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オリンパス事件で見えてきた「落としどころ」  その1

2011年12月09日

オリンパス事件で見えてきた「落としどころ」  その1

 12月6日に公表された第三者委員会の調査報告書を受けて、見え始めてきたオリンパス事件の「落としどころ」について考えてみます。

 まず第三者委員会の調査報告書は、オリンパス事件の「社会的評価」「今後の捜査方針」への重要な「指針」となります。つまり報告書の中で「問題」と指摘されたことが「問題」であり、「問題」とされていないことは今後も含めて「問題」ではないのです。

 まあ常識とはかけ離れていても、ここは調査報告書の「基準」に従うしかなさそうです。

 まず、上場維持について再度考えてみましょう。読者の方からも「あまり断定的に上場維持だと言わない方がいい」とご忠告を頂いているのですが、以下のように考えます。

 現在、東京証券取引所は(確認中)と(審査中)である2つの理由で監理銘柄に割り当てています。このうち(確認中)は、遅れている2011年9月期の決算発表が出来れば(それには過去5年分の有価証券報告書の訂正が必要なのですが)解除されます。

 もう1つの(審査中)は、訂正された有価証券報告書の中身をチェックして、それが「会社ぐるみ」であるとか「悪質」であるとかに該当すれば、東京証券取引所は上場廃止にすることが出来るのですが、いずれにしても有価証券報告書が訂正されてからの(審査)となり、多少時間がかかります。

 ここで、第三者委員会の調査報告書の「表現」が重要になるのですが、すくなくとも「会社ぐるみで悪質」という表現はありません。過去の粉飾事件で上場廃止になったのは刑事事件化したカネボウとライブドアだけで(注1)、日興コーディアルやIHI(注2)などは刑事事件化せず上場も維持されました。

(注1) 東証マザース上場企業では、アイ・ビー・イー・ホールディングス、シニアコミュニケーション、オーエッチティーの3社が悪質な粉飾決算として上場廃止になっています(まだあったかもしれません。ご指摘ください)。
 
(注1) IHIについては、2007年より導入された「特設注意市場銘柄」に指定され、約1年後に解除になっています。

 まあ、「会社ぐるみで悪質」であるかどうかの判断基準に「刑事事件化」するかどうかがあることは確かなのですが、仮にオリンパスが「刑事事件化」するとしても、調査報告書にあるように主導したのが山田・森両氏で、元社長の3人についても「知っていた」としているだけで主導したとはなっていないため、結局「会社ぐるみで悪質」という判断にはならないと思われます。

 日興コーディアルについては当時の社長自ら主導し、高額の収益連動ボーナスまで得ているのですが、「会社ぐるみではなく悪質でない」という東京証券取引所の奇怪な判断で上場が維持されました。

昨年11月17日付け「あの事件はどうなった? その2」にライブドア事件との比較で書いてありますので、ご興味のある方はお読みください。

 まあ、最終的には東京証券取引所の判断なのですが、今の状況から考えて勝手に上場廃止には「出来ない」と確信します。ただ、IHIと同じ「特設市場銘柄」に指定される可能性はあります。

 それより非常に重要なことは、第三者委員会の調査報告を受けてオリンパスの現経営陣は昨日(12月7日)、現役員が総退陣し来年2月にも臨時株主総会を開催して「新経営陣」を選ぶことを発表しました。

 新設する「経営改革委員会」に大きな権限を持たせ、現経営陣が株主総会に提案する新体制や、事業見直し案や、他社との資本・業務提携や資産売却などすべてを事前に審査するとあります。
 
 どの報道にも、「誰が」現役員の総退陣と「経営改革委員会」の設置を決め、「誰が」「経営改革委員会」の人選を行うのかが書かれていません。本当の意味の主語がないのです。

 つまり「誰か」がオリンパスの全権限を掌握することが、いつの間にか決められていたわけです。もう一度、第三者委員会の調査報告書を読み返してみますと「そうしなければならない」理由が幾重にも織り込まれています。恐るべき深慮遠謀なのです。

 つまり、次は「誰の刑事責任を問うのか?」だと思っていたら、なんと次は「誰がオリンパスを手に入れるのか」に一足飛びに進んでしまっていたのです。

 東京電力を「手に入れる」のに9か月もかかっているのに、オリンパスは1日で終わったのです。恐るべき「早業」です。

 その「誰か」とは、誰でしょう?

 まあ、「官僚」と「銀行」なんでしょうね。

 しかし、これを機会に(大王製紙もありましたので)「官僚」と「銀行」による企業統治が一層進んでしまうのでしたら、企業の活力は全く削がれてしまい、株式市場は長期に低迷してしまいます。
 
 やはりオリンパスのPBRは1.0になり、とりあえず純資産が1100億円くらい残りそうなので1株=400円が適正価格ということになります。

 それから、ウッドフォードさんはもう出る幕がないようです。お疲れ様でした。

 続きます。


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コメント
>もう1つの(審査中)は、訂正された有価証券報告書の中身をチェックして、それが「会社ぐるみ」であるとか「悪質」であるとかに該当すれば、東京証券取引所は上場廃止にすることが出来るのですが、いずれにしても有価証券報告書が訂正されてからの(審査)となり、多少時間がかかります。<

ですが、「会社ぐるみ」「悪質」は、阪中さんの文言であり、東証は、第三者委員会報告書から、12.6<火>に、監理銘柄<審査中>の追加指定をしました。

指定事由は、>当取引所は、本日の同社の開示内容から、有価証券報告書等の訂正内容が重要と認められる相当の事由があると判断し、今後の審査の結果いかんによっては、その影響が重大であると認められ上場廃止基準に該当することとなるため、同社株式を上場廃止基準に該当するおそれがある銘柄として監理銘柄(審査中)に指定します。<

上場廃止基準:虚偽記載・・・有価証券報告書等に「虚偽記載」を行った場合で、その影響が重大であると当取引所が認めたとき

このことですから!!

