闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

580億円もの仮想通貨が流出した事件で改めて感じること

2018年01月30日

580億円もの仮想通貨が流出した事件で改めて感じること


 すでに大きく報道されていますが、大手の仮想通貨取引所であるコインチェックから顧客勘定である仮想通貨のNEM(ネム)が580億円分も流出しました。要するに何者かに盗まれたわけですが、1月26日未明の約5分間の出来事だったようです。

 記者会見が行われた1月26日の深夜にはコインチェックの破綻は間違いないと思われましたが、翌27日の深夜になって流出した580億円のうち463億円を「自己資金」から顧客勘定に返金すると発表したため、再び唖然とさせられました。

 日本では2017年4月に改正資金決済法が施行され、金融庁が仮想通貨取引所あるいは交換所を登録制にしたため、日本政府そのものが仮想通貨全体に「お墨付き」を与えたような印象となりました。直後から日本人投資家の参加が飛躍的に拡大し、仮想通貨全般の価格高騰を支えることになりました。

 日本は仮想通貨に規制を一切加えていない唯一の先進国ですが、金融庁は「どうせ取り引きが拡大するなら、取引所だけでも登録制にして顧客情報を把握した方が得策」と考えたはずです。また国税庁も2017年12月に仮想通貨の売買益を雑所得として「漏れなく課税できる体制」にしており、それら官庁の対応は理解できないわけではありません。

 また2017年4月に1000ドルほどだったビットコイン価格が同年12月に20000ドル手前まで高騰し、その他の仮想通貨も同じように高騰したため、結果的には参加した日本人投資家に大きな売却益・評価益をもたらしたはずです。

 しかし何でも法律を制定してからでなければ動けない日本の官庁は、ICOなど次から次に飛び出す「新手法」には対応できていません。例えばICOとは、集めるものが現金ではなく仮想通貨であるというだけで(もちろんすぐに現金化できます)、本来は犯罪となる未公開株詐欺に近いものでも全く野放し状態となっています。

 本誌はこれまでの経験から、新しい「儲かりそうなもの」が海外から持ち込まれ、爆発的に拡大し、官庁も規制せず誰も注意喚起せず結果的に野放しとなったものは、ほぼ例外なしに日本人が資産を大きく失う結果となる事例を「いやっ」というほど見ています。

 そういう観点で考えると、ビットコインをはじめとする仮想通貨もそれに該当しているように思われ、本誌が常に仮想通貨に対して否定的である根本的理由となっています。

 日本以外のほとんどの国は仮想通貨取引に何らかの規制を加えて決して野放し状態にしていません。また海外では仮想通貨に肯定的な金融界の重鎮はおらず、常に仮想通貨の行き過ぎにブレーキを掛ける役割を果たしています。

 しかし日本では、過去の事例でも似たようなものですが、業界全体に評論家やマスコミまでが揃って仮想通貨を煽り立てています。つまり誰もブレーキを掛けていません。

 そんな中で起こった今回の580億円の流出は、まさに日本人の資産を狙い撃つ最初の事例となったような気がします。またその流出分を(全額ではないものの)コインチェックが返金しても、失われるものが日本人の資産から日本の仮想通貨取引所の資産に置き換わっただけで、同じこととなります。

 ところでコインチェックは、ビットフライヤーと並ぶ大手の仮想通貨取引所ですが、改正資金決済法に基づき昨年(2017年)10月から仮想通貨取引所が順次金融庁に登録されているにもかかわらず、まだ登録されていませんでした。

 コインチェックは、今回まさにそこを突かれた顧客勘定の仮想通貨を安全に保管するシステムが不十分で、それに加えて犯罪性資金の決済にも使われている可能性があるモネロ、ジーキャッシュ、ダッシュなど「匿名通貨」の取り扱いも多く、あわせて金融庁への登録が遅れる理由になっていたようです。

 しかしこの状態で580億円の顧客勘定の仮想通貨が流出したため、これらの問題点を把握していた金融庁の責任問題も出てくる恐れもあり、その責任回避が最優先となります。

 そういう時の官庁(ここでは金融庁)の動きは異常に素早いもので、事件を公表した1月26日深夜からわずか24時間後にコインチェックに自己資金での返済を公表させ、休日明けの本日(1月29日)には業務改善命令をだし、2月13日までに(これも異常に早い)改善報告書の提出を求めています。
 
