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2012年に起こりそうなこと  その7  「どうしようもないほど混乱しそうな消費税引き上げ」

2012年01月05日

2012年に起こりそうなこと  その7  
「どうしようもないほど混乱しそうな消費税引き上げ」

 官僚組織の中でも最強組織が予算配分権を持つ財務省(旧大蔵省)と、独立した公訴権を持つ検察庁であることは本誌で何度も書いています。

 その財務省(旧大蔵省)のトップは事務次官なのですが、その財務(旧大蔵)事務次官の中でも「10年に1人」と言われる大物次官がいるのです。

 そして現・財務事務次官の勝栄二郎氏は間違いなく「10年に1人」の大物事務次官のようです。大物事務次官とは、全官僚組織の中で圧倒的なリーダーシップを持ち、時の政権にも強い影響力を持ち、そして財務省(旧大蔵省)の生命線である「増税」を仕上げられる人物のことを言うようです。

 まさに勝栄二郎氏は野田政権を自在に操り、消費税引き上げを含む増税路線にまっしぐらに突き進ませているのです。

 さて、勝栄二郎氏の前の「10年に1人」の大物事務次官は誰だったのでしょう?

 それは1993年から1995年まで大蔵事務次官を務めた斉藤次郎氏です。

斉藤氏は、自民幹事長時代から小沢一郎氏と親密で、1993年に細川連立内閣が成立すると政権の実質トップである新生党代表幹事となった小沢氏と組んで1994年2月2日深夜に全く唐突に「国民福祉税7%」の導入を発表しました(実際に記者会見で発表したのは細川首相で、当時3%だった消費税に置きかえるという内容でした)。

これは閣内や議会での根回しが全く行われていなかったことに加え、この「国民福祉税」には大蔵省の裁量による増税が可能な仕組みが紛れ込んでいたことから強い反発を受け、結局撤回となり同年中に細川内閣が瓦解する原因にもなりました。

斉藤次官はその後も居座ったのですが、1994年に自社さ政権の村山内閣が発足すると、住専処理のもたつきなどを理由に辞任し、2000年に次官天下りポストとしては明らかに格落ちの東京金融先物取引所理事長(その後株式会社になり社長)になっていました。

 ところが2009年10月に突然、日本郵政社長として「復活」を遂げます。その直前に政権についた民主党の実力者でかつての盟友・小沢一郎は見捨てていなかったのです。

ところで、「10年に1人」というと、1995年まで事務次官だった斉藤次郎氏の次が現任の勝栄二郎氏とすると、少し間が空き過ぎています。

その間の大物次官はというと、2000年から2002年まで大蔵事務次官(途中財務省に名前が変わったため、初代の財務事務次官)だった武藤敏郎氏です。「準・10年に1人」の大物次官です。

当時は小泉政権下で、財政再建論者の武藤氏は小泉内閣の「痛みを伴う改革」の実質推進者でした(竹中平蔵が考えたわけではありません)。

余談ですが、小泉内閣は「改革」というイメージが強いのですが、実際は筋金入の「親・大蔵省」政権だったのです。銀行の強敵の「郵政」を民営化したのも、「改革」のためではなく「親・大蔵省」だったからですが、この辺はまた別の機会に書きます。

 武藤氏の方は2003年から日本銀行副総裁を務め、2008年から日銀総裁となることが既定路線でしたが、時の野党・民主党が官僚出身者だという偏狭な理由だけで信認せず、結局副総裁のまま退任して現在はこれまた次官経験者としては悲しいほど軽量の大和総研理事長となっています。

 小泉氏は、小沢氏と違って何の面倒も見ません。しかし、旧大蔵省全体としてはメンツのため「それなりのポスト」に復活させるはずです。というより旧大蔵省としては、武藤氏を大物の天下りポスト獲得(あるいは復活)のための「切り札」にするはずです。
具体的には「日本取引所初代社長」「東京電力社長」「りそな銀行頭取」あたりが予想されます。2013年の改選期まで待ってやっぱり「日銀総裁」というのも考えられます。

ところで昨年12月28日に、その武藤氏が消費税増税について日本経済新聞のインタビューに答えています。ポイントは「年金・医療などの社会保障経費は2015年に40兆円になる。消費税額は現在5%で13兆円(実際は12兆7000億円)なので、消費税を10%に上げると27兆円(実際は25兆4000億円なのですが)となり、社会保障経費の3分の2が賄え、16%にすれば全額賄える。だから(消費税を10%に引き上げる時に)上限が16%という増税の終着点を示すべきである」だそうです。

