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野村証券の株価はどうなる?

2011年11月12日

野村証券の株価はどうなる?

 本日は休刊日なのですが、「野村証券の病巣シリーズ」で「銀行傘下に入った場合、野村証券の株価はどうなるのか?」というご質問を頂いていましたので、これについて考えてみます。

 同じように「オリンパスの株価はどうなる?」というのも書くつもりですが、その次(月曜日・午前零時)の記事にします。

 さて、先週末(11月11日)の野村証券の株価は243円で、時価総額は9300億円まで減少しました。今年2月高値が557円、2007年2月の高値が2870円であることを考えると、2008年4月に就任した渡部・柴田体制の迷走ぶりが分かります。

 さて、先週末時点の野村証券(正式名称は野村ホールディングスです)の連結PBR(株価純資産倍率)は僅か0.44倍です。これは純資産が赤字で毀損中であるとか、海外部門でもっと多額の損失が出そうとか、そもそも純資産そのものが信用できないなどの理由があるのですが、とにかく2011年3月期に発表されている純資産2.1兆円に対して、時価総額が9300億円なのです。

 まあ、いくらなんでも純資産が1兆円も毀損していることはないので、野村証券は買収対象として「非常に魅力がある」のです。

 なぜなら、仮にメガバンクが野村証券を何らかの形で連結対象に入れた場合、多額の「逆のれん」が発生しメガバンクの純資産が底上げされるからです。これが自己資本にどう反映されるのかはやや難しいのですが、これだけでも野村証券を傘下に入れる「意味」があるのです。

 ただ、メガバンク側にも問題があります。

 三菱UFJは時価総額が4.6兆円で連結PBRが0.54倍、三井住友は時価総額が2.8兆円で連結PBRが0.57倍、みずほは時価総額が2.4兆円で連結PBRが0.57倍なのです。

 つまり、帳簿上の純資産に対して株価が安いのはメガバンクも同じことなのです。

 仮に、三菱UFGが野村証券を傘下に入れるなら、現金での買収となるはずです。支払うプレミアムを25%としても総額1兆2000億円位なので、モルガンスタンレーに1兆円支払ったことを考えても無理な数字ではありません。

 三菱UFJにしても自分のPBRが0.57倍なので、株式交換の方が(現金に比べて)大きい価値のあるはずの株式を交付することになり、結局現金による買収の方が有利なのです。

 結果的に三菱UFJは、株式の追加発行なしで日本最強のリーテイル軍団を手に入れることになり、かつ(旧・リーマンの切り捨てなどのコストがかかるものの)かなりの「逆のれん」を計上することが出来るのです。

従って、三菱UFJの株価はかなり上昇するはずなのですが、多分野村証券の株主は、さんざん値下がりした時価と僅かなプレミアムを現金で受け取るだけで、その後の三菱UFJの株価上昇の恩恵を全く受けられないことになります。

 まあ、実際問題としては部分的に株式交換となるかもしれませんが、そもそも当局だけでなく東京証券取引所までもが新株の発行に非常に神経質のため、当局に対する優等生の三菱UFJとしても基本的に現金による買収を考えるはずだからです。

 三井住友の場合は、そこまで財務内容に余裕がないため、半分程度の現金と半分程度の株式交換となるはずで、また「みずほ」については、もっと余裕がないため仮に参加するとなると全額株式交換となるはずです。

しかしこの場合は、いずれにしてもメガバンク側の新株発行を伴うので、野村証券の株主が交換で得た株式の値上がり余地は少ないはずです。

 まあ、どの場合でも野村証券の株主が大きく報われることはなさそうです。

 もう1つ気になるのは、三菱UFGの永易社長と野村証券の渡部社長は、同じ企画畑で旧知の間だということです。それが三菱UFJの永易社長を「その気」にさせているようです。

 しかし、渡部社長はメリルリンチの身売りの元凶となりながら、自身だけ172億円の巨額退職金をせしめたスタンレー・オニール・元CEOに非常に似ているのです。
2月4日付け「野村証券社長の話 その2」に書いてありますので、ぜひ読み返してください。

 最後まで自分のことだけを考えて水面下で三菱UFJとの交渉をしているとしたら、報われないのは野村証券の「株主」と、懸命に働いている「国内リーテイル部門」の社員たちです。彼らに対する「見返り」を渡部社長と一部の側近が「独り占め」することになるからです。

平成23年11月12日

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コメント
住友商事及び9719<住商情報システム>による9737<CSK>株式公開買い付け・合併の例

発表日2.25日CSK終値313円から、公開買い付けに応募せず、住商情報システム株の割り当てを受けた場合、合併効力発生日10.1日基準として、株価が1304円なら損失は生じません。安値10.14日・1145円~高値10.31日1336円。

