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FRBの利上げペースは速すぎないか?

2018年03月23日

FRBの利上げペースは速すぎないか?


 トランプ政権とケンブリッジ・アナリティカとフェイスブックの行方も大変に気になります。フェイスブックのザッカーバーグCEOも昨日(3月21日)になってようやく「過ちを認めた」ようですが明らかに「初動」を間違っており、このままで済むとは思えません。

 日々混乱が持ち上がるトランプ政権において、定員が7名あるFRB理事のうち4名も空席であるFRBが(グッドフレンド理事は指名されているものの、まだ上院で承認されていないため空席に入れてあります)、最もサプライズが少なく安心して見ていられるように思えます。

 そのFRBが3月21日にパウエル体制となって初めてのFOMCを開催し、投票権のある8名のメンバー(FRBの3名の理事とNYを含む5つの連銀総裁)が全員一致で0.25%の利上げを決めました。

 これで政策金利であるFF翌日物誘導金利が1.50~1.75%となります。それでもリーマンショック前の2007年8月までは上限が5.25%もあったため、まだ当時に比べれば低金利であるように思えます。

 ちなみにこの2007年8月といえば、欧州で世界最初のモーゲージ危機が持ち上がった時期で(BNPパリバ証券が傘下のモーゲージファンドの解約を凍結)、FRBは即座に利下げに踏み切りリーマンショックのあった2008年9月には上限を2.0%にまで引き下げていました。この「早すぎた利下げ」が世界金融危機をさらに膨らませたことになり、必ずしも迅速で正しい金融政策の変更が最善の結果をもたらすとは限りません。

 さらにFOMC後に最初の記者会見に臨んだパウエル議長は、景気見通しを緩やかに上方修正し2018年10~12月の経済成長を2.7%、2019年通年を2.4%に引き上げましたが、利上げペースは従来の年3回を維持しました。また2018年10~12月の消費者物価上昇率も1.9%と、長期目標の年2.0%に届かないと予想しています。

 つまりパウエル議長の最初の記者会見は「思ったほどタカ派的ではなかった」ことになり、米国10年国債利回りは2.83%と、前日の2.88%から下落しています。2月には大型減税、歳出上限引き上げ、時間当たり賃金の上昇などが重なり10年国債利回りが2.95%まで上昇し、米国株もかなり下落していましたが早くも「気にしなくなっている」ようです。

 当日のNYダウは前日比44ドル安の24682ドルとなり、史上最高値となった1月26日の26616ドルからの「スピード調整」が進んでいるようです。

 またパウエル議長が「思ったほどタカ派的ではなかった」ため、本日の東京市場では夜間に入って1ドル=105.26円まで円高となっています。

 まさにトランプ政権の中で「最もサプライズが少ないFRB(FOMC)」となったわけですが、仮に本年は年3回(つまりあと2回)の利上げがあるなら、本年(2018年)末の政策金利は2.0~2.25%となります。さらにFRBの今回の予想では経済成長率は2.7%、消費者物価上昇率は1.9%となっています。

 これくらいならまだ問題がなさそうですが、仮に2019年も予想通り年3回の利上げとなれば年末には政策金利が2.75~3.0%となり、2019年の経済成長率予想の2.4%を上回ってしまいます。また2019年通年の消費者物価上昇率の予想がありませんが、仮に2018年と同じ1.9%だとすれば、これも物価上昇率より政策金利の方が高くなってしまいます。

 トランプ政権が財政赤字拡大、保護貿易、ドル安政策を続けて「悪い金利上昇」となり、利上げ回数を増やして対応しなければならない可能性は確かにあります。

 さらに市場では2018年、2019年の利上げ回数が年3回からさらに増加し、利上げペースがさらに加速する可能性もあります。これは前述の「悪い金利上昇」を想定しているわけではなく、あくまでも米国経済の一層の加速を予想している結果です。

 つまりFRBの金融政策は、どう考えても「必要以上の利上げ」を想定しているように思えます。トランプ政権による財政赤字拡大やドル安政策による「悪い物価上昇」や「悪い金利上昇」も懸念しなければなりませんが、その前に米国経済の利上げペースが速すぎて「失速」してしまうと、もっと困ったことになってしまいます。

 現在の米国経済は(世界経済はすべて同じですが)リーマンショック前の2007年当時から潜在成長率が大きく落ち込んでおり、その当時の政策金利や長期金利が5%台だったことと比較することは、全く意味がないと考えておくべきです。


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コメント
いよいよ約10年ぶりの金融危機の始まりでしょうか。

スルガ銀行のカボチャの馬車問題の記事お願いします。土下座
来週日経平均2万割れるか
どうなんでしょ
パウエル議長は、トランプ政権を一期どまりにするための刺客なのでしょう。
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