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米国債務法案成立へ 日本はどうすべき?

2011年08月03日

米国債務法案成立へ 日本はどうすべき?

 米国債務上限引き上げ法案は、米国時間の8月1日夜に、両院の調整案を下院で可決しました。これで唯一残っていた難問がクリアーされ、あとは上院の承認と大統領の署名を待つだけです。上院はもともと民主党が多数を占めているため、時間的にも8月2日のデッドラインに間に合います。

 これで米国債務上限は引き上げられ、国債が発行出来、政府機能が止まることも米国債の利払いや償還が出来なくてデフォルトになることもありません。

 米国の債務上限引き上げは2000年以降だけでも11回目で、言ってみれば年中行事のはずだったのですが、なぜこのように大問題となったのでしょうか?

 それは、米国も日本と同じ、経済の低迷・財政支出の増加・国債発行額の増加・期待収益の低下・リスク許容量の低下・国債への投資集中・国債利回りの低下・経済の一層の低迷、というサイクルに入ったことを暗示しています。

 だから、仮に米国国債が格下げになっても、国債利回りは低下を続けるのです。

 ユーロ圏も、一部の財政赤字国問題がクローズアップされていますが、基本的には同じサイクルに入っていると言えます。

 そこで、この低迷サイクルの大先輩の日本としては、ここからどうすべきなのでしょう?

 考えられる方法は、「為替介入」と「追加量的緩和」しかありません。

 まず、「為替介入」ですが、現在の円買いを「中央銀行を含む世界中の投資家の、ドルやユーロの保有比率引き下げの受け皿としての円買い」と、単に目先の利益だけを狙った「投機の円買い」に分けて考える必要があります。

 前者が「実需の円買い」、後者が「投機の円買い」です。

 このうち「投機の円買い」は徹底的に介入で封じ込める必要があります。
8月1日付け「本日早朝の為替市場で断固介入すべき理由」で書いた介入は、この「投機の円買い」を封じ込めるためのもので、利益が出れば利食ってしまえばよいのです。
 従って、介入の事実も発表しない方が、効果があるはずです。

 一方、「実需の円買い」は大事にしなければなりません。
 なぜなら、中央銀行を含む世界中の投資家が、ドルやユーロから資産を移してくれるので、これを大事にして「円」をドル・ユーロに次ぐ「基軸通貨」にして、円を保有したい投資家に「円建て国債」を大量に発行して、復興や景気刺激の財源に出来るからです。

 それ以外にも「基軸通貨」のメリットは数多くあります。戦後のブレトンウッズ体制から、つい最近まで唯一の基軸通貨国であった米国の享受してきたメリットを考えてみてください。

 そのためにも、日本の当局者が率先して「円は高すぎるから、どんどん売って安くする」なんて言ったらだめなのです。「基軸通貨」への道を自ら放棄しているのです。
 上場企業の社長が「うちの会社の株は高すぎるから、おれの持ち株もどんどん売るぞ」なんて言ったら、誰も買わなくなるでしょう?

 財務大臣も、官僚の言うとおりにしゃべるのではなく、たまには国家的見地から発言して欲しいものです。

 もうひとつの「量的緩和」ですが、今週に日銀政策決定会合があります。多分なんらかの追加量的緩和が決定されると思います。

 まあ、現在10兆円の日銀の資産購入(うち1兆円がETFとREITの購入)を5兆円くらい増やす程度だと思います。しかしこれは、比較的少ない予算でETFやREIT市場に直接介入することで価格効果を上げてしまおうとする、中央銀行としては本来「禁じ手」なのです。

 それより、正攻法で市中からの国債買い入れを大幅増額すべきです。日銀には国債保有を日銀券発行残高以内にするというルールがあるのですが、現在の毎月1兆8000億円の買い入れ額を、毎月1兆円くらい増額しても当面は大丈夫のはずです。

 国債をいくら市中から買い入れても、買い入れに応じた銀行が貸し出しを増やすはずがないことはよくわかっています。しかし、本来の中央銀行の権限内で奇をてらわず、しかし「思い切った」緩和策を見せることは、それなりの意義と効果があるものなのです。

 ここ一週間以上、かたい内容ばかりでしたが、明日からはもっとバラエティーに富んだ話題にしようと思っています。

平成23年8月3日

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