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国際通貨体制についてもう一度考える  その1

2011年09月22日

国際通貨体制についてもう一度考える  その1

 台風に直撃された読者の方が多かったと思いますが、大丈夫でしたか?

 さて、世界的にドルやユーロをはじめとして為替が不安定になっています。

その根本的理由を考えるにあたり、国際通貨体制についてもう一度理解しておく必要があります。その中で、特に日本がとるべき方向も含めて考えてみたいと思います。

まず、国際通貨体制の歴史から振り返ってみましょう。

 古来の通貨体制である金本位制が、法的に整備され正式に始まったのが1816年の英国でした。翌年に1ポンド金貨が鋳造され流通が始まりました。

 もちろん古くはローマ時代から金貨は鋳造されていたのですが、あくまでも蓄財用として退蔵されており、流通を前提にした通貨体制ではなかったのです。

英国で鋳造された1ポンド金貨は自由鋳造・自由溶解が認められており、まさに金(きん)が通貨として流通していたのです。ヨーロッパ各国も追随し国際的な金本位制が始まりました。
 この時点で、各国が保有している金の量によって各国の通貨量が決められ、貿易赤字が続くとたちまち金の量が減り、通貨量が減ってデフレになり貿易赤字が減るといった調整がされていたようです。

 日本も日清戦争後に金本位制を取り入れました。

 ただ、各国(つまり世界の)通貨量が金の保有量に制限されることになり、常に世界経済はデフレ圧力にさらされていました。日本を含む各国は、不況が深刻化した時や、戦争などで政府の出資が膨らむときなど、たびたび金輸出の禁止(実質的な金本位制の離脱)を余儀なくされました。
結局、1929年に世界大恐慌が始まり、英国をはじめ全ての国が金本位制から離脱してしまいました。

 この間、ずっと英国ポンドが基軸通貨でした。これは当時、英国が世界最大の経済力を持ち、ロンドンが貿易・金融取引の中心であったからなのですが、その大前提に英国ポンドの価値が金によって裏付けされており、英国はそれを反故にしないだろうとする信用力があったからで、あくまでも国際通貨体制の中心は金(きん)だったのです。

 金本位制の最大の欠陥は、世界の通貨量が、つまり世界経済の規模が地下から掘り出される金(きん)の量によって決められることで、そもそも金融政策というものが存在しないことです。(逆に新しい金山が見つかったりすると世界経済が拡大することになります。)

 いまでも、各国の規律を保つために金本位制への復帰を主張する人がいるのですが(これが最近の金価格高騰の1つの原因にもなっているのですが)、非常に現実から遊離した議論です。

 さて、第二次世界停戦が終わりに近づいた1944年7月、米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズに連合国側44か国が集まり、戦後の通貨体制について話し合いました。

 そこで決められたのが、当時の世界の金の80%を保有していた米国のドルだけを金に固定し(1オンス=35ドル)、各国通貨をドルに一定の比率で固定するというものでした。この国際通貨体制をブレトンウッズ体制と言います。

 これも根本的には、世界の通貨は金に裏付けされる必要があるものの、米国ドルだけが直接的に金に裏付けされており、その他の国の通貨はドルに一定の比率で固定されることにより間接的に金に裏付けされている、という仕組みでした。
 ここで、世界の通貨体制の中心に金と並んでドルも座り、「金・ドル本位制」が始まるのです。

 そして、米国は冷戦に対応して世界中に軍事施設を作って米軍を派遣し、またマーシャルプランとして積極的な経済援助を行い、また世界中から気前よく商品を輸入してドルで支払っていったのです。
 これが戦前の金本位制とは違い、世界に十分な流動性(要するにドル)を供給し、世界経済を発展させたことは間違いない事実です。

 当時の米国が、唯一の基軸通貨であるドルを金に代わって無節操に世界にばら撒いていたかと言うと、それも当たっていません。少なくとも当時の米国は、自国の豊富な金準備を使って社会主義に対峙して自由主義経済の発展を主導しようとしていたことは事実です。

 その結果、あっという間に米国の金準備が枯渇してしまったのです。

 まるでブレトンウッズ体制とは、自由主義圏のリーダーである米国の金準備を枯渇させてしまうために、誰かが仕組んだものだったようにも思えます。

 事実そうだったかもしれないのです。

 続きます。

 平成23年9月22日

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