増税による景気減速効果を全く考慮に入れていない「驚くべき単純計算」で、これが「準・10年に1人」の大物次官の思考回路なのか、それとも国民への説明はこの程度で十分と考えているのかと、本気で考え込んでしまいました。

まあ「官僚の理論」とは、どうしようもないほど国民感覚から遊離しているのです。だからたまに「10年に1人」の大物事務次官が出て来たりすると、なまじ実力があるため政権を動かせたり社会の仕組みを変えようとするため、結局「大変な混乱」を招いて「後は放りっぱなし」となるのです。

そして「現・10年に1人」の大物次官である勝栄二郎氏の消費税引き上げ(あと最高税率の引き上げというのもあります)への野心は、特に野田現政権がどうしようもなく弱体なだけに行き着くところまで官僚主導で進んで、結局大混乱で何も決まらないことになりそうです。

そもそも公務員のリストラの話が全く無い中で、衆議院比例の定数だけ80人削減するというのはどう考えても「官僚の無理筋」で、混乱を助長するだけです。

まあ2012年を予想する記事なので、3月に野田内閣瓦解と予想しておきます。解散までは行かない(行けない)と思いますが、貴重な時間を政治の混乱と空白で浪費することになるのです。

官僚がその責任を問われることは、決してありません。

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コメント
何故そんなに円高が悪いことなのでしょうか?
GDPの日本の順位は円高で上昇しています。
日本のGDPに占める輸出の割合もそれ程高いわけではありません。
円高を理由とした会社倒産は昨年増加したようですが、東京商工リサーチによると昨年一年間の倒産件数全体は増えていません。
その他、円高がそれほど悪いものではないと示唆するデータは数多くあります。
そもそもドル円が120円の頃為替が100円を割れば日本は終わりのように言われていましたが、円高が蔓延している今そんな状況にはなっていませんよね?
私には「円高は悪い」といったイメージを一部の力を持った企業が宣伝しているように思えてなりません。
韓国やインドをはじめ自国通貨安に危機感を持っている国がこれだけある中で何か違和感を感じないでしょうか?
このままの社会システムでこの先に展望はないのは誰もが承知の事実だがシステムを改革するにはまずは税収ありきしか伝わってこない。大赤字の国家財政なのに満額ボーナスをもらう公務員改革から手を付けないと国民は納得しない。消費税を上げない代わりに取れるだけ取っていれば車も売れないし消費も低迷する。更に増税しようなんて10年に一度の大バカのまちがいではないだろうか? 
増税も内外国債発行も、両方増税ですよね。どの世代が払うかという点が違うだけです。野田政権の10%目標値はむしろ増税に否定的な立場です。本来なら現状維持のために30%弱は必須です。つまり差分の20%は現役世代の将来世代に対するモラルハザードです。将来世代は投票権がないので。景気の問題はむしろ民の問題で、政策的には定年廃止、指名解雇ルールの明文化、年金支給開始年齢の75歳引き上げ、移民方の制定、上場企業の報酬完全公開と役員以上の公募義務化が必須です。
名無しさんへ
>円高はそんなに悪くないのではないか。倒産件数もあまり増えていないし。

いつまで続くか分からない円高。社長としては付き合いきれない。会社っていうのは本来、人を雇えば儲かるはずなんです。かつて会社は儲けるノウハウ満載で社員の人生丸抱えしても利益が出た。真剣に誠実に事業を続ければ・・・今は儲かる時代ではない。毎年の原価低減要求は厳しい。会社の土地等を売ってアパート建てた方がまし。東京区内なら家賃の値引きもない。
倒産は増えなくても相続を機に廃業が増えている。雇用の場が失われる。
管理人様

いつも為になる情報を配信して頂き、
ありがとうございます。

下記のエントリーで、御記事を転載しました。

消費税関連法案閣議決定は、勝財務次官の終わりの始まりだった!? 
http://yangkuma.blog81.fc2.com/blog-entry-843.html

勝栄二郎氏への逆風が、財務省の中でも
強くなってきている様です。

今後とも宜しくお願いします。
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