闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

もう少し円高でもいいのではないか? その2

2018年03月02日

もう少し円高でもいいのではないか? その2


 2月28日付け「同題記事」の続きですが、日経平均はさらに28日に321円安、本日も347円安と続落し終値が21724円となり、直近安値となった2月14日の21154円に再び接近してしまいました。

 日経平均は1月23日に24124円と、26年ぶりの高値となったばかりでしたが、2月2日から米国株が長期金利の急上昇により急落しており、本日の21724円まで2400円(9.9%)も下落しています。

 当の米国株は1月26日の史上最高値となった26616ドルから、昨日(2月28日)の25029ドルまで1587ドル(5.96%)の下落でしかありません。米国株下落の最大の要因となった米国長期金利(10年国債利回り)は昨日も2.86%と(2月21日の2.95%が2014年以来の高利回り)、依然として米国経済にとって「好ましくない(高すぎる?)金利水準」であるとされながら、米国株そのものは2月8日の安値となった23860ドルから「回復」の兆しを見せています。

 つまり、日本株は「米国の長期金利上昇という米国株にとっての悪材料」に反応して米国株よりも下落し、肝心の本日の日本長期金利(10年国債利回り)は0.05%と、上昇の兆しすら見えていません。

 ここで一般的に日本株に大きな影響を与える円相場は、まさに最近のような米国長期金利の上昇により円安・ドル高となるはずで、日本株にとってプラス材料となるはずですが、昨年11月以降は米国長期金利の上昇にもかかわらず円高・ドル安が続いています。

 本年初めに1ドル=112円台だった円相場は、米国株の下落とともに(つまり米国長期金利の上昇とともに)円高となり、2月15日には一時1ドル=105.55円と昨年の最円高(2017年9月8日の1ドル=107.28円)をあっさり更新し、トランプ大統領が当選した直後である2016年11月8日の1ドル=101.18円以来の円高となっています。

 トランプ政権誕生以来の最円安は、トランプの経済政策が過剰期待されていた2016年12月中旬の1ドル=118.66円となります。つまりトランプ政権の経済政策とは、政権発足直後の掛け声だけだった「米国第一主義」ではなく、実際に昨年(2017年)の終わりに成立した「財源が確保できていない大型減税」や、本来は政権が国民の税金を無駄遣いしないように見張る役目である与野党の議会指導者までが協力して強行した3000億ドルもの歳出拡大案などにより、安直な財政赤字拡大を警戒した「悪い金利上昇」と「悪いドル安」が実現していると考えます。

 それに加えて経済オンチのトランプ大統領は、各国との通商交渉が進展しないのなら(普通は簡単に進展しません)、安直にドル安政策を持ち出すと思われます。以前も書いたことがありますが、ドルが基軸通貨としての特権を維持するためには、少なくとも表面的には「強いドル」を標榜していなければなりません。

 つまりここからの円相場は(ほかの為替相場も同じはずですが)、かなりの長期にわたって「悪い金利上昇」と「悪いドル安」が続くと考えておく必要があります。つまり「放っておいても下落するドル」に対して、金融緩和・量的緩和を強化することにより円安を維持しようと考えるなら(たぶんそのはずです)、少なくともそれは円安のメリットが国内に残らず、国内の物価上昇につながり消費を減退させて日本経済を「大不況」に追い込こむ「悪い円安」となってしまうだけです。

 そもそも金融緩和・量的緩和を強化している国の通貨が下落することが「常識」となったのはリーマンショック以降ですが、より正確には世界の金融政策がまだ緩和的ではなかった2001~2006年に日銀だけが量的緩和に踏み切り、当座預金残高を35兆円(現在は364兆円もありますが)まで拡大させていました。

 当時の緩和マネーが日銀からだけ供給されていたため、海外投資家が低利の円を借り出して売却し、その資金で高利回りが得られるドル資産に向かったため、中央銀行が金融緩和・量的緩和を強化=その国の通貨安という「常識」ができあがっただけです。

 それまでは経常収支とか物価水準とか長期金利水準など、いわゆる経済のファンダメンタルズが良好な国の通貨が強いというのが「常識」だったはずで、そのために円高やマルク高(ユーロ誕生以前のことですが)が進んでいました。

 つまり世界の為替市場がその頃の「ファンダメンタルズが良好な国の通貨が強い」に戻っているとするなら、ここから最も強くなる通貨は円となるはずです。

 つまりどうせ円高となるなら、無理に弊害の多い金融緩和・量的緩和を強化してまで「悪い円安」とするより、堂々と円高を世界に標榜してその効果を享受する方向に切り替えた方が国益にかなうはずです。

 世界の投資資金はリーマンショック以前より格段に大きくなっており、その世界の投資資金が日本に向かうなら、それなりの国力拡大ともなるはずです。

 その具体的な効果については、もちろん悪材料も含めて来週月曜日(3月5日)配信のメルマガ「闇株新聞 プレミアム」で解説するつもりです。


ダイヤモンド版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから
インフォカート版「闇株新聞プレミアム」のお申し込みはこちらから

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:10 | TrackBack:0
関連記事
コメント
>つまり世界の為替市場がその頃の「ファンダメンタルズが良好な国の通貨が強い」に戻っているとするなら、ここから最も強くなる通貨は円となるはずです。

この円高の根拠づけには全く同意できません。
ギャンブル立法を可決した狂気の現代日本。
美しい日本の国づくり?
ギャンブル立法で日本がどのように美しくなるのですか?

勤労精神が希薄化し、知能劣化が着々と進行していく日本のファンダメンタルズが弱いからこそ、円買い投機のギャンブルが始まるのだ。日銀が円をばら撒くなら、どんどん円高で窒息させてやろうじゃないかとユダヤ達はほくそ笑んでいるんだよ。

黒田氏と逆のことをやれば儲かるという公式があるから円高になる。

黒田氏が円高を歓迎すれば円安になる。

黒田氏は会見でコロコロ意見を変えないと、政策目標を実現できません。
>世界の投資資金はリーマンショック以前より格段に大きくなっており、その世界の投資資金が日本に向かうなら、それなりの国力拡大ともなるはずです。

世界中で中央銀行の負債が増えたから流動性が高まっているようにみえるだけで、中央銀行の資産性の根拠が財政破綻リスクが無いとは言えないような国債であれば、投資資金が増大したとは言えません。

一歩譲って、投資資金が増大していると仮定できるとしても、その資金が日本に来るわけではありません。

米国のテクノロジー・セクターと中国の一帯一路の開発関連に向かうはずです。日本にはそのようなアピーリングな投資材料がありません。

日本に投資材料が無くても、いったん円高は起きます。それは、あまりに米ドルやその他の通貨に資金が偏っていたので、いったん利食いが起きるためです。

基本的な流れは利食いでは止まらず、日本の当局の意図とは無関係に、1米ドル=360円に回帰していきます。円周率は360度、そして通貨の名称が円であるということは、そのように設計されいるということです。


日本銀行が本当は時価会計では債務超過であり、中央銀行だから運よく支払い不能にならないだけだということを市場関係者が理解すれば、円高になるはずがない。
日銀は、円札をどんどん刷って、ゴールドマン・サックスやJPモルガンの株式を買い漁れば、何とか存続できる。
円高のとき日本国債を海外投資家に売りつけて、為替差損巻き上げてやれって昔闇株さん書いてましたっけ
円安に戻すときの阿鼻叫喚を政府・日銀で押さえ込めるかどうかが課題ですが・・・
一番上の名無し様へ

 やや説明不足だったのですが、ここでいう「ファンダメンタルズが良好」という意味は、文中に書いた経常収支が大幅黒字で、物価水準とか国内金利水準が低い国の通貨を指しており(それが円だと思いますが)、経済規模がどんどん大きくなり国民の収入が増え生活が豊かな国の通貨とは言っていません。

 つまり日本はここから「放っておいても」円高になると思いますが、その根拠は経常収支が大幅黒字で(つまり日本人が外国から好きなだけモノを買っていない結果)、国民所得が増えず(所得も上昇するはずがなく)したがってインフレ率も金利水準も低い国である日本の「円」が最も上昇するはずだという意味です。


 つまり「だれも豊かにならない」円高が進むという意味で、だったら円高が国益につながる方法を今から考えておくべきと言いたくなるわけです。

 闇株新聞編集部
しつこいのですが
バブルはこの後くるのでしょうか?
円バブルが来そうですね。
10年前と同じ、世界中で通貨安競争が始まって日本だけ何もしなくて円高。
もう少し円高でもいいのではないか?には賛成ですね
「だれも豊かにならない」円高といっても、アベノミクス円安でたっぷり利益を溜め込んだ企業部門から家計部門への所得移転を促してくれればそう悪いものじゃないのでは?
円高が行き過ぎるようであれば、むしろ為替差益狙いの対外投資に妙味も出てきます。日本の経常収支は第一次所得収支の黒字が主な要因なのだから、対外投資が拡大してくれないと経常赤字国に転落しかねない訳で
まあ、お金たくさん持ってる人は上手くやってねー
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

06月 | 2018年07月 | 08月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム