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経済制裁の「破壊力」を再認識した?トランプ大統領

2018年05月10日

経済制裁の「破壊力」を再認識した?トランプ大統領


 わざわざ言うまでもないことですが、ドルは米国の通貨であると同時に基軸通貨として世界中の経済行為の資金決済や、運用や調達に使われています。

 そこで国際社会において米国に「好ましからざる国々」に対して、しばしば発動される経済制裁には必ずこの「ドル決済の停止」と「米国にある資産(すなわちドル)の凍結」が含まれています。

 簡単に言うと経済制裁の対象は(企業でも個人でも)ドルが使えなくなり、その「破壊力」は以前に比べてはるかに大きくなっているはずです。つまりドルで決済されている商品(例えば原油)は、輸出も輸入もできなくなってしまいます。

 最近になって急に「朝鮮半島の非核化」や「核実験やミサイル発射実験は行わない」と言い出し、国際社会においても「愛想」がよくなった金正恩も、その背景には度重なる経済制裁の強化で、金一族の外貨(その大半がドル)決済も当然のように止められ資金繰りが窮屈になってきたことがあるはずです。

 ドルというものは、世界中のどこで決済されても国際銀行間通信協会(SWIFT)を通じて移動状況が米国政府に筒抜けになっています。つまりいくら複雑な取り引きを繰り返したとしても、最終的に経済制裁の対象国がドルを決済に使うことはできません。またその取り引きを受けた銀行も経済制裁の対象となってしまいます。

 移動がすべて記録されるのは仮想通貨だけではありません。

 4月上旬には米国が、ほとんど初めて本格的にロシアに経済制裁を課し、とくにプーチンに近いとされる企業や個人が狙い撃ちされました。

 その中にプーチンの大スポンサーといわれるオレグ・デリパスカ率いる、世界的なアルミ企業のルサールも含まれています。

 昨年末の株式時価総額が180億ドル(約2兆円)あったルサールは、米国での売上高が全体の14%にすぎず、米国の銀行と取り引きしているわけでもなく、株式も香港とモスクワでしか上場していないにもかかわらず、海外企業への支払いなどのドル債務が決済できなくなり資金繰りが急にひっ迫し、株価が半分以下になってしまいました。

 さらに世界のアルミの約1割を生産するルサールが経営危機状態となり、当然にアルミ価格が高騰したため、米国財務省はルサールへの経済制裁を一部猶予すると発表しました。しかしトランプ政権は北朝鮮に続いてロシアに対しても経済制裁(その中でもとくにドル決済の停止)の「破壊力」が想像以上に大きいと再認識したはずです。

 また5月3~4日に北京で行われた米中通商交渉においても、大手IT企業の中国ZTEに対する経済制裁の早期解除が、さっそく中国側から持ちだされていました。

 そこで現地時間5月8日、米国がイラン核合意からの離脱を発表しました。米国の離脱自体は既に予想されていたため、世界の株価や原油価格に対する影響は限定的でしたが、ここで米国が離脱するならイランに対する(核合意で撤廃されていた)経済制裁が復活し、とりわけドル決済の停止はイランの原油輸出にも大きな障害となります。

 イラン核合意とは、オバマ政権時代の2015年7月にイランと、国連常任理事国5か国とドイツとの間で締結されたものですが、その内容は「ゆっくり」であればイランの核開発を認め、イランに対する経済制裁を解除するというもので、当初から米国内のタカ派からは「弱腰すぎる」との批判もありました。

 ドイツが加わっている理由はドイツ企業がイランに技術提供しているといわれていたからです。

 そしてトランプ政権は、北朝鮮や(プーチンはまだ弱味を見せていませんが)ルサールや中国ZTEに対する経済制裁(再々の繰り返しですがとくにドル決済の停止)が、想定以上の「破壊力」があると再認識したはずです。イランもまもなく屈服させられると考えたはずです。

 世界には原油などドルでしか決済されない資源が多く、また米国以外の企業が抱えるドル建て負債総額は5兆ドルをこえているはずです。とくにリーマンショック以降のFRBの金融緩和・量的緩和で世界に流通するドルの量が飛躍的に大きくなったため、逆にそのドル決済を止められた場合のダメージも想像できないほど大きくなっているはずです。

 つまりトランプ大統領がこれからも「気に入らない相手国」に対してドル決済の停止を含む経済制裁を「乱発」するのであれば、確かに一時的には米国が優位となるものの、そう遠くない時期に世界の経済・金融から「大きなしっぺ返し」を食らうような気がします。

 米国のイラン核合意離脱のニュースを聞いて、真っ先に感じたポイントがここでした。


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コメント
韓国人顔の米国人開放したそうですよ
彼等は本当にアメリカ人なんですか。
北朝鮮まで南下していったエスキモーではないですか?
ユーロとは何だったのか
逆襲でユーロに流れるとか
もしくは中国が主導する一帯一路で元に流れるか
日本もたまに経済制裁やってるけど、あれは効くんですか?
日本が経済制裁しても、物品はともかくとして円決済を停止しても困る国はなく、逆に円借款の返済が止まってしまうだけです。

 逆に邦銀が被制裁国企業の(個人も)ドル決済を受けてしまうと、邦銀自体が米国の経済制裁の対象(ドル決済の停止)となってしまいます。だいぶ前に三菱銀行(当時、だったと思います)が対象になりかかったことがあります。

 だから本誌がいつも「円の国際化が必要」と主張しているわけです。

闇株新聞編集部
人間は食べれなくなれば、食べ物を分け与える者に従う。

北の金も国民を餓死させ続けていれば、長くは持たない。

飢餓の苦しさに北朝鮮人はどこまで耐えれるのか。
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