 2017年の中国経済は世界経済の回復により輸出が大きく伸び、その結果として工業生産が増えて卸売物価がプラスとなり、個人消費と固定資産投資が伸び悩んだことになります。

 また大雑把な集計ですが、中国のGDPは個人消費が38%(日本は56%、米国は68%)、固定資産投資(官民合計)が46%(日本は23%、米国は17%)となっており、個人消費より官民の投資に大きく依存しています。

 そして中国経済最大の問題は、官民の固定資産投資の多くが外部負債(つまり借入れ)で賄われているため、総負債残高が際限なく膨らんでいることです。つまり官民の固定資産投資がこれ以上伸び悩むと中国GDPが大きく減速し、かえって不良資産が増えてしまうことになります。

 つまり中国経済は官民とも(とくに官の)固定資産投資を高水準に維持する必要があるわけです。その結果、2017年に中国企業や個人は新たにGDP増加額の2.3倍である19.4兆元(330兆円)も借り入れています。
 
 それに中央政府や地方政府や国営企業(金融を除く)の借り入れも含めると、その総額は2016年ですでにGDPの255%にも膨らんでいます。この255%はもちろん中国当局の発表ではなく、国際決済銀行(BIS)の推計です。この比率が2017年も同じ255%だったとすると、中国の総負債は3600兆円になります。

 この数字には中央政府や地方政府や国営企業による自己調達が含まれているため、金融機関からの借入れだけだと3000兆円ほどになるはずです。

 ここで2017年12月末の中国人民銀行(中央銀行)のバランスシートを見ると、総資産が36兆2931億元(650兆円)のうち22兆1164億元(382兆円)が外貨資産です。つまり中国人民銀行の総資産の61%が外貨資産となります(5年ほど前は70%が外貨資産でした)。

 同時点の中国外貨準備は3兆1400億ドル(348兆円)ですが、中国人民銀行の外貨資産と外貨準備は必ずしも同じものではありません。しかし中国人民銀行の外貨資産はかなり人民元安で換算している(つまり為替含み損を抱えている)はずです。

 中国人民銀行は外貨資産を裏付けに中国内で信用創造して経済成長を遂げてきたことになります。つまり中国経済は半分以上「ドル本位制」なのです。

 一方で中国人民銀行の負債には32兆1870億元(556兆円)の発行紙幣残高と24兆3802億元(421兆円)の金融機関預金残高があります。この金融機関預金とは日銀当座預金のようなものですが、日本のように貸出先がないため日銀に放置している状態とは違い、まだまだ旺盛な資金需要があるため17%の預金準備率を課して強制的に預かっています。

 理論的には金融機関預金残高を0.17で除した金額に発行紙幣残高を加えた3032兆円が、総貸出額となります。

 つまり中国で発表される各数字は、かなり整合性が取れていることになり、そこから出てくる総負債は3600兆円、金融機関からの借入れだけなら3000兆円となります。

 確かに人類史上最大の「バブル予備軍」ではありますが、かといって中国経済がこのまま成長するなら、すぐに弾けることもなさそうです。


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コメント
借金の半分弱もGDPが増加するとは羨ましい限りです。我が国は政府部門だけでGDP増加額の5倍くらい借金してんのに。一体なにやってるんだろう
このまま成長できるんですか?
名無し様

 中国がこのまま成長できるかどうかではなく、今までのペースで官民の固定資産投資を続けて負債を膨らませ続けなければ、すぐに中国経済のGDPが低下して債権の不良資産化が進み、そこで大規模バブルが弾けてしまうことになります。

 もやは後に引けないわけですが、しばらくは何とかなりそうです。

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