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ユーロ圏国債の一斉格下げ検討の影響

2011年12月08日

ユーロ圏国債の一斉格下げ検討の影響

 オリンパスのことばかり書いていても世界の潮流に取り残されそうなので、本日はこの話題にします。

 12月1日に大手格付け機関のS&Pが、ユーロを構成する17か国のうちの15か国の格付けを格下げ方向で見直すと発表しました。

 正確には「クレジットウォッチ・ネガティブ」というもので、向こう3か月以内に格下げの可能性が50%程度あるという意味です。まあ、発表してしまったからにはメンツもあるので本当に格下げするんでしょうね。

 ここで、民間企業のはずのS&Pがユーロ圏や世界経済の命運を握っていることの不条理さとか、S&Pは米国も格下げしているので「つじつまを合わせた」などを議論するつもりはないのですが、少し冷静になって考えてみましょう。

 当然、格下げ方向の対象になっている15か国には、最上格(AAA)のドイツ、フランスなど6か国が含まれています。まず、現在の欧州金融安定基金(EFSF)はこの6か国の保証額を前提にしているため、根本的に瓦解するとまでは言わないものの現在議論されているEFSFの機能強化案も頓挫してしまう可能性があります。

 日本政府が何の疑問も持たずに購入しているEFSF債も、当然格下げになります。

 まず一番影響を受けそうなユーロ圏の各国国債の利回りですが、ドイツ国債の「札割れ」があった直後の11月25日の各国10年国債の利回りは、ドイツ2.25%、フランス3.66%、イタリア7.23%、スペイン6.63%でした。

 しかしその後、イタリアが独自の財政削減案を決定したことや、ユーロ圏諸国の財政規律強化に向けて新たにEU条約を制定する動きが出ていることもあり、日本時間12月8日の午前零時現在の利回りは、ドイツ2.07%、フランス3.20%、イタリア5.98%、スペイン5.36%となっています。

つまり、S&Pの決定があったにもかかわらず、ユーロ圏すべての国債利回りが低下しており、特にイタリア、スペインなどの債務問題国の利回り低下(価格上昇)が大きいのです。因みにギリシャ国債だけは28.9%と上昇中です。

 (実は本日の記事をアップする直前に、イタリア、スペイン国債の利回りが上昇したのでチェックしていたのですが、内容を書き換えるまでに至らないと判断しましたので、国債利回りだけ更新してアップします。遅れまして申し訳ありませんでした。)

 これは非常に重要なことなのです。

つまりユーロ圏の財政赤字問題やユーロそのもの行方に対して、従来の懐疑論一辺倒の「市場心理」が明らかに変化してきたのです。

 非常に非科学的なことを言うようなのですが、市場(マーケット)は理屈で考えても決して当たらないものです。だから経済学者や経済評論家は理論整然と「外れる」のです。

 市場(マーケット)にすべての答えがあるのです。

 もう1つ、市場(マーケット)を見ていて考えたことを書きます。

 11月30日に、日米欧の6中銀が短期のドル資金・供給拡充のために協調したのですが、世界の銀行間の短期ドル資金の需給を示すLibor 3か月は0.53%と全く変化していません。

12月3日付けのメルマガ「ドル資金供給の協調策で見えてきたもの」をご参照ください。
 まだ、メルマガ登録されていない方は登録しておいてください。この画面の下段から登録できます。無料ですよ。携帯電話の方で登録できない場合は a[0001264131]@mobile.mag2.com に空メールを送信して登録することも可能です。

 つまり、確かに(特に)欧州の銀行は万一の時には短期のドル資金を中央銀行から調達できるようになったのですが、日々の膨大なドル資金調達は市場から行っており、その調達の困難さは何も変わっていないということなのです。

 欧州銀行に限らず、世界的に銀行の信用問題は何も改善していないことになります。

よく、短期ドルの需給がタイトになると、ドルそのものの需給が改善してドル高になると
言っている「専門家」がいるのですが、間違いです。

短期のドルを調達するのは普通ドルを貸し出しなどに使ってしまった銀行であり、もし銀行が「そのドルを返してほしい」と言っても「はい返しましょう」という訳にもいかないため、為替に影響があるような最終的なドル需給とは何の関係もないからです。

 ところが最近、市場(マーケット)をよく見ていると、「円安」になって行きそうな気がしているのですが、その辺のことは近々書くことにします。

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コメント
2011/12/01 Thu 09:40 私のコメント・・・

>血栓が生じないように血液の流れを良くする対症療法的な主要国中央銀行の協調で、欧米株価は急騰<米国には、始まったクリスマス商戦の好調もありました>。

短期資金の流通問題<金融機関間での融資・オ~イ・A銀行さん1日お金貸してね・主要国協調でコール・レート低くなりますね>でですから、抜本的には、欧州の経済及び財政構造を改革しないと解決にはならないかと!金融機関によっては、与信から金融機関間で短期資金流通が悪くなることへの防止も含めての各国中央銀行の協調かと!<

12.8日・・ドイツ政府:現行のユーロ圏救済基金と恒久的な基金と統合する案を拒否。どの辺で、ドイツが歩み寄るかかと!

またユーロ共同債発行にドイツ・メルケル首相は反対!<ドイツとギリシャ・スペイン・イタリア等と同じ金利で資金調達できますから、ドイツは反対>

<米ドル・円>

2011/11/28 Mon 09:44 私のコメントから・・>サイクルから、そろそろ円安向かうんじゃないかと見ますが。07.6月<円安>から円高に向かい、4年半経過しますから<サイクルから>。政府・日銀による為替介入で一時円安に振れたことを除けば、ドル円の日足は、底練り状態で、円安に向かうんじゃないかとテクニカルで判断もできる指標もでてきています。<

12.8日、対米ドル・円 日足罫線からも、円安に転換かと推測します。

ただ、ユーロ・円は、円安に向かうテクニカルにはなってはいないと見ますが。週末のECB理事会及びEU首脳会議の動向もありますけど、それよりも 日足のテクニカル指標から!11.25日前後の102円台後半を試しに来た時、維持できるかかと!



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