当時書き込みのまま貼り付けさせていただきます。
2011/ 2/25 20:45

住友商事株式会社及び住商情報システム株式会社による
当社株式等に対する公開買付けに関する賛同意見表明のお知らせ  2011年02月24日

http://www.csk.com/press/2011/press/20110224_1.html

住商情報システム株式会社と株式会社CSKの
合併契約締結に関するお知らせ  2011年02月24日

http://www.csk.com/press/2011/press/20110224_2.html

1.公開買い付け者 住友商事<8053>と住商情報システム<9719>

2.公開買い付け価格 203円

3.買い付け期間 23年3月10日~4月11日

4.CSKの普通株上場廃止日 23年9月28日

5.本合併の効力発生日 23年10月1日・・・CSKが消滅会社で住商情報システムが存続会社

6.合併比率 CSK普通株式1に対して住商情報システムの普通株0.24割り当てられる。

CSKが、発行している株式等は、普通株式、優先株式、新株予約権、新株予約権付社債ですが、ここでは、普通株式のことのみの書き込みといたします。


★公開買い付けに応募しない株主★CSK普通株式は、23.9月28日で上場廃止となります。

その際、CSK普通株式1000株保有株主は、合併比率から住商情報システム株式を240株割り当てられます。住商情報システム株式単元は、100株ですから、40株の端株が生じます。

★上記での40株端株の取扱い★

1.端株株主は、住商情報システム普通株1単元になるよう普通株60株を住商情報システムへ売り渡すよう請求できます。

2.端株株主は、端株40株を住商情報システムへ買い取り請求できます。

1の売り渡し価格及び2の買い取り価格のことは書かれていませんが、住商情報システムの終値基準となるのかと思われます。

CSK普通株100株普通株主は、24株住商情報システム普通株式を割り当てられます。ただし、1単元未満ですから、上記の1及び2の取り扱いになります。

割り当てられた住商情報システム株は、23年10月1日から売買できます。

4756<CCC>でMBOが実施されていて、4756の場合には、公開買い付けに応募しない株主は、原則として全部取得事項により保有株式を保有できなくなりますが、CSKの公開買い付けは、応募しなくても、CSK普通株式1に対して、住商情報システム普通株式を0.24割り当てられます。

<転換社債・優先株・新株予約権>
2011/ 2/26 10:57

住友商事株式会社及び住商情報システム株式会社による
当社株式等に対する公開買付けに関する賛同意見表明のお知らせ  2011年02月24日

http://www.csk.com/press/2011/press/20110224_1.html

<転換社債>

1.2011年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債

社債残高    217億円・・予約権個数 21,792個<1個額面100万円>

転換期間    平成15年10月2日~23年8月19日

転換価額    21年10月1日以降 6030.9円→2937.5円に調整

★償還日 23年9月2日に217億円満額で償還される予定★CSKが、ACAIへ償還。

2.第7回無担保転換社債型新株予約権付社債

社債残高    350億円・・・予約権個数 35,000個<1個額面100万円>

転換期間    平成18年9月1日~25年9月27日

転換価額    21年10月1日以降 5892円→2816.8円に調整

1及び2は、ACAI<筆頭株主・合同会社ACAインベストメンツ>は、公開買い付け者と応募の合意をしていないが、これらの応募があったら、住友商事がが買い付けをする。買い付け価格は、1は、1個69,107円ですから、217億円転換社債は、15億円で住友商事が買い付ける<93%オフ>。

2の買い付け価額は、1個72,068円ですから、350億円転換社債は、約25億円で住友商事が買い付ける。合併後<23.10.1日>、合併新会社の新株予約権付社債として承継される予定としています。存続会社住友情報システムは、当該転換社債が転換行使されずに行使期間満了すると、住友商事へ350億円償還しなければなりません。

<優先株>

A種及びB種優先株・・・住友信託銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行で所有・・公開買い付け者<住友商事及び住友情報システム>は、A種及びB種優先株の買付け等の申込み又は売付け等の申込みの勧誘は行わないとしています。

E種優先株・・・ACAIが所有。本公開買付けにおいて買付け等の申込み又は売付け等の申込みの勧誘は行わないとのことです。

<新株予約権>

1.第6回新株予約権

割り当て人ACAIは、行使期間満了の23.3.31までに行使して取得した株券2400万株を公開買い付けに応募予定。・・・行使価額125円だから、203円の公開買い付けで、★18.72億円儲かる★仕組みだから、この新株予約権を行使する。おい、おい と言いたいですね!利益率:62%

