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日本銀行(中央銀行)の役割とは  その2

2011年12月01日

日本銀行(中央銀行)の役割とは  その2

 昨日、「日本銀行(中央銀行)の役割とは」を書いたのですが、読者の方から「世の中に金が回るようにするために、(金融緩和する分)直接国民一人当たりに現金を配れば途端に消費も何もアップするのでは?」というコメントを頂きました。

 思わず「考え込んで」しまいました。考えていくと意外に奥が深い問題なので、今日はこれについて書いてみます。

 まず2008年頃の話なのですが、アフリカのジンバブエという国でとんでもないインフレが起こりました。年率何百垓(がい)%といってもピンとこないのですが、大体1日で物価が倍になるようなペースだったようです(10日で1000倍になります)。

 これは、白人から国を取り戻して黒人政権が出来たのですが、白人の所有する土地や工場をすべてとんでもない安値で強制的に買い取る法律を作った結果、白人がいなくなって経済活動が全く停止したところへ、通貨(ジンバブエ・ドル)を大量に刷って対外支払いや、兵士の給料や、政府の物資購入などに充てていたからです。

 つい3年ほど前の話なのですが、経済活動などの「価値の裏付け」の全くない紙幣を刷ってバラまいて使ってしまえば、やはりとんでもないインフレになるのです。

 逆に言うと、「価値の裏付け」のある現金をバラまいても、需給ギャップが埋まるだけでインフレにはならないはずなのです。

 日本政府が国民に現金を配っても、それが日本政府の発行する「国債」を裏付けとして配られたものであれば、財政規律がどうかという議論を別にすれば、全く問題がないはずなのです。

 経済効果としては、減税(本来支払う税金の一部を、現金で配ること)と同じなのですが、実際には現金が「目の前で」配られる方がずっと効果がありそうなのです。

 確かにこの配られた現金は、配った日本政府が配られた国民から何ら対価を受け取らない「ジンバブエ的」支出なのですが、配られた現金が消費に回ると生産も増えて生産者の所得も増えるため、配られた現金以上の経済効果があるはずなのです。

 もう少し具体的に考えてみましょう。

 国民に現金を配るために日本政府が発行する国債は銀行が引き受けるのですが、銀行は日本銀行の当座預金口座に入っている預金を取り崩して「国債」を買うわけです。そして日本銀行は毎月国債を市中から買い入れているので、それに銀行が応じて国債を日本銀行に売却すると、再び当座預金口座に資金が戻ってくるのです。

 つまり銀行は、その国債を保有し続けても売却してもいいわけで、仮にこの国債が国民に現金を配るために発行された国債であったとしても、何ら不利益はないのです。

 実際、国民に現金を配るときには、何か「引換券」のようなものを郵送して国民が銀行で現金化するか、国民の口座に直接入金するので、国民が「引換書」を現金化したり入金された口座から現金を引き出したりすると、それだけ現金が国民の手元に残ります。

 たしかに、それを消費に使えば、全体として消費が増えることになります。

 もちろん、これらの現金は銀行が出してくれているわけではなく、日本政府の代行をしているだけなのですが、結果的に銀行から現金が引き出されることは事実です。

 ここで銀行は現金が足りなくなるので、日本銀行に当座預金残高の一部を現金にするように頼みます。日本銀行からすれば、負債項目の当座預金が日銀券に置き換わるだけなので何も変わりません。

 ここが一番重要なところで、本来であればいくら日本銀行がいくら量的緩和をしても、供給された資金が日本銀行の当座預金から出て行かず国民生活に何の役にも立ってなかったものが、確かに現金として世の中に出てくるのです。

 そしてその一部でも消費に回れば、間違いなく経済活動がプラスになるのです。

 こう考えていくと、国民に「現金」を配るというのは決して間違った政策ではないのです。

 当然、財務省は猛反対します。財政赤字や国債発行額が増えるだけでなく、直接国民に現金を配る方法だと官僚の権限が入り込む余地がほとんどないからです。同じ予算を使うなら補助金にして受け皿や配分方法の選定に関与し、天下り先の確保に結びつけたいからです。

 突き詰めて考えれば、現金を直接国民に配る方法は官僚組織というフィルターを通さない直接的な景気刺激策なのです。

だから効果も大きいはずなのです。

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コメント
ヘリコプター的な観点に限定するなら、生活保護というのは非常に有効と言えます。
なぜなら100%近くが確実に消費にまわるからです。
経済誌からの大雑把な計算で公共事業からの給与として与えるより、失業させて直接生活保護とした方が費用は4、5分の1で済むかなという印象を持ちました。
生活保護を悪者視する風潮がありますが、それはかなり一面的です。経済効率はかなりいいはずです。
これは花見酒の世界ではないでしょうか? 落語では最後に酒が無くなるというオチですが、このエントリーでは「都度みずで希釈化して最後には樽ごと水になる」というオチです。
(1)銀行が買い上げた国債を日銀に売る場合、日銀は該当する当座資金は配ってしまって存在しませんから、新たにお札を刷って充足する必要がありますね。(非不胎化)(通貨の希釈化)
(2)「ルール性の不在」
*現状の世界は「貨幣の希釈化」が進行しすぎて、「信用の希釈化」に転移した国々に溢れています。資源もなく、国際政治力も見込めず、軍事力も見込めない日本に取り、輸入が無ければ即死です。その最後の砦が、お金=「貨幣の信用」が優先されるべきです。
*今回の「国民へのバラマキ」は「ルール性(合理的な規律)」が感じられず、際限なく拡大するのではないかとの不信感を外国にもたらす危惧があります。(政府紙幣と同じ)
減税と同じ効果であるならば、「減税策」が国際的には「ルール性」を維持できると思います。
年金、健康保険等の社会保障費年間約110兆円のうち約40兆は税金で補填してます。一般会計90兆円のうち税収は40兆円、50兆円は赤字国債ですから、税金で補填している40兆円の社会保障費(ほぼ全額が消費に廻る)は政府が返す当てのない現金を国民にばら撒いていると言えます。国債か政府紙幣かの議論もありますが、限度を超えれば紙幣が国民あるいは国際社会の信任を失い制御不可能なインフレを起こすことは歴史が証明しています。世の中にフリーランチは無いというのは経済学の教えるところではないでしょうか。
3437私は経済に関しては全くの素人です。
考え方によっては国債を発行して公共事業を行った場合、官僚の利権、大手ゼネコンの利益が差し引かれて一般の労働者に現金が渡ります。
これをただすっ飛ばした手法と単純に考えれば『あり』ではないかと思います。
市場に貨幣を供給する有効な手段に成りうると思います。
現金は貯金されてしまうかも知れません。
期間限定商品券の配布にしたらどうでしょうか?
商品券も期間限定にしないと貯め込む人が出てきますが、期間限定券だとほとんど消費に回ると思います。

年金の一部も期間限定商品券にしたら老人のお金が市中に回ると思います。

その代わり、医療費の低額窓口負担はやるべきです。
血栓が生じないように血液の流れを良くする対症療法的な主要国中央銀行の協調で、欧米株価は急騰<米国には、始まったクリスマス商戦の好調もありました>。

短期資金の流通問題<金融機関間での融資・オ~イ・A銀行さん1日お金貸してね・主要国協調でコール・レート低くなりますね>でですから、抜本的には、欧州の経済及び財政構造を改革しないと解決にはならないかと!金融機関によっては、与信から金融機関間で短期資金流通が悪くなることへの防止も含めての各国中央銀行の協調かと!

また、中国人民銀行が、08年以来、預金準備率を引き下げたことも株式市場にはプラスでした。
麻生総理の頃に定額給付金を支給しましたけど、あれと同じしくみ?
過去15年、色々な処方箋はいままで取りざたされてきましたが、それが出来ていれば次はとなるのでしょう。このままいっちもさっちも行かなくなるまでこのままの状態のような気がします。そして世界から不景気の津波が押し寄せ更に悪化。どう考えてもこれからよくなるような処方箋はもうないのでは?調整インフレを10年前にやっていれば何とかなったかもしれませんが郵政民営化のばか騒ぎで更におかしくなりました。地に足の着いた仕事もこれでは
なかなか進まない。
インフレを誘発しそうですが、資源価格が上昇すると日本のGDPデフレーターは下がる傾向にあるようです