 こうなるとコインチェックは最後まで登録されず、最終的には廃業に追い込まれる可能性もあります。最後まで登録されなければ金融庁の監督責任もなく、責任を問われることもないからです。

 しかしこういう対応を見た世界の犯罪集団は、改めて日本の仮想通貨取引所を狙うかもしれません。またこういう犯罪集団の技術革新は素晴らしく、近い将来には「想像もできなかった方法」でまた日本人の資産である仮想通貨が狙われることもあるかも知れません。

 そんな風に考えてしまう580億円の仮想通貨流出事件でした。


「お断り」

 本日(1月29日)配信のメルマガ「闇株新聞 プレミアム」でも取り上げた話題ですが、主張するポイントはかなり変えてあります。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:11 | TrackBack:0
関連記事
コメント
パチンコ
パチンコといい仮想通貨といい、日本人はなんて馬鹿なんだ。

と金が大笑いしてるな。
某コメであったように自作自演も考慮すべきかも…。
含み益の有る仮想通貨を盗まれたことにして、原価のみを補填して差額を運営会社(関係者)が懐へ入れる…。
普通に考えれば新興の後ろ楯の無い取引所が460億も補填出来るとは思えないが、
差額詐取で100億以上を懐にねじ込めるとすれば納得。

技術革新は必要なので、ブロックチェーン技術は頑張って欲しいですけど、取引所による技術革新が進むとは思えないです。IT情報弱者のお金が、最後はあらゆる形で奪われると思いました。昨年からのCMを流した広告会社も一緒に補填するべきです。数十億円以上広告費用かけてると思います。
いやっ、というほど見てきた例を解説とともに記載してほしいです
463億円は顧客に返済されない
 金融庁にに自己資金での返済を公表させられたものの、登録されずに廃業させられたら463億円は顧客に返済されないだろう。それは他の仮想通貨取引所の信用にも波及し、仮想通貨暴落の引き金になる可能性が大きいな。
登録制にしたからといって仮想通貨取引に「お墨付き」
与えたことにはならないし、ましてこの会社は登録すらされていない。
仮想通貨取引自体、投機目的だしその金が最終的に国外に出ていこうとどうでも良い事だ。
日本株にしても取引の7割が外人が占め、先物やオプションを絡め、彼らの思惑通りに市場を支配している。

登録制にしたのは、マネーロンダリング防止と、ここがミソだが税金をしっかり取る為だ。
その意味では規制をかけていないはあたらない。

自己資金で返済するとは驚いたが、そんな原資がどこにあるのか?
時間稼ぎに過ぎないのではないか?
倒産してしまえば返済義務などないし、結局、そうなるだろう。

コインチェックに資産を盗まれました
コインチェックに預けた資産は引き出せなくなりました。
https://mobile.twitter.com/coincheckjp/
盗まれたのはネムですが利用者の日本円も他の仮想通貨も引き出せません。利用者はコインチェックに資産を盗まれたのです。
2213ごろから盗まれたnemが、動きだしたそうです。13回の送金記録があるそうです。
盗難Nemの移動再開がはじまり、
コインチェックの出金再開の見通しプレス!

奥が深すぎる、、、、、
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20180130-00081027/
山本一郎さんの記事読むとまだまだ裏があり
波乱がありそうですよ
「しかしこの状態で580億円の顧客勘定の仮想通貨が流出したため、これらの問題点を把握していた金融庁の責任問題も出てくる恐れもあり、その責任回避が最優先となります。」

「こうなるとコインチェックは最後まで登録されず、最終的には廃業に追い込まれる可能性もあります。最後まで登録されなければ金融庁の監督責任もなく、責任を問われることもないからです。」

=>

その読みは正しい。そして、元々ビジネス倫理観が狂っているコインチェックが、逃げの金融庁に対し、自分達は認可登録を受けていないのだから金融庁がコインチェックに打開策を指図する権限はないと主張し、あくまでも悪いのはハッカーであると、自分達も被害者である、と堂々と主張し、居直った時に、金融庁もコインチェックも安堵し、事件は幕引きとなるのである。(もちろん、こんなことは道義上許されるべきではない。)

コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

01月 | 2018年02月 | 03月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 - - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム