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米国債務上限引き上げ大枠で合意 しかし

2011年08月02日

米国債務上限引き上げ大枠で合意 しかし

 やはり、この話題を外すわけにはいかないのでまとめます。

 米国時間の7月31日夜(日本時間8月1日午前)、米国議会の与野党指導者が米国連邦政府の債務上限を2.1兆ドル引き上げるとともに、その条件として向こう10年間で2.5兆ドルの財政赤字を削減することに合意しました。

 7月31日付け「大詰めの米国債務上限引き上げ」で、先週末に野党共和党が多数を占める下院案が可決された後、上院が審議せずに否決したのですが、米国議会制度に基づくその後の予想プロセスを考えると、デッドラインの8月2日までには合意できる、と書きました。

 その後の状況は、上院は独自案を審議せず、両院協議会も開かず、上下院の与野党の議会指導者間で調整案を出したようです。次はこの調整案(これが2段階に分けて2.5兆ドルの財政赤字削減と2.1兆ドルの上限引き上げ)を上院と下院でそれぞれ承認決議しなければなりません。

 直感的に思うのですが、この調整案はかなり民主党寄りです。財政赤字削減を2回に分けて行うとしながら、連邦債務上限は1回で2.1兆ドル引き上げてしまい、次の大統領選挙まで引き上げる必要が無いからです。

 そうでなくとも、一枚岩でない下院の共和党内で不満が出るはずで、下院が調整案を否決する可能性が全くないとは言えなくなってきました。

 その説明には、調整案を協議した議会指導者の顔ぶれの説明が要ります。
 まず、与党(大統領を出している)民主党は、上院では多数を占めます。従って上院は民主党が圧倒的に強く、副議長(バイデン副大統領)・リード院内総務もベテランでミスをしません。上院共和党のマコネル院内総務は全くの無力です(能力が無いという意味ではなく、立場的に弱いのです)。

 一方、下院は野党共和党が多数を占め、従ってベイナー下院議長は共和党です(余談ですが下院議長はバイデン副大統領の次の大統領継承資格者です)。ところが下院共和党は多数の保守層(Tea Party)を抱え、ベイナー氏の指導力が今一つなのに比べ、民主党のナンシー・ペロシ院内総務が大変な実力者なのです。

 つまり、これら議会指導者の顔ぶれを良く見ると、調整案が民主党寄りの理由が分かるような気がします。逆にこの調整案でベイナー議長が下院、というより下院共和党をまとめ切れるかが心配なのです。

 まあ、万一下院が調整案を否決したら、再度調整して上下院で可決すればよいため、何とかなるとは思います。

 いずれにしても、本日(8月1日)のアジア市場の寄りつきを意識して調整したようで、心配したようなドル売り、株式下落はありませんでした。
 従って、昨日(8月1日)付け「本日早朝の為替市場で断固介入すべき理由」で書いたこともとりあえず杞憂に終わりました。(あくまでも、とりあえずです)

 ところが、ドルはすでに反落を始めています。

 原稿執筆時の8月1日午後11時現在、ドル円は76.70円と先週末の水準を下回ってきました。対スイスフランも1ドル=0.775ドルと、これも先週末の水準を大きく下回っています。

 米国株式は、とりあえず上昇して始まりましたが、早くもマイナスになっています。 
一方、米国10年国債利回りは2.80%と、先週末から変わっていません。

 つまり米国債務上限引き上げは、本来であれば問題にすらならなかったイベントで、そちらに気を取られているうちに、米国経済が落ち込み始めているのです。

 債務上限引き上げは、突き詰めて言えば議員が賛成すればよいのですが、低迷し始めた米国経済は、簡単には解決できない問題なのです。

平成23年8月2日
 

 

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