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オリンパス事件の今後の展開  その1

2011年12月05日

オリンパス事件の今後の展開  その1

 相変わらずオリンパスが世間の関心を集めてのですが、現時点で伝えられている状況から今後の展開を時系列的に予想してみましょう。

 時間的に一番早いのが第三者委員会の調査報告書で今週中に発表されます。第三者委員会の報告書はあくまでも任意調査で法的効力はないのですが、オリンパス事件に対する「社会的認識」や、今後の「捜査方針」に重要な影響を与えます。

 伝わってくる数少ない情報で内容を推測することは難しいのですが、先日「暴力団組織へ資金が流れた」という一部報道に対しては、素早く「そういう事実はなかった」というコメントを発表しており、基本的にはオリンパス側に立った「穏便」な調査結果になるようです。

 調査報告書では、当然2007年以降に海外ファンドに「飛んで」いた損失を国内3企業の「高値」買収とジャイラス買収に伴う「高額」報酬で「消した」経緯が中心となり、そこで中心的役割を果たしたのがオリンパスの山田常任監査役(元・副社長)と森・元副社長であるとなっているはずです。

 調査報告書の最大のポイントは、歴代経営陣(下山・岸本・菊川各氏で、それぞれ「全く知らなかった」・「よく覚えていない」・「詳細を知ったのはごく最近」などと発言しているようです)の関与度合をどう判断しているかです。

 わかりやすくいえば、山田・森両氏が「あくまでも個人の判断で損失隠しを続けていた」と「判断」されるかどうかですが、個人的にはそうなると思います。

 その次が、12月14日が期限となっている過去5年分の有価証券報告書の訂正と、遅れている2011年度9月期の決算発表です。間に合わなければ上場廃止となるのですが、間に合わせるようです。

 訂正するのは過去5年分の有価証券報告書(2007年3月期~2011年3月期)だけで、問題とされている企業買収や高額の報酬を支払った時期は含まれています。

しかしそれ以前については、1990年ころまで遡って決算数字だけが修正されるようで、それではそもそも損失が発生して巨額化して行った経緯や、過去どういう損失隠しをしていたか、もっと言うとそもそも運用による損失だったのかとか、損失隠し以外のところに資金が流れていなかったか、などは解明されないことになります。

 それでは、訂正対象となっている2007年3月期から2011年3月期までについてのポイントを考えてみましょう。

 まず、2007年3月期に計上されている「損失を隠すために水増しされていた600億円の預金(外貨預金のようです)など合計1270億円の資産」が、その後の国内3社の「とんでもなく高値」の企業買収と、ジャイラス買収に際して支払った「とんでもなく高額」の報酬などに「支払われた」ことになっています。

これを訂正するということは、その水増しされていた(要するに、実際は存在しなかった)1270億円の「資産」を2007年3月期に遡って「消滅」させ、「とんでもなく高値」の企業買収と「とんでもなく高額」の報酬を、本当に国内3社の企業買収に支払った金額と、本当にジャイラス買収に際して支払った報酬(これも決して安くないはずです)に修正することになるはずです。

 この間に「のれん代」が334億円過剰に計上されているようなので、これは修正されるものの、それ以外の最新の決算数字は従来の予想から大きく変わらないはずです。

 つまり「水増しされていた資産」が計上されていった具体的手法や、その間に監査法人がどのような監査をしていたなどが、その「犯罪性」を含めて一切「不問」になる可能性が強いのです。

 まあ、要するに粛々と5年分の有価証券報告書を訂正し、それをもとに2011年9月期の決算を発表して無事上場維持となるはずです。

証券取引等監視員会も課徴金納付を金融庁に勧告することになるのですが、その訂正の期間にオリンパスは資金調達をしていないため、基本的に課徴金の額は「粉飾額」に一定比率を掛けた額になります。ただ「粉飾額」の特定が非常に難しいような気がします。

 そして最後が、損失隠しを主導したとされる山田・森両氏の「刑事責任」をどうするかなのですが、年内は何も起こりません。12月10日を過ぎて「逮捕」すると「捜査当局」が正月休みを取れなくなるからです。

