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今そこにある「株式市場の」危機

2010年11月15日

今そこにある「株式市場の」危機

 映画のタイトルではありません。
 本誌では、かなりの紙面を割いて、株式市場において、見逃されている「とんでもない話」とか、最近誰も報道しないので忘れられているが「非常に重要な事件」などを書いています。もちろん最近の株式市場に対する各種の規制強化も、株式市場の活性化を損ねているだけでなく、明らかに不公正であるということも例を挙げて書いており、これからもどんどん書いていきたいと思います。

 しかし、過去のことばかりを書くだけではなく、現在進行形で起こりつつある事件も、皆さんの注意を喚起するために書く必要があると思います。今日ご紹介するのは、現在の法律では問題がないため、必ずこれからのファッションになりそうな、でも「とんでもない話」なのです。
 
 平成22年11月10日と11月12日(つまり、ほんの先週の話)にNFKホールディングス(旧社名日本ファーネス。ジャスダック上場。コード6494。以下NFK)がIRを出し、「株主から臨時株主総会の招集を請求され、当該請求の法的要件を確認でき次第、総会開催の準備に入る」とあり、株主から請求のあった議案については「現代表取締役を含む取締役2名の解任」と「新任取締役候補3名と新任監査役候補1名の承認」等が挙げられ、一応NFKとしてはこれらの議案については反対との意見表明も開示されています。

 まず、臨時株主総会の招集を請求したのは2名の株主で、その持ち株は合計で94万株(発行済み株数の3.2%)となっています。確かに会社法では、半年以上保有している3%以上(共同保有可)の株主は、臨時株主総会の招集を請求でき、また議案も提案することができます。

 ここでNFKとはどういう会社なのか?
 業績は、平成22年3月期の純利益は8600万円の赤字、平成23年3月期の純利益予想では1億6900万円の赤字となっています。しかし過去にエクイティファイナンスを繰り返したため、平成22年9月期での純資産は22億6900万円(1株当たり=76円)、現金同等物が12億4800万円(1株当たり42円)もあります。有利子負債はほとんどありません。

 ちなみに株価は11月12日現在30円で、時価総額は8億9000万円です。

 つまりNFKの保有している現金残より、時価総額の方が低いのです。

 あと、NFKは大株主がいません。また、貸金返還請求や損害賠償請求を起こしており、取れるかどうかは別問題にしても両方で18億円程の請求になっています。これらの損失処理は済んでいるので、取れればそのまま利益と現金残の増加となります

 つまり、NFKとは、12億4800万円の現金を含む22億6900万円の純資産(プラス、ひょっとしたら取れるかもしれない現金が最大で18億円)の入った金庫が、8億9000万円という価格を株式市場で付けられているのです。

 なぜこういうことが起きるのかと言うと、確かにNFKは過去いくつかの問題があり、怪しげなブローカーが出入りしているなどで株式市場でのイメージが悪く、従って株価も低迷しています。一方、逆に過去の投資の失敗と最近のコンプライアンス強化の中で積極的な投資ができず、結果現金が残っているのです。

 それでは、今回、臨時株主総会の招集を請求した株主(2名)は、保有株が94万株で、時価総額2820万円です。半年間保有しているはずですから半年前の40円で計算しても3760万円です。

 もちろん、臨時株主総会で承認されれば、の話ですが、議案の通り、現代表取締役を含む現取締役2名を解任し、自ら推薦する新取締役3名が選任されれば、残る現取締役が2名なので、取締役会を支配でき、結果22億6900万円の純資産と12億4800万円の現金の入った金庫を自由にできることになるのです。繰り返しますが、この2名の株主の投資額は3760万円程度です。

 もちろん、この2名の株主がどういう人かも知りませんし、やっていることがおかしいというつもりも全くありません。しかし各種規制で会社の自由な行動を縛り、また投資家の自由な投資活動を縛った結果、NFKのように株価が低迷しているものの、会社には現金を含む純資産が多額にある、という上場会社は、よく見ると結構あるのです。逆に上場会社であるからこそ、株式市場の各種規制で自由闊達な行動が取れず、結果株価が低迷し、現金が残ったりしているのだとも言えます。

 そこへ、特定の「意図を持った」株主がこのような行動を起こせば、新たな株式市場の混乱と、現経営陣に深刻な恐怖心を覚えさせることになります。

 また、本来は株主全員のものであるはずの会社財産が、特定の「意図を持った」株主に独占されてしまうことになり、新たな「濡れ手に粟」を求めて、同じような事例が続出することになると思われます。

 臨時株主総会の日にちは、まだ発表されていませんが、年内開催が可能だと思います。皆さんも注目してみてください。

 まず臨時株主総会が成立するためには、総発行株数(自己株を除く)の3分の1以上の株主が出席(委任状可)しなければなりません。そして議案が承認されるためには、取締役の解任は出席者の3分の2以上の賛成、取締役の選任は半分以上の賛成が必要です。

 定款で取締役定数の上限が規定されているかどうかが不明なのですが、仮に上限が5名だと、選任だけ承認されて、解任が承認されないと困ることになり、仮に7名だとしたら、この場合過半数を取れなくなります。また上限がないのであれば、現取締役4名を上回る5名を最初から新取締役候補に入れておけば良かったはずです
 この辺のことを考えているのか個人的には興味があります。

平成22年11月15日


お詫びと訂正
 11月12日の「幻冬舎」のMBOについて、の最後の方で、「日本トイザらス」の上場廃止を平成21年3月と書きましたが、平成22年3月の間違いでした。お詫びして訂正させていただきます。

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