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国際通貨体制についてもう一度考える  その3

2011年09月28日

国際通貨体制についてもう一度考える  その3

 1971年にニクソン大統領が金とドルの交換を停止したあと、米国は金(きん)の呪縛がなくなったドルを使って、逆に世界経済における地位を拡大していきます。

 例えば1985年の「プラザ合意」も、ドルが強くなりすぎて米国内の産業が悲鳴を上げ始めたからなのですが、そこで日本と西ドイツ(当時)に明らかに不利となる急激なドル安(円高・マルク高)を強引に押し付けたものです。
 国際通貨体制の維持のためのコストを日本と西ドイツに押し付けたのです。

 さらに、1993年1月に就任したクリントン大統領は、就任してすぐに経済政策として「円高誘導」と「自動車と同部品の輸入数値目標」などの日米貿易不均衡是正を打ち出しました。就任時のドルは125円くらいでした。

 1993年7月に日本新党(今は民主党の一部で野田現首相もメンバーでした)党首の細川氏が首相に就任し、1994年2月の日米首脳会談で数値目標などの米国の要求を撥ねつけ、「日米関係は成熟した大人の関係になるべき」などと息巻いた結果、円高が加速し、翌1995年4月には79円75銭の史上最高を付け、つい最近まで破られませんでした。

 米国内の産業が十分息を吹き返したと見るや、今度は米国への資金流入を促進する方針に切り替え、時のルービン財務長官のもとで1995年7月のドル買の協調介入をきっかけに、1998年8月には147円台まで上昇するのです。

 まさにやりたい放題だったのです。

 こういうことができたのは、世界には国際通貨体制をできるだけ安定させたいという共通認識があり(特に1971年からの数年は大混乱であったため)、金の裏付けがなくなっても引き続きドルがその地位を維持し、逆にその体制が米国経済の安定と成長をもたらしてドルの信認が維持され、結果的に国際通貨体制が安定するという構図だったようです。

 事実、米国経済は1981年1月のレーガン大統領の就任から、ブッシュ(父親)大統領を挟んでクリントン大統領の任期が終了する2001年1月までの20年間は、相対的に安定した成長を遂げるのです。

 国際通貨制度の価値の裏付けが金(きん)では慢性的な流動性不足になり、かといってSDR(IMF参加国の準備資産を保管するために1969年に創設された特別引き出し権)のようなペーパーマネーはあくまでも限界的な機能しか持てません。
 
 結局ドルが、米国の経済力と信用力を背景にし、かつ戦後世界に十分ドルが蓄積されて(つまり世界中にドルをばら撒いていた)いたため、金の裏付けがなくなったあとも引き続き国際通貨体制の価値の裏付けの地位を維持するのです。

 これが基軸通貨なのです。

 それが最近のように、米国経済の先行きが急激に不安視され、ドルを補完するように作られた(別に米国が希望したわけではないのですが)ユーロの信認まで揺らいできた場合は、どうすればよいのでしょう?

 基軸通貨とは、国際的に広く準備資産・決済・投資・融資・起債などに使われる通貨のことです。

 その地位は、現在のドルが中心で、ユーロが補完する体制から、少なくとも円とポンドを加えた複数基軸通貨制に移行しなければなりません。

 つまり、円が(一部といえども)基軸通貨の役割を果たすということは、準備資産として世界中で幅広く保有される以外に、決済・投資・融資・起債などあらゆる経済活動が、日本国内だけでなく、世界を相手に大きく活動範囲が広がるということで、閉塞感のある日本経済が、まさに世界を相手に飛躍的に拡大することなのです。

 そうはいっても、「明日からは円が基軸通貨ですよ」と呼びかけてみても、だれも相手にしませんし、円はいつまでたってもローカル通貨で、日本経済はローカル経済のままで、ますます停滞していくのです。

 それでは、具体的にどうすればよいのかは次回にします。

平成23年9月28日

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