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マイナス成長だった2018年1~3月期GDPは、さらに下駄を履かせている

2018年05月17日

マイナス成長だった2018年1~3月期GDPは、さらに下駄を履かせている


 内閣府が本日(5月16日)早朝に発表した2018年1~3月期GDP速報値は、実質で前期比マイナス0.2%、年率換算マイナス0.6%と、2015年10~12月期以来9四半期ぶりのマイナス成長となりました。

 2017年の日本の実質成長率は、前期比で1~3月期が0.7%、4~6月期は0.5%、7~9月期も0.5%、10~12月期は0.1%とそれぞれプラス成長で、2017年通年では前年比1.5%成長となっていたため 日本経済はここ1年でさらに減速していたことになります。

 より実感に近い名目成長率で見ると2018年1~3月期は前期比マイナス0.4%、年率換算でマイナス1.5%と実質より大きなマイナスとなっています。
 
 ここでGDP統計はまず実際の経済活動はすべて名目値であるため、それらを集計してGDPデフレーターで調整して実質成長率として発表されるはずです。

 2018年1~3月期のGDPデフレーターは実数で前期比プラス0.5%と発表されており、最近の物価上昇率と比較しても違和感がありませんが、それを「季節調整」して前期比でマイナス0.2%と実感からほど遠い数字としています。

 何を言いたいのかというと、実際の経済活動はすべて名目値であるため、実数であるGDPデフレーターで修正された実質GDPはもっと大きなマイナスとなっていたはずです。しかしそれを「大変に違和感のある季節調整済みとして」無理やり前期比マイナス0.2%としたため、発表された実質成長率はそれほど大きなマイナスとならなかっただけです。

 つまり2018年1~3月期の日本経済は「もっともっと」減速していたことになります。単純計算ですが、実数であるプラス0.5%のGDPデフレーターを使うと、実質GDPは年率0.9%マイナス、年率換算で4%近いマイナスとなっていたはずです。

 4月19日付け「いったい中国経済の本当の規模と成長率はどれくらいなのか?」で、中国が発表する実質(しか発表しません)GDPは、物価上昇率(GDPデフレーターのこと)を恣意的に操作して計画を上回る6%台後半の成長率としていると書きましたが、どうも2018年1~3月期に限ると日本も同じような操作をしていると感じます。

 そんな操作が加わっているはずの日本の2018年1~3月期実質GDPの内訳を見ていくと、全体の5割以上を占める個人消費が年率換算しない前期比でマイナス0.0%(正確にはマイナス0.001%)、意味のない持ち家帰属家賃を除く個人消費がマイナス0.1%、民間住宅投資がマイナス2.1%、民間設備投資がマイナス0.1%と内需が総崩れとなっており、辛うじて輸出が0.6%のプラスとなっています。

 繰り返しですが、前期比でこれはプラス0.5%だったはずのGDPデフレーターを、無理やり季節調整してマイナス0.2%(つまり物価水準が下がっていた)として、さらに下駄を履かせている数字です。

 名目でも「下駄を履かせた」実質でも、日本経済が2018年1~3月期にマイナス成長だった理由として、天候不順や大雪のために野菜価格高騰の影響などで個人消費が落ち込んだからという説明がされています。

 つまり物価が上昇していたと言っていながら、実際には物価が(GDPデフレーターが)下落していたものとして計算した実質GDPが、それでもまだマイナスだったことになります。

 米国の2018年1~3月期GDPも、大型減税がスタートしているにもかかわらず実質で2.3%と、2017年10~12月期の2.9%から減速しており、ユーロ圏でも2018年1~3月期の改定値で前期比0.4%と、2017年10~12月期の0.7%から減速しており、どうも本年に入ってから世界経済は減速しているように思えます。

 米国では改定値が5月30日、日本でも6月8日に改定値が発表されますが、その時点ではもう「とっくに終わった期のGDP」とはなりますが、注目しておくべきと考えます。

 何度も書いていますが、本誌はFRBの利上げペースが速すぎ、たぶん新興国経済の混乱が加わるため早ければ本年後半にも利上げペースの減速に追い込まれ、その時点ではかなりのドル安・円高になることも覚悟しておかなければならないと考えています。



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コメント
バブル元年は終わってしまったのでしょうか?
2017年バブル元年の予想は見事にその通りとなり、今後円高、ドル安が起こるとすれば、もうバブルは終わりと考えても良いのでしょうか?
ついに世界経済減速元年、金余り相場終焉元年となるのでしょうか?
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