大証銘柄、2414<塩見HD>は、大証の裁量権での上場廃止処分になったのかと思っています。明白に上場廃止規定条文に該当しないから、裁量権で、意見表明しない監査報告書を起因として上場廃止にしたのかと!

塩見HDの私の書き込みですが・・・

23.3月期訂正報告書・意見表明 2011/ 9/20 16:44

有価証券報告書の訂正報告書 平成23年9月20日

第7期(自 平成22年4月1日 至 平成23年3月31日)

連結財務諸表<訂正前>
資産の部   22.3.31   23.3.31
のれん    33.2億円     31.4億円
土地     69.3億円     66.0億円
資産合計  178.4億円    151.7億円

純資産合計 △21.3億円      3.3億円

連結財務諸表<訂正後>
資産の部     22.3.31  23.3.31
のれん       17.4億円   16.3億円
土地        84.6億円   81.3億円
純資産合計    △21.7億円    3.6億円

と、23.3末で債務超過解消としています。のれんは、第3者委員会の15億円を資産から減少させ、土地で資産を15億円増加させた手法は同じ。

独立監査人の監査報告書 平成23年9月15日<前期分>

野村公認会計士事務所
公認会計士 野村 文雄

陽川公認会計士事務所
公認会計士 陽川 仁成

私たちは、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社塩見ホールディングス及び連結子会社の平成22年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。

独立監査人の監査報告書 平成23年9月15日<当期・23.3月期分>
公認会計士は、前期報告書に同じ。

私たちは、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社塩見ホールディングス及び連結子会社の平成23年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。

★23.3月期で適正意見を付した監査報告書提出ですね!大証は、監査報告書で意見を表明しない事由で、23.3月期に債務超過解消したかの確認ができないから、猶予期間入りに指定していましたが、23.3月期 監査報告書で監査人が意見表明した報告書を提出してきましたから、法的には猶予期間の解除をせざるを得ないんじゃないかと推察しますが!!

上場廃止の件・・2011/10/ 9 10:06

野村及び陽川公認会計士は、23.3月期訂正有価証券報告書で、連結子会社ののれん処理15億円を減少させ、土地・資産で15億円増加させ、結果、純資産額はほぼ同額ですから、23.3月期に財務諸表で債務超過解消と訂正し、しかも、22.3月期及び23.3月期監査報告書で適正意見を表明。

上記提出を受け、大証は、債務超過の猶予期間入りから解除。なお,同銘柄は,平成23年7月29日付で監理銘柄(審査中)に指定され,平成23年9月15日付で監理銘柄(審査中)の指定理由が追加されています。

「債務超過」の猶予期間入り銘柄からの解除:(株)塩見ホールディングス 2011.9.20

株式の上場廃止等の決定:(株)塩見ホールディングス 2011.10.7

訂正報告書に虚偽記載があれば、大証は上場廃止措置にできましたが、のれん資産 -15億円とし、固定資産<土地> +15億円の処理には虚偽はなく認めざるを得ない計上の仕方と判断したのかと!<塩見は、当初から、野村及び陽川公認会計士に有報及び監査報告書の作成を依頼していれば、この結果とはならなかったのかと>。

大証の上場廃止理由を読みますと、意見表明しない監査報告書を起因に上場廃止としたと。そのことを上場廃止理由とするなら、10月7日に上場廃止の発表はどうかと思いますけどね!もっと前に上場廃止とできたかと思います。

私は、やはり、塩見が上場廃止規定の「欠缺」を付いたのかと思います。

ですから、大証の裁量権によって上場廃止としたのかと<まあ~、大証には塩見からの挑戦状のような有報等の提出の仕方に激怒し、メンツでもって上場廃止にしたのかと>

ですから、財務諸表で債務超過解消していても、意見表明しない監査報告書の提出は、債務超過解消とは認めないとすればいいだけかと!<大証は、財務諸表から債務超過解消されていて、意見表明しない監査報告書をもって上場廃止とすることは上場廃止規定からはできませんから>

勿論、今回の塩見の有報等の提出の仕方は、株主・投資家を愚弄する悪質ですけどね!


銀行が手に入れる理由は融資回収なのかなと思うのですが、官僚側の動機はどういったものが考えられるのでしょうか。天下り先の確保?
続編でお聞かせ願えれば幸いです。
民事再生法適用申請で、ニイウスコーは上場廃止でしたが、循環取引による粉飾決算→債務超→民事再生法!

大元は、循環取引による粉飾決算でしたから!

初めまして
最近、大手生保の経営危機を耳にしますが何か聞いていますか?粉飾があったとかです。
もし知っていましたら情報お願いします。
今時、NEVADAの記事を信じてる人がいるとは・・
読むサイトは厳選されたほうがいいですよ。
闇株さま

いつも楽しく読ませてもらっています。
大変、勉強になります。

引用させていただきました。
ご迷惑でしたら削除いたします。
http://keizaikeizai.seesaa.net/article/239860060.html

オリンパは、審査中と確認中が両建てになっているのが、上場延命の肝のような気がします。


メルマガも読ませていただいています。
ランキング 一位、キープおめでとうございます。
二位以下とは内容が違いすぎるので当然の結果と思います。

これからも、いい記事をよろしくお願いします。
ありがとうございます。
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