 続きます。

ブログのトップ画像を少し変えてみました。ご感想を書きこんでください。

皆さんの感想によっては再考します。
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コメント
興味深く拝見しています。
M前々社長が取締役を辞任したとのこと。そのプレスリリースの末尾にある問い合わせ先に弁護士の名が3名載っています。
3人目のS弁護士の名前がちょっと引っかかったのでぐぐるとその弁護士の祖父は元経済企画庁長官で、父上は祖父の秘書官や日銀勤務や大蔵政務次官をされた国会議員で且つ日本版金融ビッグバンの提唱者でもある方とのこと。M前々社長を何者かが絡めとり、丸め込もうとしているようにも思えるのですが考えすぎでしょうか。
>まあ、要するに粛々と5年分の有価証券報告書を訂正し、それをもとに2011年9月期の決算を発表して無事上場維持となるはずです。<

24.3月期中間期報告書提出と、過去5年間の有価証券報告書の訂正及び監査報告書の訂正とは別のことです。


監理銘柄<確認中>は、24.3月期半期報告書を、提出期限である11.14日までに関東財務局へ提出できない措置であり、12.14日までに、その提出<適正意見を付した監査報告書も>で取引所は、監理銘柄<確認中>を解除すると思いますけど。

オリンパスは、過去5年間の有価証券報告書の訂正及び適正意見を付した監査報告書の訂正をした報告書を関東財務局へ提出する意向のようですけど、
この訂正って、ただ、たんなる「錯誤」と解していいんでしょうか?

ああ~、間違っていたで済む問題でしょうか!!

私は、過去5年間のそれらの報告書が提出されても、引き続き、有価証券報告書の疑義が解消されたとは確認できないと東証は判断し、その解除後<監理銘柄・確認中>、新たに監理銘柄へ指定をすべきかと思いますけど!

東証上場廃止基準

有価証券報告書等に「虚偽記載」を行った場合で、その影響が重大であると当取引所が認めたとき

ここで、虚偽記載がっても、その影響が重大であると東証が判断とあります。投資家に対して重大なんでしょうけど!この規程から、有価証券虚偽記載があっても、東証の裁量権でもって上場廃止とはしないことにもできます。
ご丁寧で読みやすい文章、いつも拝見させていただいております。
ありがとうございます。

>ブログのトップ画像を少し変えてみました。ご感想を書きこんでください。

率直に書込みます。
個人的には前の方が好きです(笑)

今後もブログ、楽しみにしています。
毎回興味深い記事楽しみにしてます。
デザインについては、前の方が、良かったです。
変えられる前の「眼」が好み!鋭さあり!

変えられた「眼」は、インパクトを感じませんけど! 眼力なしかと!何か、曖昧さを感じてしまいます。
私個人的には上場企業などの監査に長く携わった経験から、少なくとも主幹事証券と監査法人と金融庁は飛ばし取引の存在を知っていたと思います。ただ「外国人投資家対策で外国人社長擁立を勧めた」のは主幹事証券ではないかと思われますので、一連の事件は主幹事証券がGSあたりと組んだ単純な「叩き売り」スキームではないかと思います。となると前回の空売りだけでなく、上場維持と見せかけて株価をある程度回復させた後に新事実発覚によって上場廃止、デフォルト、解体まで一挙に進む気がしています。
エコノミスト
エコノミスト誌に独自試算4000億円オリンパス粉飾。連結債務超過見通し記事が出ました。闇株さんに一報まで
私も前のデザインが良いと思います
初めて見た時は強烈なインパクトでしたがそれがかえって、闇に隠された真実について語るこのブログには合っているように思います。
この事件(という表現がいいかどうかわかりませんが)、ちょっと70年代ロッキード事件を想起させるところがあります。それは「海外発」のニュースから話が広がり始めたところ。当初はごくありがちな、したがって日本の多くのメデイアが無視していた「角栄金脈」は、米国議会の小委員会から本格的にキックオフ、一国の前首相にワッパかける事態にまで発展しました。
英SFO、米FBIいずれも今回のテーマは「タックスへヴン通過のロンダリング」であり、何より「YAKUZA」です。日本ヤクザはすでに欧米やロシア、チャイナにもネットワークを形成し、昔と異なりオフショアの事業展開をしています。英米当局にとって今回の「ケース」は絶好の機会。無茶ないいがかりのようなことでもやるでしょう。
ご承知のとおりオリンパスは米国でADRを売っています。投資家保護のためにも、あるいはいずれ実現する「TPP時代の先ぶれ」としても、相当の攻撃があり、仮に日本でオリンパス旧経営陣に対して刑事訴追免除になっても、彼らは米国で立件し、条約かインターポール通じてか、どちらにしても個人法人両方の刑事民事告発、訴訟まで行くと思います。…まあ、実際にはその前にアメリカの意を汲んで東京地検がオリンパス本社に踏み込むと思いますが。
それにしても特金とかファントラとか、懐かしいフレーズですねえ。懲りずに20年間やってたのかと、それについては呆れるばかりです。
オリンパス連結財務データ

決算期 総資産(百万円) 純資産(百万円) 一株純資産(円)
2006/03 第2 909,119 260,236 962.13
    第3 964,350 276,158 1,021.12
    通期 976,132 290,656 1,074.30
2007/03 第1 941,757 299,522 1,072.65
    第2 982,718 317,389 1,138.06
    第3 1,038,994 341,905 1,228.37
    通期 1,091,800 344,871 1,236.34
2008/03 第1 1,117,850 366,844 1,311.11
    第2 1,110,835 372,473 1,330.89
    第3 1,141,366 383,861 1,373.62
    通期 1,358,349 367,876 1,318.65
2009/03 第1 1,398,243 366,948 1,330.09
    第2 1,307,634 343,910 1,248.98
    第3 1,195,106 241,281 869.37
    通期 1,106,318 168,784 603.92
2010/03 第1 1,104,785 185,941 661.87
    第2 1,137,600 204,298 730.05
    第3 1,128,901 214,952 768.25
    通期 1,152,227 216,891 775.76
2011/03 第1 1,097,071 185,922 661.32
    第2 1,063,177 180,482 639.82
    第3 1,049,382 160,173 572.66
    通期 1,063,593 166,836 613.39
2012/03 第1 1,097,490 151,147 555.71

2007~2009年にかけ、純資産が「増加」したのは、財テクの損失分が、「資産」に水増し、粉飾計上されたからです。
そして、2009年下期から今期にかけて、純資産が「減少」したのは、水増し粉飾計上された「資産」を、「償却」ないし「減損処理」という形で、損失処理したからです。

我々投資家は、1株当たりの純資産を、株価形成の重要な判断指標の1つとしており、それが不正に操作されたのでは、たまったものではありません。
1株当たりの純資産が増えれば、株価は上がり、また減れば、株価は下がります。

過去の総資産や純資産、それも約1,300億円もの巨額が、「錯誤」で間違っていたから訂正すれば良いというものではないと思います。

ライブドアは、株式の売却益を、「錯誤」により売上と利益に計上したため、株価を操縦しようとしたとして上場廃止になりました。

ライブドアの比でない、1,300億円もの巨額を「資産」に水増したオリンパスを、上場廃止にしなければ、日本はいい加減な国と世界中から笑われると思います。

巨額の粉飾決算、不正な会計処理をしても、上場廃止にならないという悪い見本を作っては駄目です。
菊川氏の発言を聞いて、やはり、この方には、会社は株主のものである認識欠如かと思い、米国の会社は株主ものとする温度差を感じました。

それは、オリンパスだけにあらずで、上場企業のトップには、その認識が欠如している人も多いかと!

ですから、TOBを実施して上場廃止をしたカルチャーコンビニは、株式公開時には、公開することによるメリットを利用しても、株式公開をしていると、株主が煩いからなんて、M氏の発言になるのかと<だから、非公開にとね>!結果、M氏等がカルチャーコンビニの100%株式保有で、ただ、株式公開を自己の利益のために利用した典型かと思いますけど<それでしたら、株式公開なんてするなと言いたいですから>!

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