また、長期的にお金を刷り続けてインフレが長続きすると株価がついていけなくなり、相対的に株安になるとバーナンキさんが述べています
 ヘリコプターマネーは大賛成です。ただし、その分を国債で、というのはハイパーインフレの火薬をこめることになります。
ではどうすればいいか?
 ここは歴史に学び明治の大久保たちのように「太政官紙幣」―つまり政府通貨発行の法的準備を整備するのが得策でしょう。
(もちろんそのために西南戦争後、松方正義らは戦後大きな苦労をあじわったが、日清戦争による賠償金2億テール(3億円/当時の明治政府通年予算の140%程度かな)を銀証券で得て、かつそれを丸ごとイングランド銀行に委ね(イ銀行は金本位制だった)そこの小切手を日銀に入れて、国際社会に「日本は金本位制」という信任を得た)。
 仮に「100兆円政府通貨発行枠法案」を5年間の時限立法で実現し、初年度20兆円程度を官僚に委ね、ともあれ東北復興の投資を短期間にやらせる。次に、25歳以上60歳未満の国民のうち年収500万円以下の人(公務員を除き約3.000万人)に年齢×2万円程度の「株式交換券」を配布する、と。ざっと25兆円くらい。以後これをベースに「25歳になったら50万円分の株主になる」文化を定着させればいい。年間5.000億円弱です。これによって日本人全体が投資家になる、大人になればいい。否が応でも日本はとっくの昔に「投資家国家」になっています(経常収支をみれば明らか)。この政府通貨100兆円枠法案は、その確認みたいなものです。かつ、投資家国家たるベネフィットを国民全体で共有させるものです。
 もちろん多くの国民は株式交換券で得た株ををすぐ売却し、消費するかもしれません。それはそれでいい。テーマは「自分は成熟した投資家国家日本の国民である」ことを自覚する有権者が増え、常識になればいい。昭和15年までの中産階級のように。
 現実に考えればマネタリーベースは増加するけれど、5年100兆円では年間20兆円、GDPの精々4%程度だからスローインフレになる可能性はあるが、間違ってもインフレにまで行かない。ただし円ドルは100円/1ドルくらいにはなると思います。
 この100兆円は会計上日本銀行の負債勘定になるが、日銀の弱体化にはなりえない。何故なら、日銀はそれ以上のドル資産を抱えているから。
 要は日本国の「シニョリッジ」は誰のものか、というところにあります。主権者たる国民のもの、とするならば、この100兆円枠時限立法はその再確認です。
 現在の国際金融市場がグラついているのは、シニョリッジを誰が持っているのか不明なユーロなる「国際商品券」におびやかされているからです。基軸通貨ドルとそれを補完する円、ポンド、スイスフランを中心とした「責任シニョリッジ通貨連合」を形成していけば、世界は安定に向かいます。
 
景気とは供給側からみた言葉です。お金を配っても同等の需要が発生しなければ不経済となります。経済の基礎は衣食住でしょう。億ションの建設作業員はそれを購入できるでしょうか?リーマンショックは金の亡者たちが作り出した小ざかしい理屈が経済の原理にはそぐわないものだったこと、所詮金融は経済のしもべであるべきことを示しています。確かにお金を絞れば不景気になります。しかしいくら緩めても好景気にならないのが失われた20年です。お金の量で経済をすべて制御できると考えるのは間違いです。現在の日本は需要を刺激しても一時的なものに終わります。需要が飽和していると考えるべきです。
従って供給過剰が不景気の原因です。このことから現在のヨーロッパの危機を乗り越えてもその先に好景気があるとは限りません。
国債
国債はかたちを変えた税金に過ぎない。しかし紙幣は税金ではなく経済を動かす元である。
 そこで国債と税金はどのように異なるか?そもそも税金は何に使うか
1)国防すなわち軍事
2)国内治安と法秩序の維持
3)それらを運営する政府

上記三つで後は税金でまかなう必要は無い。捨てておけばいい。それでは困るというときは、国債を発行してタトエバ道路を作り、それがうまきいき経済が成長すればその国債は償還されて、銭が増えるが、経済が成長しなければそれは資産で負担をすることになる。
 現在は後者であるから、何をしても資産でするしかない。つまり、貯金を下ろして、負担をすることになる。そのときが近い。しかしそこに為替というものがあるから、もう少し別の要素が加わる。
銭を出そうが国債を出そうが現状は同じ事に過ぎない。資産があるうちだけのことである。
いつも大変参考にさせて頂いております。全く関係ないのですがいつか東京電力の今後の株価予想について卓見お聴かせくださると非常に嬉しいです。
ちょっと経済をかじった人ならこの意見は当然。批判する方が頭がおかしいよ。
今の日本でインフレの心配をする必要は全く無い。心配するのは公平性。
生活保護で良いなんて言う意見がついてるけど、これはとんでもない話。働かずに金が貰えるならそのほうが得になってしまう。

まずすることは消費税を0%にすること。財界の連中はこれを公平な税だと言っているのだから0にしても何の問題もない。これで貯金や給料が5%増えたことになるので公平さを失わずに景気回復ができます。
”現金を配る”日本の現状に即して考えるならば、震災の復興増税分をその方法で”実験”してみるのが良いと思います。それにより増税は無し。多くの国民や企業はすでに増税を覚悟していますので、それが無くなるだけでも減税と同等の心理的効果があると思います。一方で、現金を配布されるのは、震災の被害にあわれて本当にお金を必要としている人たちですから、殆どが消費に回るはずです。これなら震災復興という大義名分もありますし財務省もNOと言い難いのではないでしょうか?
現金を国民に配る量的緩和に賛成です。なぜなら、日銀が量的緩和を行わない理由として、それが消費に回らないからだそうです。逆にいうと、消費に回るような形の量的緩和は求められているわけで、現金を配る形の案は素晴らしいかもしれません。なお、量的緩和を行いすぎるとバブルの危険は高まりますから、もちろん、節度をもった量的緩和である必要があるのは言うまでもありません。
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