闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

たまには日本の経常収支をじっくりと眺めてみよう

2018年02月09日

たまには日本の経常収支をじっくりと眺めてみよう


 財務省は本日(2月8日)、2017年12月と2017年通年の日本の経常収支を発表しました。そこで「せっかくの機会なので」2017年通年の経常収支をじっくりと眺めてみることにします。

 まず2017年通年の経常収支は21兆8742億円の黒字となり、この黒字は2007年通年の24兆9490億円に次ぐ黒字額となります。

 日本経済は東日本大震災に見舞われた2011年以降に貿易収支が赤字転落し(2016年通年にやっと黒字回復)、2014年通年の経常収支はわずか3兆9215億円の黒字まで減ってしまいました。当時は日本の経常収支が赤字になるのではと心配されていました。

 さてその発表されたばかりの2017年通年の経常収支は、貿易収支が4兆9308億円の黒字(内訳は輸出が77兆1955億円、輸入が72兆2647億円)、サービス収支が7061億円の赤字となっており、合計した貿易・サービス収支は4兆2246億円の黒字となりました。

 ちなみに久々の貿易黒字(5兆5251億円)となった2016年通年は、輸出が68兆9797億円、輸入が63兆4546億円だったため、2017年は世界経済の回復による輸出増と、日本経済の回復による輸入増というより原油など資源価格の上昇と為替が(2016年に比較して)円安だったため、輸出額・輸入額がともに増加しているようです。

 また2017年のサービス収支は7061億円の赤字となり、比較可能な1996年以降で最小の赤字額となりました。とくに旅行収支が1兆7626億円と過去最大の黒字となったことが影響しています。

 2017年通年の経常収支に戻りますが、第一次所得収支(以前は長期資本収支と呼んでいました)が19兆7397億円と2015年通年に次ぐ黒字となり、第二次所得収支(以前は移転収支と呼んでいました)は2兆902億円の赤字となっています。

 ここまでが経常収支の構成項目となります。簡単に言うと日本の経常収支は、海外からの受け取り収益である第一次所得収支が巨額黒字で、貿易収支は海外景気や原油など資源価格や円相場により変動するものの黒字が定着し、最近は旅行収支も黒字定着してサービス収支の赤字が大幅に減少していることになります。

 2017年の経常収支は、ドイツが2533億ユーロ(2017年の年平均に近い1ユーロ=1.16ドルで換算すると2938億ドル)と突出していますが、日本の21兆8742億円も同じく1ドル=112円で換算すると1953億ドルとなり、中国の1720億ドルの黒字を上回ります。

 やはり中国経済の高度成長を牽引していた経常収支の黒字が、日本を下回っているとなると気になります。ちなみに2017年の米国は4600億ドル、英国は900億ドルほどの経常収支赤字だったはずです。

 さて日本に話を戻しますが、経常収支と一緒に金融収支も見ておく必要があります。つまり日本が稼いだ外貨がどのように使われているかも大変に重要だからです。

 まず直接投資ですが、日本企業による対外直接投資が18兆4905億円の取得超過、海外企業による対内直接投資が2兆615億円の取得超過であるため、差し引きすると16兆4290億円の資金流出となります。

 証券投資では、本邦投資家の海外証券投資は海外株式・海外ファンド持分が11兆1784億円の取得超過、対外中長期債投資が7978億円の処分超過となっており、これに対して海外投資家の対内株式・投資ファンド持分が1兆8684億円の取得超過、対内中長期債投資が10兆8860億円の大幅取得超過となっています。

 これに短期債投資や金融派生商品投資やその他投資(後述)などを加えると17兆1077億円の資金流出となります。一応は稼いだ外貨(経常収支の黒字)の範囲内に収まっていますが、海外投資家の対内中長期債投資が大変に大きいことは注目しておく必要があります。

 ところで2016年通年では、経常収支が20兆3421億円の黒字でしたが、金融収支はこれをはるかに上回る28兆6985億円もの資金流出となっていました。別に経常収支の黒字の範囲内に資金流出が収まっている必要はありませんが、その差額だけ日本では外貨(ドル)が不足することになります。

 金融収支の中にある「その他投資」は2017年が6509億円の流出でしたが、2016年には13兆9166億円の流入超過となっていました。この「その他投資」とはほぼ邦銀による外貨借入と考えられ、2016年には14兆円近くも「不足する外貨」を借り入れていたことになります。

 この意味もよく考える必要がありますが、本日は数字がたくさん出てきたので、この辺にしておきます。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:1 | TrackBack:0
関連記事
コメント
>これに対して海外投資家の対内株式・投資ファンド持分が1兆8684億円の取得超過、
>対内中長期債投資が10兆8860億円の大幅取得超過となっています。
中長期債投資が〜の所は海外が日本国債を買い進めてるっていうやつですよね。
こんな高値で買い込んで外人は何を狙ってるんですかね?
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2018年08月 | 09月
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム