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今度は自動車関連に高額関税をかけると言いだしたトランプ政権

2018年05月25日

今度は自動車関連に高額関税をかけると言いだしたトランプ政権


 トランプ大統領は5月23日、安全保障を理由に自動車や自動車部品に高額の追加関税(25%)を課す輸入制限の検討に入ると発表しました。適用法律は米国国内法である通商拡大法232条で、3月下旬に鉄鋼製品(25%)とアルミニウム(10%)に課した高額関税と同じように、商務省に対して車の輸入が安全保障上の脅威となっているかを調査するように命じました。

 1995年に発足したWTO(世界貿易機関)のルールに抵触している可能性が強いはずですが、WTOも安全保障上の脅威がある場合だけ「例外措置」として認めています。しかしその線引きが曖昧で、トランプのように「先に言ったもの勝ち」となりそうです。

 実際は、カナダ、ブラジル、韓国、EU諸国などはその発動を猶予されており(個別の二国間交渉に持ち込むためです)、中国と日本だけはすでに実施されています。

 トランプ政権の輸入制限は同時期にもう1つ発動されており、中国に知的財産権を侵害されているとして米通商代表部に対して、通商法301条による中国からの5~600億ドルの輸入額となる1300品目に高額関税を課すように命じていますが、トランプは中国の出方によってはさらに1000億ドルの中国からの輸入に高額関税(25%)を課すと発言しています。

 ところでこの通商拡大法232条も、通商法301条も、米国内で約1年かけて調査して発動することになっています。

 したがって今回の自動車及び自動車部品に拡大通商法232条を適用するためにも「最低1年」の調査期間がかかるため、トランプ流の最初に大きく問題を提起して後の通商交渉を有利にする手法となりそうです。

 しかしトランプの通商交渉は、今回の自動車や自動車部品に対する通商拡大法232条の適用も考慮すると(繰り返しですが実施まで最低1年かかるはずですが)、どう考えても中国と日本が「メインターゲット」であるとしか考えられません。

 さらに中国政府はその前日(5月22日)に、7月1日から自動車の輸入関税を25%(トラックは20%)から一律15%に引き下げる妥協案を示したばかりですが、これは中国がどうしても外しておきたい通信機器大手ZTEへの経済制裁の緩和との「セット」と考えられます。

 そこでトランプはすかさず新たな自動車や自動車部品への「安保上の理由」に輸入制限の発動を模索し始めたことになります。

 ところが実際に中国における輸入車に対する関税は25%だけではなく、排気量別の消費税(最大40%)や各種税金が加算されるため、実際の関税は100%を大きくこえているはずです。

 つまり輸入関税だけを25%(トラックは20%)から15%に引き下げても、そのほかの税金が手付かずなら、さらに中国ではベンツなどドイツ車が人気であることも考えると、米国の自動車産業に対しては大きな効果がないはずです。

 だからと言って今回、自動車や自動車部品に対する高額関税による輸入制限を発表したわけではないはずですが、今回の措置は(繰り返しですが仮に適用となっても1年ほど先の話です)、モロに日本経済を直撃することになります。つまり同盟国であるはずの日本も、通商問題に関して言えば中国と全く同列に考えられていることになります。

 とくに日本の自動車産業は、部品から完成車まで大変に「裾野」が広い産業であり、日本経済全体に対する悪影響は計り知れません。

 本日(5月24日)の株式市場では、とくに部品を含む自動車関連銘柄が軒並み下落しており、日経平均も252円安の22437円と続落しました。

 さてここからの日本は、米国に遠慮して手をこまねいているだけで済むはずがありません。東アジアの安全保障については、金正恩が予想通りゴネ始めましたが、注)結局のところ米朝首脳会談は開催されるはずで(そうでなければ金一族の海外での秘匿財産が経済制裁によるドル決済停止で使えなくなってしまうからです)、次の主要テーマは通商問題になることは間違いありません。

 通商問題については、日本は中国と同等の最大ターゲットとなっていることは忘れてはなりません。それでは具体的にどうすればいいのか?ですが、ここはまだ時間があるためじっくりと考えてみる必要があります。


注)この記事を書き終わったあとに、米朝首脳会談が中止となったという報道が流れていますがどうなんでしょう。


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コメント
真っ当な手は、TPPに入れてやるという大悪手くらいしかなさそうですね
米朝会談は中止になりましたが…
そも秘匿財産のは話が会談理由って
少し無理があるのでは?
むろん、制裁に音をあげたのが理由でしょうが
中国に頭を下げてそのあたり予防線を張ったのでしょう。
米国と中国の貿易戦争?にうまく便乗した形。
わりを食ったのは日本、拉致問題進展のお土産ももらえず、自動車関税の話も出て来た。
安倍首相もモリカケは屁でもないが、対トランプとの関係が危ういとなると与党内部からもう使えないとの声が出そう。
米朝会談中止中国激怒韓国当惑
安倍さんロシア行ってるからなんも言及なしね

トランプ大統領「6月12日開催ありうる」

どういうこっちゃ
まあ、トランプ大統領も有言実行人なのでロス商務長官共々貿易政策に関しては意見が一致してますから、中国との交渉失敗からも余計に風当たりは強そう。赤字計上している貿易相手国との貿易戦争は気にしないとか。
2回目の南北首脳首脳会談

北はもう実質降伏状態なんだろうな
>金一族の海外での秘匿財産
安全保障解決後北朝鮮の地下資源レアメタルの米中の本格的な争奪戦があるといわれてますね
文在寅と金正恩が旧知の友のように
抱擁してる姿がマジきもい
あの痛々しい作り笑顔を見れば
もう相当焦ってるのは明白。
トランプは騙せない
トランプさんこんな好き放題やって大丈夫かよ。いらないものはいらないでしょ。日本人はアメリカ製品に悪い感情はないから、いいものは買われると思う。アメリカ車を日本に売りたいなら、日本人に買ってもらえるように努力するべき。
アメリカ車のすべてが悪いとは言えないが、アメ車の燃費の悪さ、豚のようなデザインの醜態をそのままにして、関税をかけてもアメ車の復活はない。実際、アメリカ人達自身が好んで輸入車を買ってきたのであって、外国がアメリカ人達に無理に買わせたわけではない。

ビッグ3の車を見ていると、北朝鮮の独裁者の二重あごやでっぱらを連想してしまうう。トランプさんよ、せいぜい北朝鮮でアメ車販売キャンペーン頑張ってくれ。お似合いだよ。

テスラもホラ吹きで信用できない。

スマートな世界を演出したければ、関税なんかかけるよりも、アップルにビッグ3を買収させてたほうがいいじゃないの?

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