2.第7回新株予約権

住友商事が買い付けをし、23.10.1日までに、予約権の行使をして普通株券2400万株を取得<行使価額125円ですから、30億円払い込み>。

<優先株>
2011/ 2/28 15:51

A種 15000株<1株100万円・総額150億円>

1.金銭対価
  A種優先株主 2016年3月1日以降買い取り請求権
  発行会社   2012.4.1日以降買い取り可能
2.普通株式対価
  A種株主   2017.3.1~2027.9.30まで普通株式へ転換請求可能・・転換の下限価額110円

B種優先株 15000株<1株100万円・総額150億円>

1.金銭対価
  B種株主 2018.3.1日以降買取請求権
  発行会社 2012.4.1日以降買い取り可能
2.普通株式対価
  B種株主 2019.3.1~2029.9.30日まで普通株式への転換請求可能・・・転換の下限価額110円

E種優先株 5000株<1株110万円・総額55億円>
 1.金銭対価
   E種株主 2020.3.1日以降に買い取り請求権
   発行会社 A及びB種優先株の総数がゼロとなってから、可能。但し、2014.4.1日以降
 2.普通株式対価
   E種株主 2011.9.1日以降普通株式への転換請求可能
   当初転換価額・110円・・修正条項あり。下限価額規定もあり。

F種優先株 5000株<1株110万円・総額55億円>
 1.金銭対価
   F種株主 2020.3.1日以降請求可能
   発行者  E種条件と同じ
 2.普通株式対価
   F種株主 2013.3.1日以降普通株式へ転換請求可能
   当初転換価額110円 転換価額修正条項あり。下限価額規定あり。 
 優先株主から金銭対価として買い取り請求権は、A種で2016年3月1日以降。

優先株主から普通株式への転換請求権は、E種優先株で2011.9.1日以降であるから、この分は、優先株1株に対して住商情報普通株2400株を割りますから、住商情報普通株1200万株割り当て。ACAIへ優先株5000株→住商情報普通株1200万株割り当てで、2011.9.1日以降の普普通株式返還を回避。

F種優先株は、公開買い付けで住商情報が保有することとなり、優先株主の普通株式への転換請求は、2013.3.1日以降で、自己買い入れ→消却なんてこともありかと推測。

<消滅会社CSK、存続会社住商情報>

消滅会社CSK・存続会社住商情報で、CSK発行普通株式は、住商情報普通株式53,696,025株、A種優先株15,000株、B種優先株15,000株。

<転換社債>
1.2011年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債・・・デッド・ファイナンスだから、23.9.2日に271億円償還で、271億円特別利益。

<新株予約権>・・・エクイティファイナンス
1.第6回新株予約権・・・割り当て人ACAIは、行使期間満了の23.3.31までに行使だから、30億円資産の部<資本金15億円・資本準備金15億円>

2.第7回新株予約権・・・住友商事が買い付け、23.10.1日までに、予約権の行使・・・30億円資産の部。普通株券2400万株→住商情報普通株576万株に。・・住友商事は、住商情報普通株式を約3025万株を所有しているので、10.1日までには、約3601万株で、合併後、株主総会等別決議を否決できる議決権株所有。

CSK業績・財務内容はどうしようもない状況でしたから!住商情報システムは、いい買い物だったんじゃないかと!













>これが自己資本にどう反映されるのかはやや難しいのですが、これだけでも野村証券を傘下に入れる「意味」があるのです。<

野村証券の有利子負債:11兆5758億円

優先株は自己資本とはならなくなりますから、BIS規制<8%>クリアで、大銀行は、増資もしています<三菱以外は、公的資金注入で返済目的もありますが>

負ののれん益で純資産増加→それを自己資本に組み入れられば、野村を連結対象とする意味は大きいですね!

バブル後、りそなは、BIS規制で 国際決済銀行を断念して国内リーテール銀行に変身して、2兆円の公的資金返済を、利益剰余金、大型公募増資により、預金保険機構有する優先株を、りそなが取得・消却をしてきています。<預金保険機構が優先株を普通株式へ転換はありえませんから>。まだ、優先株ありますけど。

金融機関はバブル崩壊後、繰り延べ税金資産を自己資本に組み入れてBIS規制をクリアしていましたから!

先生!
闇株新聞、スゴイ話題になっています!
http://keizaikeizai.seesaa.net/article/234927248.html
なる・・・ほど。

初見です。
株はじめて、まだまだ日は浅いですが
闇株新聞さんのような、投資家視点からの情報分析は、非常に興味をそそられる内容です。更新を楽しみにしてます。
回答頂きありがとうございます。他のところで読んだのですが銀行は支配規制があるのでToBは行われない、それ以外では野村経営陣が嫌がり難しいとの意見でしたがいかが思われますか?野村株が一時的にオリンパス思惑で売られましたが、さすがに素人しか売らなかったと思いたいのですが乗っかったプロは何を狙っていたのでしょうか?
 うそのうそはホントだけど、うそのうそのうそは、やっぱりうそだって野村監督が言っていた。
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