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あの事件はどうなった? その2

2010年11月17日

あの事件はどうなった? その2


「ライブドアより、はるかに重大事件なのに、なぜか課徴金で終わった日興コーディアル」

 これを書く前に、一応過去の資料を確認したところ、こういった視点で正確に切り込んでいた記事が数多くあることに気がつきました。特に「日興コーディアル事件」については、フリージャーナリスト町田徹氏の平成17年末のスクープ記事がきっかけとなりました。
 本誌は個人の実名は一切出さないようにしているのですが、本件は皆さんに是非もう一度、考えて頂きたい事件なので参考のために出させて頂きました。

 本誌は、過去のいろいろな事件で、皆さんが見落としているものや、事件(別に犯罪事件とは限りません)について正しく評価されていないものなどを、独自に取り上げて皆さんに問題提起することを最大の目的にしています。(注)
 そういう意味では、「ライブドア事件」と「日興コーディアル事件」の対比は、決して本誌独自の論点ではありませんが、できるだけ本誌独自の考え方を入れて書いていきます。

 まず簡単に両事件を対比してみましょう。

 「ライブドア事件」は、平成18年1月に表面化した事件で、「子会社(ライブドアマーケティング)が不正な手段を使い、相場の維持・上昇を図った」という偽計・風説の流布と、「ライブドアが平成16年9月決算で約53億円の粉飾決算を行った」という有価証券報告書虚偽記載の2つの罪状で、当時のライブドアの代表取締役を含む取締役5名が逮捕され(うち2名が実刑判決)、東京証券取引所も世間に与える影響が大きいとして、ライブドア株式を即刻上場廃止と決めました。

 「日興コーディアル事件」は、前述の町田氏のスクープからなんと1年もたった平成18年12月に表面化しました。内容は、同社が平成16年8月頃からCSKの子会社だったベルシステム24の株式の取得をはじめ、TOBなどを経て総額2400億円で完全子会社化・非上場化をしたものですが、特別目的会社(SPC)を使い、いいところ取りをして、日興コーディアルの決算を187億円も粉飾したというもので、その時期、そのやり方はライブドア事件と酷似しています。それどころか粉飾の金額、その手法の専門性、トップの関与度合の、どれをとってもライブドアより格段に悪質なものであったと思われます。
 
 とくに、日興コーディアルは、当時、役員に収益連動の巨額の報酬が支払われることになっており、当然この案件を自ら推進した当時の代表取締役は巨額の報酬を受け取っています。

 ところが、なぜか検察庁は動かず、従って一人の逮捕者も出さず、わずかに証券取引等監視委員会が、平成19年1月5日(つまり表面化直後)に、その粉飾した決算数値で500億円の社債を発行するときに提出した「発行登録追補書類」の虚偽記載というところだけをとらえて、500億円の1%である5億円の課徴金納付命令を出しただけなのです。

 つまり有価証券報告書の虚偽記載(粉飾)ですらないということなのです。
 また、東京証券取引所も平成19年3月に、早々と「会社ぐるみでなく、悪質性はない」という奇怪なコメントとともに日興コーディアル株式の上場維持を決めました。

 ちなみに、当時の代表取締役は引責辞任しましたが、今もご自分で金融関係の仕事を手広くやられているようです。

 「ライブドア」事件は、新興企業のやることは、非常に怪しく、犯罪性に富んだものであり、そういった会社の株式が証券取引所で取引されていること自体が好ましくなく、従ってこう言った株式を取引する投資家も怪しく、すべて厳しく監視して取り締まらなくてはならない、という当局の強烈なサインで、そこから新興市場が大きく崩れ、それから5年もたとうとしているのに、今も回復の兆しさえ見えません。
 
 「ライブドア」事件の背後には「ニッポン放送買収事件」があり、またライブドアはその当時「ソニー」の買収を考えていたという説もあり、こういう行動を好ましく思わなかった勢力の働きかけがあったことは容易に想像できます。
 
 本来、株式市場、特に新興市場は、自由な発想を持った経営者や企業が、最低のルールだけを守って活発に行動することにより、経済を活性化させるものです。この事件をきっかけに、そういった芽が全部摘まれてしまったことは、現在の日本経済の閉塞感の大きな理由の1つなのです。

 一方、「日興コーディアル」事件がもたらしたものも小さくありませんでした。この事件をきっかけに、米国のシティグループが同社の「支援?」に手をあげ、TOBをへて平成20年5月に完全子会社にしてしまいました。

 これも奇怪な話です。当局が課徴金で済ませ、一人の逮捕者も出さなかった(つまり犯罪ではなかった)、日本の三大証券グループの一角である同社は、なぜ外資の支援が必要で、しかも完全子会社になる必要があったのでしょうか? いいえ、全くなかったはずです。もし、それでも身売りしたかったのであれば、「みずほグループ」をはじめ国内にいくらでも買い手がいたはずです。

 実は、日本の金融行政には、なぜか外資を極端に優遇するケースがいやというほどあるのです。これも今度いっぱい書いていこうと思います。
 
 しかし、シティグループは、その直後から(本当はその前から)サブプライム問題の直撃を受け、わずか1年後の平成21年5月にせっかく完全子会社にした日興コーディアルを三井住友グループに売却してしまいました。


 (注)以下の記事も合わせてお読みください

11月15日   NFKホールディングス
11月10日   ブルドックソース
11月9日    ヤマシナ
11月8日    りそな銀行
11月5日   LCAホールディングス他
11月2日   プリヴェ企業再生グループ、ジパング
10月17日   三大メガバンク
10月16日   武富士
10月14日   東京電力

以上の各社について、いろんな観点から書いています。

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